「レディプレジデント~大物」に思う

「レディプレジデント~大物」に思う

昨年末のドラマ『大物』はこのブログでも紹介しました。
そして、今年になって『大物』は、
『レディプレジデント~大物』として
日本ではDVDもリリースされました。

以前、少し触れたのですが、再度。
タイトルが軽いんです。

# 昨年末のSBSドラマ演技大賞。
コ・ヒョンジョンssiは、
1昨年のMBC『善徳女王』に続いて大賞に輝きました。
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なぜ『レディプレジデント~大物』なのでしょうか?
『大物-レディプレジデント』ならまだ解りますが、それでもどうか…?
本当に小さなこだわりかもしれないのですが、
女性というジェンダーが先に出ているからいかがかと思います。
「レディプレジデント」という
配給側が作った和製英語がメインタイトルとなって、
一般に使われることへの違和感を少し書かせてもらいます。

「女でも大統領になれる」とか「初の女性大統領」
といったニュアンスが私の琴線を騒がせるからです。

このドラマは、架空のナムヘド(南海道?)、
ナムソン(南城?)のおばさん(アジュマ)、
ソ・ヘリムが
韓国初の女性の大統領になるという近未来の架空ドラマです。

無題SBS7

テレビ局のアンカーとしてデビューするものの、
ドジがあって「ボロロ・アジュマ」という子供番組に左遷。
しかし、
カメラマンの夫が
アフガニスタン取材の際に人質なって殺害されることから、
政治に開眼。
人の命を軽く扱って、救ってくれなかった政府に反旗を翻し、
自らを政治の世界に投入。
国会議員からナムヘの道知事、
それから大統領選挙へと昇って行きます。

こんなことは普通の男性だって、
普通の女性だってまさかまさかの異例な話です。
これに女性が主人公ということで、
ドラマは興味深く展開されていきます。
でも、
これは女性だから可能だったという見方は誰もしないと思います。
また、
男性にできないことを女性がやり遂げたという見方も
是とはしたくないです。

大切なのは彼女の政治信念です。
これは男性だって女性だって
とても大切な政治の原点だということをドラマが教えてくれました。
信念は簡潔です。
「困った市民のための救いの政治」という一点だけです。

以下、私が大切にしている、
ソ・ヘリムとハ・ドヤの会話です。


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ヘリムの決断はトヤと…

「アジュマ、複雑な顔をしているな」

「大丈夫だわ」

「嘘ついているな。顔に書いてあるぞ。
 11人が無事に帰って来たことの方が大切だ」

「トヤや、私の悲しみの原因が分かる?」
無題1967

「もし、私が武力勢力の人質にならなかったら、
 もちろん、乗組員も安全には帰れなかったけど、
 あれほどのニュースにもならなかったと思うわ。
 それが、私の気持ちを複雑にしているの。
 韓国政府はあれくらいしかできないのかと思うと憎らしいわ」

「アジュマ!」

「私は、この思いを捨てられないの。
 市民も守れない国である以上、
 こんなことでは
 政治に何を求めたらいいのか分からない」

「政治は、
 一人の力では成せないことは解っているじゃないか」

「解っているわ。
 でも、マンモスのような力で政治をすることでもないのよ。
 国民のひとりひとりが
 涙を流さなくて済むようなことにするのが政治の義務だと思うの」

「今度大統領に会ったら聞いてみる。
 どうしたら国民が涙を流さずにすみますか?…って」

「トヤや!私がやってみるわ」
無題1971a

「何を?」

「革新党の代表として、次の…」

「何だと?大統領選挙に立候補するのか?ふぅ~」

「ええ、見込みは全くないけどやってみるわ。
 国会議員に選ばれた時から、
 言いだせなくて困っていたことがあるの。
 でも、今は言えそうだわ」

無題1970


「大統領選挙に立候補することと、

 国会議員選挙や
道知事選挙に出ることとでは訳が違うぞ。

 これは自分の人生を
 180度変えてしまうことを意味するのだぞ。

 何でそんなに難しい選択をするのか?」


無題1969

「私が逃げ出したい時には、

 いつもあんたが傍にいて守ってくれたわ。

 これまでと同じように
私を見守っていてくれるなら、

 きっと力が湧くわ」

「俺はアジュマを信じている。
 アジュマを信じているからだけど、いつも気が狂いそうだ」

「…」

「アジュマは何でも達成するから、
 今度も達成するかもしれない。
 でも、アジュマがどんどん高いところまで飛んで行くから、
 俺がついていけない。
 スカイハイまで付いていけるか自信がない。
 それが嫌で、狂いそうだ」
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「トヤや」

「アジュマ、ここまででいいじゃないか。
 俺と、俺と二人のために…、ここではダメなのか?」

「ミアネ(ごめん)…」
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決心のスピーチ

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「私が望む国は繁栄でも強さでもありません。
 たった一人の市民の命も不当に亡くすことは許されません。
 一人の生命をも犠牲にすることなく、
 安全を守っていく国家を作ることこそが政府の役目です。

 市民一人一人の幸せ守ることができる国を作っていきたいのです。
 そのために、
 私、ソ・ヘリムは、次期大統領選挙に立候補することを宣言します。
 そして、必ず勝利します!」
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「ソ・ヘリム代表は選挙での勝利を信じていますか?」
無題1971e

