六龍が飛ぶ 第31話(上) 王という名の監獄


APBさんから届いた“紀州の空と紅白の梅花”です。
梅の花は春に先駆けて咲きますので、若いバンウォンとプニにも似合うと思います。
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(photo by APB)

六龍が飛ぶ 第31話(上) バンウォンと無名の共通点

人々が笑い合える社会を作りたいとプニとムヒュルに約束したバンウォンでした。
しかし、
バンウォンは、チョン・ドジョンがチョン・モンジュに語る、新しい国の組織の話を立ち聞きします。
チョン・ドジョの構想は、王室が政治には関与できないように絶対王権を排除すること、そして儒教者が協議制で政権を運営するという制度です。

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王は宰相を任命するだけで、宰相が実際の政治を動かすということなので、宰相には“士大夫(サデブ #)”という儒学者たちのサークルの長がトップに立つことになります。

さらにドジョンは、“その宰相にはあなたを”とチョン・モンジュに首相について欲しい、さらには李成桂(イ・ソンゲ)を王にするものの、王の後継者を選ぶ権利は“士大夫”の会議によると…。

「この高麗の王が、こんな制度を認めるだろうか?」

「しかし、伝統というものがあるから怖い。
 これまで何百年も続いてきた王政を覆すことは難しいと思うが…」

「イ・ソンゲ将軍はこれまでの人とは違い、
 (制度を)認めます。
 民を尊敬する人で、どんな儒学者よりも儒学者的です」

そう言って、ドジョンはモンジュの前で膝を付いて、
「最初の宰相になって下さい」と願います。

ドジョンは土下座してチョン・モンジュに協力を願います。

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# ここでいう士大夫(サデブ)は、成均館出身の儒学者たちのサークル。
ただし、もっと広く貴族、官僚をも含む場合があり、時代により捉え方が変わっています。
ドジョンの思想は、ある意味では先進的な民本主義なのかもしれませんが、バンウォンは“父の李成桂(イ・ソンゲ)を絶対権限を持つ王座に就ける”。
そして、“民百姓が笑い合って幸せな生活をおくる”という、プニ、バンジ、ムヒュルに約束した社会を作るという考え方を持っていましたので、愕然としました。

バンウォンが思い浮かべる仲間の言葉

“どうやるのが目標ですか?”

“人を喜ばせることができる、夢を叶えてあげる…、そんな国を作りたい” とムヒュルに約束しています。

 また、プニからは、
“そうね、人々が笑って生きる幸せな世の中にしてね”と言われてもいます。

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チョン・モンジュ

…なぜ私に…。
 なぜ自分が宰相にならないといけないのか…?
 しかし、
 建国の最後の布石としてこの私を選んだのだな…。
(チョン・モンジュ)

…どうか受けて下さい。 
 これまでは多くの軍事力と政争に力を費やしてきた…。
(チョン・ドジョン)

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バンウォンはドジョンに、ファサダンのチョヨンが“無名”の一員だということが分かったと報告。

「チョヨンはどこにいるのか?」

「ナム・ウン先生に個別に尋問をお願いしています」

「無名という組織は巨大だが、
 少なくともファサダンを失うということは痛手だな。
 よくやった」

そしてドジョンは、これからの“無名”に関することは「すべてお前に任せる」と。

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無名

「チョヨンがいなくなるということは、
 我々に入る情報が半分に減るということです。
 これから王を動かすことが難しくなるということです。
 これはあなたの失敗です」
(キル・ソンミ)

「いいや、我々の最大の問題は、
 チョン・モンジュがいかなる考えを持っているのかを知ることだ!」
(ユクサン)

「チョン・モンジュの考えを掴むために、
 新しい者を送り込みましょう」

「既に、それはやっているから待っていてくれ」
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ナム・ウンとチョヨン

「“無名”の一員なのか?」

「ああ、イ・バンウォンが言っていた話のことだわね?
 それはイ・インギョムとホン・インバンが、
 特に知りたかったからのだけのことだわ」

「そんなことを聞いてはいない」

「あなたはイ・バンウォンには貢いでいるの?
 そうすべきだわ。
 あの若者は大変な者だわよ。
 それに、彼は今、悩んでいるわ」

「どういうことなのか?」
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バンウォン

懐かしい洞窟に来ます。
以前に掲げてあった“新朝鮮”の地図は取り外されていました。
資料も新しく整備された“桃花殿”に移されています。

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プニとムヒュルはナム・ウンに状況を尋ねます。

「チョヨンは何をしゃべりましたか?」

「いいや、何も。
 しかし、バンウォンの事ばかりだった」

バンウォンがタイムリーに戻り、「私の事ですか?」

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バンウォンは、ムヒュルの言葉を思い出しています。
ムヒュルがバンウォンに仕えるのは「人々が集い笑い合えるような世の中を作る人だから、そういう人になって下さい」と言ったことです。

