六龍が飛ぶ 第38話(上) 心を鬼にして


昨日のモクレン
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(昨日朝 2016.03.17am)

# 康煕奉『朝鮮王朝』によれば、次の文の全ての主語は李成桂です。
1392年の李成桂(イ・ソンゲ)即位後に、“高麗”への忠誠を捨てきれない臣下たちは、李成桂の呼びかけを無視して、杜門洞(トゥムンドン)の村に身を寄せていた。
李成桂は村の周りに一か所だけの逃げ口を作り、火を放った。
(中略)
しかし、120名いた高麗の忠臣たちはほとんど杜門洞から出ずに焼け死んだ。
この出来事から、一か所にこもって出てこないことを「杜門不出」と言うようになった。
(康 煕奉『朝鮮王朝』収穫社(2013.06.13)p.88)

六龍が飛ぶ 第38話(上) 心を鬼にして

バンウォン

「何を黙って突っ立っているのか?!
 火を付けろと言ったはずだ! 早く!」

「一体何をするつもりか?!」
 (ハ・リュン)

「まずは第一火弓隊、それからだ! 
 構えろ! 矢を放て!」

「!」

「いったい何をしているのか?!
 早く村に戻って皆に伝えろ!
 この狂ったイ・バンウォンが放火に来たとな!」

「!」

「第2火弓隊!」
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村ではリーダーの儒学者が「皆は脱出しろ。 私はここに残る」と。

バンウォンは、
「さてもう燃え始めたかな?」

「脅しはこれまでにして、止めてください」
 (ハ・リュン)

「どうしてですか? 
 私のやり方を見ていられませんか?
 ムヒュル、そろそろ逃げ出してくる者がいるはずだ。
 そいつらを全員逮捕して監禁しろ」
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こうしてムヒュルとヨンギュは村から出る者を逮捕します。

居酒屋

バンウは盃を投げ割って怒っています。
バンウはもとより保守的で、“高麗意地派”ですから、バンウォンの行動が許せません。

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ドジョンはバンウには世子になって欲しいと話を持って来ましたが、「何だと?! 帰れ!」と剣を抜きます。
もちろんバンジが防衛します。

ドジョンは前に出て、自分の「命は惜しくない」、ただ大切なのはこの国の世子について心配しているから、嫡男で長男のバンウに考えを聞きに来たと言います。

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# バンウは病気を装って、挨拶にも行かなかったようです。
史実では彼はこの翌年に亡くなります。

そこにイ・ソンゲが来て
「バンウや、私にはお前が必要なんだ」

「ふ! 何を言うのですか?」

「私が世子として、お前に求めているのだ」

「どうか一人にしてください。
 ここまでにしてお帰りください」

「私の話を聞く気にはなれないのか?」

「もしも私が王位に就いたら、ワン家に後を継がせます」

怒るソンゲはバンウを殴り倒します

バンウは、
「勿論私はイ・ソンゲの息子です。
 しかし、この王国にも民にも従いません。
 ポウン先生を殺したような国に仕える気持ちはありません!」

「!」

「ポウン先生を殺したバンウォンこそ
 世子にした方が良いのではないでしょうか?」

「…」
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ドジョンとソンゲ

「どうしたら良いものか…?」

「彼は長男であるばかりでなく、高麗への忠臣でしたから、
 むしろ民心の安寧を得るには彼が世子にはふさわしいと思います」

「それは解っている」

「私が毎日、説得に行きます」
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村を焼き討ちしたバンウォン
儒者たちを監禁している小屋

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「師匠たち13人は火の中に残って逃げませんでした」

「…」

「(高麗への)忠誠を誓うためです」

「こいつ!」

「つまり、あなたたちとは違って、
 二人の王には仕えないという意思表明でした」

「私、靖安君(チョンナングン:イ・バンウォン)は、
 13人の先生たちの忠誠心を心に刻んでおきます。
 ポウン先生の魂と名前も同じく心に刻みます」
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「いったい、お前は!
 ポウン先生の名前をかたるとは?!」

一人の儒者が「私も殺せ!」と飛びかかろうとしますが、ここはムヒュルが一撃。

「まだ、元気が残っているようですね」と一端小屋を出るバンウォンは、「3日間食事を与えるな。 しかし、3日後に食事を与えて、2時間後には開放してやれ」と持久戦+αに持ち込みます。

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この様子はヨニャンの指示で、批国寺のチョクリョンが伺っています

ハ・リュンとバンウォン

「何をやっているのですか?!
 説得すると言っていたではないですか?!
 しかも13人の師匠たちを名前を出して、
 彼らの怒りを買いました!」

「ええ、その上、ポウン先生の名前を出して、
 彼らの恨みを買いました。
 しかし、怒りが去った後は、
 彼らは深い悲しみと絶望感に陥るでしょう。
 彼らは私への怒りよりも、13人の先生のようにはなりたくない。
 生きたいと思うでしょう。
 そして、先生たちとは違って羞恥心も感じるでしょう」

