王の涙~逆鱗 (1) 至誠

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(イ・サンが建設した京畿道水原の“華城の南の門”:八達門・2015.04撮影)

映画「王の涙(原題:『逆鱗』)」

<イントロダクション>

…恐怖と不安で死んだ方がましだった。
(1775年2月5日 イ・サン)

…世孫は老論と小論を、吏曹と兵曹も知る必要もなく、
さらには、国事についても、尚更知る必要もありません。
(1775年11月20日 老論派ホン・インバン)

…お前は大臣たちの言葉に動揺せず、
ただ私の教えに従い、私の意志に従えば良い。
それがお前の孝行だ。
(1775年11月20日 英祖)

時は1777年7月28日の暑い頃。
前年に第21代王・英祖が亡くなり、朝鮮国内はまだ喪に服していました。
当時の朝鮮王朝の宮廷政治を司る官僚たちは、国教である儒教の解釈を巡り、過去の西人派から別れた老論派と少論派に分裂していました。
ただし、儒教解釈というよりも、ただ単に政治派閥と捉えたほうが良いでしょう。

1776年に英祖が亡くなる前までに、子供たちへの徹底的な英才教育(王道教育)の末、後継者として選んでいた次期の第22代王(正祖)が、李祘(イ・サン)でした。
英祖の側室・映嬪(ヨンビン)李氏の息子には荘献(チャンホン)がいて、チャンホンの妻は恵慶宮(ヘギョングン)・洪氏。
サンはその夫婦の息子で、英祖の孫です。

(事件後のワンシーンです)
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私は思悼世子(サドセジャ:荘献)の息子だ
とのセリフから本編が始まります。

「王の涙~逆鱗」 (1) 至誠

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(逆鱗:ヨクリン)

事件の20時間15分前 午前3時

サンのアスレチックの場面、武術を磨いていたころから始まります。
「身の鍛錬すらあからさまにはできない」と言うように、老論派の文官が政治を握り、また、政治だけでなく王の生活にまで口を出していたようです。
サンは朝の会議にまで重りを付けて参加していました。

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就任1年目の(正祖:チョンジョ)イ・サンが頼るのは幼馴染の内官と、内禁衛(ネグミ:近衛兵)とその隊長(内禁将:ホン・グクヨン)しかいない状態で、軍は老論派が牛耳っていました。

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宮廷の洗濯房(セタクバン)で王の衣服を預かるのは、
女官ウォレ

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午前4時頃の宮廷・洗濯房

すでに王の衣服の洗濯が始まっています。
喪中の衣服ですが、王衣の紋章は円形。
つまり太陽を表します。

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ク・ソンボク将軍(老論派の手先)

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ホン・グクヨン

「私利私欲のために王の命を狙う“ならず者”は
 私の手で一掃します」
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英祖の2番目の正室の貞純(チョンスン)王后は歴史に残る悪女。
14歳で正室入りした若いチョンスン(役ハン・ジミン)。
サンがなくなった後は、彼女は老論派と結託して外戚政治をやります。
老論派は軍と宮廷人事権を手中にしていました。

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(足の爪をカットしているのは、まだ10歳のポクピン)

「ホン・グクヨンがク・ソンボクを殺そうとしていますよね。
 若くして権力を得たからでしょうか?」

「…」

「ホン・インバンもチョン・イギョムも殺して、
 私の兄を帰郷させた。
 実の父親を殺した老論派への仕返しのようだわ。
 最近は宮中でも刀を持ち歩いていると聞く。
 私も怖い」

「…」

「ク・ソンボクを討てば5兵営だけが立ち上がるわけではないわ。
 1を知って2を知らねば政治は難しいわよ」
 
「肝に銘じます」
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サンに恭順を誓わせる貞純大妃

「こちらへ…」
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「念のために言っておきますが、
 主上(チュサン)に何かが起きたら私は苦しみます。
 夜通し本を読んでいるそうですが、人は眠らないと死にます」

