明日からは 『逆賊』

MBCの新しい月火ドラマ『逆賊~民を盗んだ盗賊』
“Rebel : Thief who Stole the People”
全30話(予定)を明日からテイクアップします。
(合わせて<王朝絵巻 シーズン8>)

K-style Newsでは、
「『逆賊』はホ・ギュンの小説の中に登場する道人ホン・ギルドンではなく、燕山君(ヨンサングン) 時代に実在した人物ホン・ギルドンに再照明する。
暴力の時代、財物ではなく民の心を奪ったホン・ギルドン、彼の人生と愛、闘争の歴史を密度あるタッチで描く予定だ。
キム・サンジュン、ユン・ギュンサン、イ・ハニ、キム・ジソク、チェ・スビンなどが出演する」
http://news.kstyle.com/article.ksn?articleNo=2061383
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最初からハッピーエンドを予想しています。
史実では第10代王・燕山君とその側室の張緑水(チャン・ノクス)は、
最高学府の成均館(ソンギュングァン)までをも宴席にするなどの浪費で、
国家財政を危うくする暴君と悪女でした。
そしてクーデターによって廃位されました。
つまり、民から搾取したからです。
他方のホン・ギルドンはK-style Newsにあるように、
民衆が心を寄せた義賊(いわばロビンフッド)でした。

小説「ホンギルドン」

ホ・ギュン(1559~1618)が小説「ホンギルドン(洪吉童伝)」の作家です。
最初のハングルでの小説作家でもありました。
小説の執筆の時代は第15代王・光海君(クァンヘグン)の時です。

映画『光海~王になった男』では最後の字幕で次のように紹介されます。
…翌年8月、都承旨のホ・ギュンは王朝転覆(#)の罪で斬首に、
5年後に光海は廃位された。
光海は土地を持つものだけに課税し、
民を救うために、明と対峙した唯一の王である。
(映画より)
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http://jumong007.blog133.fc2.com/blog-entry-3063.html
# 王朝転覆とありますが、
これは小説「ホンギルドン」が身分差別のない民主主義の思想で書かれた小説だからだと言われます。
ホ・ギュンは革命的な思想家でした。
この映画の15日間はまさにホ・ギュンとハソン(影武者)が夢見た理想の国家のため。
また、
光海君が“大同法”を制定し、冊封制度による清への”事大主義”に反発したことは史実です。

小説『ホンギルドン』の概要は次のとおり。

ギルドンは宰相の息子でしたが、庶子でした。
正妻の子の兄と違って、父親からはダイレクトに愛されることはなく、科挙の文官試験の道は閉ざされていたはず。
ドラマ『亀巌ホジュン』と良く似ています。
ただし、時代は第4代王・世宗の頃の設定です。

家を出たギルドンはいつしか義賊の頭領として、“活貧党”を名乗り、社会にカムバックします。
狙いは金持ちの両班だけ。
しかし、義賊活動とはいえ罪は罪なので、世宗以下は追い回します。
それでも逮捕されることなく、むしろ強気に出て、世宗と取引します。
自分を国防長官にするなら出頭するというもの。
敵に回すよりも才能を買った方が賢明と考えた世宗は、約束を守り「兵曹判書(ピョンジョンバンソ)」に就けます。
しかし、宮廷社会での大臣生活には飽き足らず、昔の仲間と共に国を出て、新しい自由な国を建国。
そこで幸せな生活を送ったというお話です。

小説のモデルとなったのが、第10代王・燕山君の時代のホン・ギルドンだと思います。

(側室だった張緑水:チャン・ノクス:役イ・ハニ)
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# ドラマはホン・ギルドンと燕山君の幼少時代から始まります。
一方、
こちらKJSでは『朝鮮王朝実録』から「燕山君日記」を少しずつ紹介します。
“超”が付くような、有名な暴君(第10代王)の史実です。

第1~2話でのギルドンの両親を演じている二人のベテラン。
父親・アモゲの役はキム・サンジュン(『シティハンター』など)
母親・クムの役はシン・ウンジョンです(『信義』など)
夫婦愛の中に包まれて、ギルドンが育っていったことが分かります。

昨日第3~4話までをサラリと見たのですが、
ギルドンの時代背景が史実に沿って描かれています。
燕山君(ヨンサングン)の少年時代(父親は第9代王・成宗)のこと、
ホン・ギルドンの少年時代のこと。
後者にはフィクションも多いと思いますが、前者はピタリと歴史に沿って展開しています。

第4話の最後の最後で12年後に飛んで、ユン・ギュンサンが登場。
青年になったホン・ギルドンのようです。

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# 5月末の「百想芸術大賞」を控え、自由闊達さを感じるSBSの人気ドラマと、歴史ドラマでの定評があるMBCです。
『逆賊』がどこまで迫れるのか、これも楽しみです。

こぼれ話

今度はどのドラマを視聴しようかと迷っていた頃、まず頭に浮かんだのは『サイムダン』でした。
(SBS全30話:16世紀を生きた申師任堂のこと)

『サイムダン』は『青い海の伝説』から50年ほど前の第11代王・中宗(チュンジョン)の頃です。
ドラマで言えば、『大長今(テチャングム:チャングムの誓い)』と『ファン・ジニ』と同じ16世紀の後半です。
既にイタリアではルネサンスの時代でした。

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韓国での最も高額な紙幣は5万ウォン(約5000円)。
2009年には誰が肖像画になるのかと大きな話題となったそうですが、最終的に選考されたのが“申(シン)・師任堂(サイムダン)”でした。
『青い海の伝説』が16世紀後半に書かれた伝説ならば、申(シン)師任堂(サイムダン)は16世紀の前半を生きた人(1504年~1551年)です。

なお、もう一つ。
5000ウォン紙幣の肖像画は師任堂の息子の李栗谷(イ・ユルゴク)で、師任堂の3男で後の著名な儒学者でした。
親子で紙幣の肖像画になるのは世界でも稀なことだと思います。
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ちなみに、
saimu1.jpg

グリーンの
1万ウォン紙幣は第4代王・世宗(セジョン)

ブルーの
1000ウォン紙幣は同じく儒学者の、李退渓(イ・テゲ)です。

韓国での師任堂は“良妻賢母”の鑑(かがみ)。
夫が科挙試験に合格するまで生活を支えただけでなく、上記のように、息子を著名な儒学者への道へと導きました(16歳で死別しています)。

ただし、ドラマとのかかわりが一番深い点は、彼女の“生きるための才能・武器”だったようです。
彼女は小さい時から絵に興味を持ち、山水画などの模写をしていたとのこと。

(ウィキペディアよりの写真)
art of saimudan

7歳の時のエピソードに、描いた“虫の絵”を庭で乾かしていると、本物と錯覚したニワトリが突っついたとか…。
天才画家であり、詩人だったのことです。
(以上、康煕奉『朝鮮王朝の歴史と人物』実業之日本社 2011.07 p.p.161~162を参照)

(『光海』より)
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