「誰かが言いました。
 ただの人気取りで、
 “勝てる自信がないのなら、選挙に出る必要はない”
 と言いました。

 しかし、達成できなくても、5年後、10年後、
 あるいはもっと先の時代にでも、
 私の考えに共感していただく人が増えれば、
 そして、そのような人が大統領になればいいのです。
 ですから、決して私の挑戦は無駄にはなりません」
無題1972

「ソ・ヘリム代表!あなたの理想の国とはなんですか?」
無題1972b

「大韓民国に市民権を持つ、
 大韓民国の市民として考える国ではありません。
 大韓民国に市民権を持つ私たちが、
 この国を自分の国の所有者として、
 オーナーの立場で考えていくことができる体制を持つ国です。

 少なくとも、
 国家が何をやっているのか分からないままに死んでしまうとか、
 国家が守ってくれないと思いながら、
 むなしく死んで行く人がいないような国にするべきです。
 カムサムニダ」
無題1973

さて、

周囲の権謀術策の男たちの世界で、紅一点の奮戦をします。
政治の僚友のカン・テサンも
女性政治家というヘリムの立場を利用しますが、
彼女は袂を分かちます。
真の理解者は同郷のハ・ドヤ検事。
いつまでもいつまでも彼女の応援者で、
彼女が普通のアジュマに戻るまで何年も待ちます。

もちろん女性の元首というのは古今東西多くはありません。
過去からの対比では男性との数の違いがあると思います。
でも、数を挙げれば少ないかもしれませんが、
決っして、今では少なくはないし、
違和感なんてとんでもないと思います。

話しが長くなってしましましたが、結論を急げば、
政界、産業界、会社などなど、公の場所では
「男尊女卑」や「セクシュアルハラスメント」
などという差別言葉だけでなく、言葉と共に
性別による対立とか、上下関係とか、逆に性別による甘えなどが
単に言葉だけでなく、実態も含めてこの世から消えて欲しいからです。
(プライベートな男女の世界に触れるつもりはありませんが、
 私はめざしています)

市民の代表となるような人は
男性だって女性だって性別には関係ないと思います。
市民の代表とは政治家だけではなく、
弁護士、医者、会計士などなど有資格者のことで、
この社会のリーダー(エリートでもいい)と称されてもいい人々ということで、
全く、全く性別は関係ないと思います。

こんな私の感覚には、あのタイトルはマッチしないのです。
ソ・ヘリムは人間としての器が「大物(テムル)」なんです。

大統領最後のスピーチです。

青瓦台

無題2464

「愛する国民の皆様。
 もう少しで、この5年間の任期が終わり、
 大統領の職を辞さなければなりません。
 みなさまの期待や希望を
 すべて叶えることができたとは思えませんので、
 その点で不十分だったと思います」
無題2465

「大統領の功績は経済発展の度合いで評価されますが、
 実際の経済の成果は、
 みんなが働いてきた結果の産物だと思います。
 政治の役目とは、その成果を公平に分配することです。
 ですから、政治は、大統領や議会のためにあるものではありません」
無題2466

「国民の皆様の生活の向上のためにあるのです。
 それこそが政治に求められる本来の役目です。
 政界には短期的な政治上の信条の争いがあり、
 これは皆さんの生活に直結します。
 また、これが長期的には子供達の将来にも影響します。
 時代の流れによって、
 価値がなくなり見過ごしがちな法律もありますが、
 これが生活に影響することもありますので、
 注意が必要です。
 そのことを忘れないようにしなければなりません」
無題2467

「愛する国民の皆様。
 政治は腐敗だと思って、遠くから見ているのではなく、
 近寄って見てください。
 政治を見つめて、参加するのは皆様の権利です。
 そしてそれは子供達の未来を考えることになります。
 もう一度お願いします。
 どうか政治を見捨てないでください。
 そして、政治を愛してください。
 これから私はひとりの市民に戻ります。
 子供の母に戻り、普通のアジュマに戻ります。
 私と共に喜び、悲しみ、
 また、私を支持し勇気づけて頂いた皆様に
 感謝を申し上げます。ありがとうございました」
無題2468

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# チーム「大物」です。
SBSドラマ演技大賞のシーン
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無題DDD
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レディプレジデント

レディプレジデント・・・
言葉の響きも奇麗で、あまり気にしてもいませんでしたが、そんなバックグラウンドがあったのですね。驚きました。

ミシルさん(すみません、私の中ではやはりこうなのです)年を経てもおきれいですね、品性があって。前にも書きましたが、彼女は髪をアップされたほうがより美貌がひきたつように思います。

彼女の強さと決断力は、家族やトヤの確固とした愛に支えられた自信から来るものなのでしょうね。なんだか、アンドレにささえれれてフランス革命を成功させるオスカルの姿さえ彷彿とします。
女性はやはり一人では駄目です。いい男がいてなんぼの輝きが出るるんですね。

「大韓民国に市民権を持つ、
 大韓民国の市民として考える国ではありません。
 大韓民国に市民権を持つ私たちが、
 この国を自分の国の所有者として、
 オーナーの立場で考えていくことができる体制を持つ国です」

これ、すごく心に響く言葉です。
決して難しい政策を語っているわけではないのに、ヘリムの言葉はどうしてこうも胸を打つのでしょうね。

だから、ヘリムは「大物」なんですね。感動

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