「肝に銘じます。
 ハルモ(祖母上)媽媽」

「…」
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大妃の手先でスパイ活動をする尚宮

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すでに、イ・サン暗殺が決まっています。

「今夜となっております」

「私がやれと言えば、そうなるのか?」

ポクピンに「…、あなたが決定しますか?」

「…」

「夏の夜は長くて暑くなりそうだわね」
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宮中での朝の会議
多数を占めるのは老論派

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「知識は洞察となり、
 洞察が実践にならない限り、
 学問は完成しない。
 そなたたちは四書五経にしがみついているだけで、
 実践を忘れている」

何かと儒教思想を巡って議論する官僚たちに、サンは質問をします。

「それが儒教の基本だというが、
 お前たちの中で“中庸”の第23章を暗唱できる者がいるのか?
 いるなら手を上げてみよ!
 もしも、一人でも暗唱できる者がいるのなら、
 そなたたちの教えを聞くことにする」

だれも答えることはできません。

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「尚冊(サンチェク)は知っているか?」

「(“中庸”の第23章)
小さなことでも無視せずに、最善を尽くすべき。
小さなことにも最善を尽くせば、誠意になる。
誠意は表に染めだし、表に染め出せば著しくなる。
著しくなれば、いよいよ明らかにして、
明らかになれば、おのずから人心を動かす。
人心が動けば、したがって変じ、
変ずれば化す。

だから、天下で至誠をなした者だけが、
自身と天下を化することができる
ということが、
礼記の“中庸”第23章です」

王の書庫を管理する尚冊(サンチェク)のカプスが諳んじます。

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「文字を超えて実題を論じ、
 その根拠と代案を論じるのが真なる学習だ」

「どんな実論を論じられるおつもりですか?」

「今日から4日間は経典を論じることは禁止する。
 ここにいる者は全て4日以内に奴婢を免ずるために、
 “免浅”の実題と根拠、代案を準備せよ」

「どうぞお考え直しください」

「…」
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「そなたたちの考えは貧しい」
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格子戸を開けて朝日を見るサンでした。

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『王の涙』


誠意をもって当たること
そうすることで誠の心が真意としてにじみ広がって、人々の心を動かすことになる。
という儒教が諭す政治・王道の「礼」の基本姿勢です。
孔子の時代は比較的大陸は安定していたからなのか、孔子は儒教の基本精神の「仁(人を慈しむ心)、義(私利私欲にとらわれない社会正義)、知(学ぶこと)、信(信じること)、礼(仁、義、知、信を実行すること)」の中でも、「仁」を重んじました。
しかし、孟子の時代になると戦乱も起き、孟子は“「礼」の持つ実行力”を重んじました。

この映画はサンが王位に就いて、1年目のこと。
父親を死に追いやった老論派の官僚たちを粛清していた頃なので、政敵も多く、実際に起きた事件がベースになって描かれています。

# 2度目のアップですが、修正と加筆をしています。

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逆鱗 & 逆賊

Uもんさん、皆さま、こんばんは。

逆賊OSTでお気に入りのアン・イェウンですが、
相思花(Magic Lily)
https://www.youtube.com/watch?v=9vpfuRGHxfU

彼女の歌の流れる、逆鱗の素敵なMVを見つけました。
”ウルス(チョ・ジョンソク) - 月影 MV (by アンイェウン)”
https://www.youtube.com/watch?v=2mUfBSYsar0

#スパイ活動をする尚宮#
見覚えのあるこのお顔、
逆賊でパク夫人を演じる方ですね。

#孔子は儒教の基本精神の「仁(人を慈しむ心)、義(私利私欲にとらわれない社会正義)、知(学ぶこと)、信(信じること)、礼(仁、義、知、信を実行すること)」の中でも、「仁」を重んじました。#
この「仁」が、ギルドンの胸にある(24話)のですね。 
なるほど…。

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