映画「思悼(サド)」 その(6)

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(2016.06.18)

思悼(サド) その(6) 昇竜の舞

クムチョン橋

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# ここから映画は最初の場面に戻ります

♪今日の霊魂、霊魂が来られましたのなら、
みなみなと珍味を召し上がって…
酒を一杯を感応して…
残った寿命と福があれば子孫に引き継がれ…
法師の法門を受けて極楽へと向かい…

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「チョハ!」

「どけ!」

「なりません、チョハ。
 お考え直して下さい。 これだけはなりません」

「存在自体が謀反だと言うではないか。
 見せつけてやる」

「なりません!
 それだけはなりません!」

「そこをどけ!」
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「オモニ!
 今、世子が刀を持って、
 慶煕宮(キョンヒグン)に向かわれました」

「アイゴ…」

「もしも殿下(チョナ)に何かあれば…、
 今からでも止めないと世子だけでなく世孫も…、
 みな死にます」

「…」
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♪南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏…

「…」
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荘献は英祖と息子(サン)の会話を聞きます

「ははは、さすがは私の孫だな。
 ところでこの前はお前の父が英ビンの還暦を祝ったそうだな」

「そうです」

「お前も4回敬拝したようだな?」

「はい」

「お前の婆さんは一介の側室に過ぎないのに、
 なぜ王と王妃にだけする敬拝を4度もしたのか?
 それは間違いの礼であろう。
 なぜなのか?」

「私はおばあ様が王妃ではなくとも、
 百回、千回も敬拝申し上げます」

「なぜなのか?」

「人があって礼があるものです。
 礼儀があって人がいるのはありません。
 孔子も礼法の末端を見るのではなくて、
 礼の心を見ろとおっしゃいました」

「…」

「あの日は父の心を見ました」
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「…」
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<米櫃7日目>

英祖と荘献

「40を過ぎてお前が生まれた時はどんなに嬉しかったことか。
 生まれたばかりのお前を世子にして、
 王道を学ばせることにした」

「…」

「その時にお前が見せてくれた聡明さと知恵を私は忘れられない。
 しかしこのところのお前は刀を振り回し、
 犬の絵を描き、勉強をおろそかに…、
 この世の終わりが来たような気がした」

「だから私を臣下を前にして、
 案山子のように馬鹿にしたのでしょうか?」

「一人前の王にしたかったからだ。
 お前がしくじるたびにどれだけ気をもんだことか」

「なぜそれが私のしくじりなのでしょうか?
 アボジだって王になる過程では臣下たちには弱点を握られて、
 びくびくしていたでしょう。
 アボジを理解しようとしましたが、あなたが私に強要した方法は、
 息が詰まってとても耐えられるものではなかった。
 勉強がそれほど重要でしょうか?
 服装がそんなに大切なのですか?」

「王が勉強嫌いで、紐ひとつ曲がっていても軽蔑するのが臣下だ。
 勉強が国是だ」

「私があの夜、あなたを殺さずに帰った理由をご存じでしょうか?
 人がいて勉強も礼法もあるのであって、
 どうして勉強と礼法が人を締め付ける国是となるのでしょうか?
 私は王も嫌だし、権力も嫌だ」

「…」

「私が望んだのはアボジの温かいまなざしと優しい一言だけだった」
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「どうして余とお前はあの世とこの世の瀬戸際で、
 やっとこのような話をするとは…。
 私は息子を殺した王として記録されるだろう。
 お前は王を殺そうとした謀反者としてではなくて、
 気が狂って父を殺そうとした狂人として記録されるだろう。
 それでこそ世孫が救われる」

「…」

「これが我らの運命だ」

「…」

「余が王でなく、お前が王の息子でなかったならば、
 こんなことは無かっただろうな」

「…」
(荘献の息が絶えます)

「これが我らの運命だ」

「…」

「お前はどうして…、年老いた父を…、
 こんな羽目に…」
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母とピングン