「だから…?」

「時間が経つと、きっと現実に気づくはずです」

「どういうことか?」

「少し(3日間)飢えに苦しむと解るはずです」

「え?!」

「人間は悲しみ、怒り、絶望からは無力だからです
 飢えの苦しみがそれを解らせてくれるはずです」

「しかし、そんな食べ物よりも、
 大義を重んじる者たちがいたらどうするのか?」

「ふ…」

「どうしてそんなに自信があるのですか?」

「どうして私が火を放ったと思いますか?」

「?」

「13人の師匠たちは焼け死にました。
 そうなんです。
 人間の中には食べ物よりも、
 生きることよりも信条を重んじる人がいますよね。
 ポウンのように…」

「!」

「私はそんな人たちを説得するほど余裕はありません。
 サンボン先生もアボジも説得はできなかったのです。
 人生を懸けた偉大な計画であっても、
 間違った相手を説得はできません」

「彼らはどうなるのでしょうか?」
 (ムヒュル)

「食べた後は、空いた扉から出るだろう。
 そして、権力を得たいとの切実な思いから、
 俺のところに来るだろう」

「は~、なぜそんなに自信を持っているのですか?」
 (ハ・リュン)

「私も同じ経験をしたからです」

「!」

「彼らとの違いは、私の方がまだ若かったということと、
 4日間もっと狭いところに投獄されたというだけです。
 それに、
 ホン・インバンは私よりももっとずる賢かったということです」
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# バンウォンは過去の自分だけでなく、ホン・インバン先生の心理を利用した作戦でした。
つまり、人間の“何があっても生きたい”という現実的な心理です。

イ・ジランがソンゲに、バンウォンがトゥムンドンの村に火を放ったとの報告。
当然ソンゲはまた怒り出します。

「説得に行ったのではないか?!
 確かに好きなようにさせてくれとは言ったが、
 これでは民心の私への反抗心に火を付けるだけだ。
 なんと傲慢なことをするものか?!」
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議会では、チョン・ドジョン、ナム・ウン、イ・シンジョク、チョ・ジュンもバンウォンの行動に驚きます。

しかし、チョ・ジュンはバンウォンの性格に近いので、
「もう少し様子を見ましょう」
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3日後に握り飯が配られます

そして3日目の握り飯の2時間後

ヨンギュは小屋の扉を開けて、
「みんな外に出てくれ」

「どこに連れて行くのか?」

「分からない。
 チョンアン大君は好きなようにさせて良いと言っただけだ」

「…」
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ヨンギュは、
「彼らは別々の方向に出て行きました。
 何も言いませんでしたが、
 疑わしいことはありませんでした」

「分かった、よくやった」と、

バンウォンは黙って部屋を出ます。

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「アイゴ~」
 (ムヒュル)

「何か悪いことをしたか?」
 (ヨンギュ)

「俺たちは悪いことをしていないのですか?」

「なぜお前がそんなことを考えるのか?」

「ヒョンニムは、“何が良いことで、何が悪いことか”って、
 考えたことはないのか?」

「大君媽媽(ママ)の指示だからだ。
 なぜお前がそんなことを考えるのか?」

「正しいのか…?」

「俺たちはあんな目標があるわけはないんだ。
 ただ、“あの人”だからだ。
 信じる人に忠義を尽くすだけだ」

「…」

「黙って信じるだけだ。
 あんな人はこの土地にはどこにもいない。
 考え方が解らなくても信じるのだ」

そう言ってヨンギュは「我々には忠誠あるのみだ」

…そうだな。 忠義だ
 (ムヒュル)

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「サンボン大監…」と訪ねてくるのは、あの小屋に監禁された一人

官職を捨ててトゥムンドン村に集まった者たちは信用しないというドジョンですが、
「もしかしてチョアン大君のためなのか?」

「はい、チョアン大君(イ・バンウォン)を許すことはできませんが、官職を下さい。私は力が欲しいのです」
 (ファン・フィ)
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チョ・ジュンはファン・フィのことを知っていました。
 また、他にも二人がやってきたとの報告。

「少しずつですが、
 貴族や士大夫(儒教界)の者たちが心を変えているようです」

「…」

「ははは、チョンアン大君…、
 とても感動をくれる人物ではないでしょうか?」
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「…」

ハ・リュンはバンウォンの言葉を思い出します。

「先生こそ、
 最初は私の敵ではありませんでしたか?」

「…」
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“信条だけでは人は生きていけない”というバンウォンの哲学の結果だったようです。

後にムヒュルは、
杜門洞の村に火を放つことに、「そうしたくなかった」とバンウォンに言います。
しかし、バンウォンの自信と勇気が「好きでした。少し…」と打ち明けます。
バンウォンが自信を消失しかけていた時です。

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