FC2ブログ

『大君』 母(大妃)と息子(王)と孫(世子)

Mother's Day
amaririsu.jpg
(アマリリス:2018.05.01@nagasaki)

『大君』(テレビ朝鮮)の放送は終わりました。
結末はハッピーエンドです。
史実を知れば知るほどに面白くなる韓国ドラマ(史劇)なのですが、この『大君』についてはKJSで紹介するにあたり、ちょっと心配でした。
世宗の次男の首陽大君(第7代王)は、クーデターにより政権を奪い取る欲張りの息子だったからです。
他方、3男の安平大君こそが王道を知っていた人で、彼の方が世宗の性格に似ていた人だったからです。
つまり、社会正義の観点からは、
首陽大君を知れば知るほどに、ドラマの展開を「“苦々しく”見ないといけないのか?」と、思っていました。

しかし、脚本家はこれまでにない逆転劇を大胆に、しかも伸びやかに(ファンタジーとして)描くようです。
つまり、3男の安平大君(ドラマのイ・フィ)が愛と社会正義を貫くことができそうな結末です。
『イニョプの道』の脚本家チョ・ヒョンギョンが、また新しくヒロインに視点をあてたファンタジーを描いた作品になると思います。
極端に言えば「史実を無視!」なのですが、新たな脚本の手法を見たような気がします。

だから2倍に楽しめると思い、
KJSではドラマを紹介する一方で、史実をパラレルに別路線で記述したいと思います。

『大君』:母(大妃)と息子(王)と孫(世子)~壮大なファンタジー

高麗武士として北方の防衛で活躍した李成桂(イ・ソンゲ:初代太祖)将軍が朝鮮王朝を築いたのが1392年のこと。
(国号が“朝鮮”となったのは翌年)
その後は次男に第2代王(定宗)を譲り、さらに3男の第3代王(太宗)へと王位は禅譲されるのですが、いずれも長男ではありませんでした。
さらに、太宗も3男に禅譲(第4代王・世宗)します。

1.世宗の妻・文宗の母

ドラマの大妃は、大妃(テビ)・沈(シム)氏(役:ヤン・ミギョン)
<第4代王・世宗の王后:昭憲(ソホン)王后沈氏(1395~1446)>

第4代王・世宗は1450年に亡くなっていますので、彼女は世宗より4年前に亡くなったと先に書きました。
・では、ドラマにあるように文宗の子(後の第6代王・端宗)の誕生を見たのか?

実は見ていたと思います。
ただし、その際には文宗はまだ世子で、即位はしていません。
世宗は、亡くなる8年前(1442年)から実質的な政権・統治を長男の文宗<幼名は李珦(イ・ヒャン)>にゆだねていました。
(なお、この8年の間に世宗はハングル文字を創製(1443年)・公布(1446年)しました)

つまり、文宗がまだ世子の頃に、側室の世子嬪(ピングン)が男の子(後の第6代王)を産んだ(1441年)からで、大妃はこの誕生に歓喜したと思います。
これにより、ピングンは後に正室に昇格し顕徳(ヒョンドク)王后・権(クォン)氏となります。

(第3話より)
世子の誕生

「見て下さい、チュサン。
 ついにお世継ぎの誕生ですよ」
333pp_2018050802023366e.jpg

「…」

「抱いてみますか?」

「…」
334_20180508020232fc7.jpg

2.第5代王・文宗(ムンジョン)

彼のことをただ病弱で在位期間は2年3か月としか書きませんでしたが、実質的には父親(世宗)の摂政を8年間務めていますから10年以上も政務をこなしたことになります。
(もちろん、ハングルの創製も知っていたと思われます)

「チョナ…」
334a_20180508020231055.jpg

「コマプソ…。
 そなたは王室の繁栄のために大役を果たしたんだ…」

「本当に大儀だったわ」
(大妃)

「…」
334b_20180508020230b0d.jpg

文宗は広く官僚たちの意見を取り入れて、『高麗史』『高麗史節要』を編纂し、新朝鮮王朝の政治・制度・文化の整理を行う一方では、『東国兵鑑』などの軍政をまとめるなど、文武に亘る柔軟さと強さをもった王だったとされます。

また、文宗の妻の顕徳(ヒョンドク)王后・権(クォン)氏は最初に公主(敬恵)を産んでおり、世子は第2子です。
ただし、彼女は世子(第6代王)を1441年に産んだ3日後に過労で亡くなっています。
(王后に昇格したのはその後の事でしょう)
したがって、ドラマ(第1話)にあるように、その時には権氏は存命ではありませんでした。
つまり、大妃・沈氏が第6代王・端宗を5歳まで育てたということになります。

3.第6代王・端宗(タンジョン)
1441~1457年)
<在位1452~1455:3年2か月>

(第1話より)

「アバ媽媽~」
100ee_20180415145617217.jpg
# 文宗(ムンジョン)の世子(第6代王・端宗)

「チュサンは数年もずっとお病気に耐えておられますから…」

「きっと回復します。世子はまだ幼すぎます」
100f_20180415145616804.jpg
# (左)文宗の中殿(王妃):顕徳(ヒョンドク)王后・権(クォン)氏
 (右)世宗の妻・大妃(テビ):昭憲(ソホン)王后・沈(シム)氏

これからのドラマの見どころとなると思います。
・端宗は第7代王・世祖(セジョ:首陽大君)に禅譲したのか?
いいえ、圧力によるものです。

ドラマ『逆賊』では、ホン・ギルドンの兄(ギルヒョン)が科挙試験を受ける際に、「禅譲」ということで第10代王・燕山君の“ハートを掴む”解釈をしましたが、これはとんでもないことで、“勝てば官軍”の“クーデター”だったと思われます。
朴永圭『朝鮮王朝実録』では「背徳の謀反」と言い切っています。

『逆賊』より二つのシーン
(第11話より)
http://jumong007.blog133.fc2.com/blog-entry-3109.html
(第12話より)
http://jumong007.blog133.fc2.com/blog-entry-3176.html

にほんブログ村テレビブログ韓国ドラマへ
1週間のランキング@“にほんブログ村”

「史実を無視!」と書きましたが、エンターテインメントに悲劇は不要!
嬉しい気持ちなんです。
どうもこのドラマ『大君』は、ファクト+フィクションの「ファクション」を上回る「ファンタジー」になりそうで、
これからは、ファクトとフィクションだけでなく、史実と180度違った、社会正義の観点からの結末。

・ドラマは第何話で史実から別れるのでしょうか?
ラブラインを含めて2倍以上楽しめそうです。
今日は母の日:大妃役のヤン・ミギョンさんも最後まで出演するようです)

5月6日の最終話のニュース
(Kstyle Newsより)
http://news.kstyle.com/article.ksn?articleNo=2092644&categoryCode=DR

にほんブログ村 テレビブログ 韓国ドラマへ
1週間のランキング@にほんブログ村
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

ユーモン

Author:ユーモン
ドラマは たくさんのことを 教えてくれます

最新記事
最新コメント
王朝用語・脚本家など
ドラマと映画・感想など

openclose