「息子に辛い目をさせた母が生きて何をすると言うのか…?
 私の墓には草も生えないでしょう」

「…」

「あ~、世子…」

「オモニム! どうしてオモニムのせいなのですか?!」

「あ~、息子…、
 私の息子は私が殺したんじゃないわよね…?
 私が殺したんじゃないわよね…?
 私が殺したんじゃないわよね…?」

「…」

「あ~、私の子…、世子…」
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英祖

「慶煕宮(キョンヒグン)に戻るから、戦勝の歌を、太鼓を叩け」
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「あくどいもんだ。息子を殺した後で戦勝の歌だ…」
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<米櫃8日目>

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(死後膠着した遺体を清める医師たち)
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「千米…」

「…」

「二千米…」

「…」

「三千米…」
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…思悼世子  

「世孫の気持ちを考え、臣下たちの意を推し量って、
 世子の地位を回復させて、そのおくり名を思悼世子とせよ」
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「世孫はもう思悼世子の子ではありません。
 早く世孫をキョンヒグンのチョナの元に送らねばなりません!」

「…」
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恵慶宮(ヘギョングン:サンの母親)

「早く喪服を脱ぎなさい」

「嫌です」

「!」
(頬に平手)

「嫌です」

「早く脱いでいかねば!」

「嫌です!」
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「あなたが王位を継いで、父の恨みを解かねばなりません」
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そして14年後(1776年)のこと

「余がこうして、お前の父の思悼世子の記録を消すのは、
 お前とこの国の未来のためだ。
 誰でも、お前の父親を叙位せんとするものはこの国の反逆者と見做す」

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「これがお前と私の義理だ」

「肝に銘じます」

「今日からお前の父の名前は口に出すな。
 悲しみは悲しみだが、道理は道理だ」
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英祖は亡くなる直前に思悼世子の記録(承政院日誌)を川に流しました。

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正祖(イ・サン)の即位式

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正祖は父の墓を水原に移し、華城の建設を始めます

「アボ二ム、どうか水をどうぞ」
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「お許し下さい。
 還暦になり白い髪を結ってここに参りました」

「アボ二ムは私が殺したようなものです。
 私が生まれることなければ…。
 あの日のようなことは無かった…」
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「この立派な息子をご覧ください」

「あ~」

「どうか足を延ばしてゆっくりお休みください」
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「敬拝…」

「…」
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「余の母と父の還暦の喜びを祝って
 みなで分かち合おうと思う」
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「余が幼い時には、むごいことがとても多く、
 母上の前でも甘えて子供のように遊ぶことは皆無だった。
 そこで、今日は心行くまで遊ぶのだ」
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# 母・恵慶宮(ヘギョングン)の前で、“龍の扇子”での舞です。
映画のクライマックスを描いたのはソ・ジソプでした。

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李祘(イ・サン)は米櫃の中での父の喉の渇きに苦しんだ姿、また、「空を駈けるこの矢は何と潔いものか…」などの言葉を思い出して、舞います。

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(おわり)
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最近は本だけでなく雑誌や新聞をも読むことが少なくて、乱読も精読もしていません。
それに、たくさんのドラマを見る時間がなく、限られた時間でのブログ生活。
なので、1本の映画やドラマに集中できるかと思うと、映画『思悼』も最初は見ようかどうか迷いました。

なぜユ・アインほどの成功した俳優が、あえて悲劇を演じるのだろうかと思ったからです。
思ったとおりで、正気ではない人を演じました。
でも、クライマックスのソ・ジソプ(第22代王・イ・サン)の父を偲ぶ演技に、静かに涙ぐんだところです。
二人の演技があってこそのエンディングでした。

なお、第22代王・李祘(イ・サン)は水原(スウォン)の華城(ファソン)で母の還暦を祝いました。
行宮(ヘングン)の正殿は中陽門の先にある“奉寿堂”です。

中庸

現在この“奉寿堂”では、イ・サンによる母親の恵慶君(ヘギョングン)の還暦の祝いの模様が復元されています。

還暦
(昨年4月に撮影)

他のサイトにアップした華城です。
https://minnakorea.jp/blog/20160207-256.html

# 明日から『ドクターズ』です。
13年前から始まる第1話と第2話の舞台はナムヤン女子高。
第3話の終わりからドクターたちが全員登場します。
そして、第4話でこの二人が再会…。

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