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「お前の夢のことだが…。
 俺がいつから本気で思うようになったか分かるか?」

「え?」

「キル・テミが死んだ日からだ。
 お前の言葉が胸に響いた」

「俺ですか?」

「ああ、お前が“人々が笑い合うのを初めて見ました”と言ったからだ。
 それを聞いてからはとても幸せな気分になったし、
 まるで死にそうなくらいに嬉しかった。
 あの言葉が俺の人生の指南となったんだ」

「…」

「つまり、
 “政治とは、人を幸せにして、喜ばせる”と言うことなんだ」

「でも、どうしてそんな顔をしているのですか?
 ただ、それを実行するだけではないのですか?」
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バンウォンとチョヨン

チョヨンはこれが“(無名としての)最後の戦い”と胸に秘めていたようです。

「私を待っていたそうですね」

「その武士(ムヒュル)を外に出してください」と二人だけにします。

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「なぜナム・ウン将軍はチャンヨンガクでのことを聞かなかったのか、
 不思議に思うわ」

「何が言いたいのですか?」

「私はあそこでチョン・ドジョンとチョン・モンジュの話を立ち聞きしたわ」

「…」

「あなたも残りの後半の話は聞いたはずだわ」

「…」

「情報交換がしたいのよ」

「なぜ?」

「…」

「俺は師匠に直接問いただすことができるのに、
 なぜ情報交換なのか?」

「イ・ソンゲ将軍が“王という名の監獄”に入れられるからだわ」

「…」

「イ・ソンゲ将軍とその家族は“王という名の監獄”に投獄されるからだわよ。
 二人の儒学者は、
 “国は王が支配するのではなくて、
 宰相(と儒学者)が統治する”という構想を持っているからだわ」

# チョン・ドジョンの思想が明らかにされます。
王や権力者たちを、常に“法律と制度と大衆の監視下に置く”という国家作りです。

「安全な監獄に入れるという考え方だわ。
 その後はあなたが聞いたはずだわ」

「彼らは偉大なるコンミン王であっても、
 彼が自分を正当化するために崩れてしまったことを知っています」

「…」

「つまり、一人の王に頼るのではなくて、
 法と制度と大衆が監視する世の中のことです」

「それで、あなたはそれには加担したくないのでしょう?
 あなたの自由にはならない国は嫌なのでしょう?
 私たち“無名”が目指す国の理想は士大夫(サデブ)の国ではないわ。
 イ・ソンゲ将軍を王にすることだわ」

「…」

「私たちもホン・インバンやキル・テミを抹殺しようとしたし、
 チェ・ヨン将軍の無意味な戦争も止めさせようとしたわ。
 つまり私たちは同じ味方同士なのよ」

「…」

「でも、一点だけは違うわ」

「何でしょうか?」

「土地の改革だわ」

「ははは、では、
 あなたたちは土地を守ろうとする
 一握りの地権者たちの仲間だということだな」

「…」

「俺は“無名”という組織は
 もっと偉大なる思想を持っていると思っていたが…」

「“無名”のことをもっと知りたいとは思わないの?
 我々はあなたの考え方に近いわ」

「?」

「土地改革には賛同しないけど、
 宰相が統治することには反対だわ」

「いい加減にしろ!」

出て行くバンウォンなのですがチョヨンの考えに惹かれるところもありました。

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プニとバンウォン

「チョヨンは何を話したの?
 なぜあなたに会いたがっていたの?」

「…」

「“無名”のことを話してくれたの?
 もしかしてオンマの事も話になったの?」
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「すまない。 ちょっと休憩したい」

「何かあったの?」

「とても疲れたからだ」
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寝汗をかきながらバンウォンは思います。

…この国には俺の居場所はないのだろうか…?
 また進む道を失ったのか…?

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セリフでは、居場所のことをチャリ(席とか椅子の意味)と言っています。
バンウォンは「自分の席」で人々を“喜ばせたい”と思っているので、チョン・ドジョンが描く、“王は単なる象徴”という考えに愕然としました。

ところで、先日韓国の知人と話したところ、
分かってはいるものの、面白い
つまり、3人の龍の歴史は分かっているので、これからのことが読めるものの、あと3人のフィクションの龍たちが面白いストーリーを展開しているので、先が読めないからです。

今週の韓国での放送は第42話まで進みました。
第41話ではイ・バンジが母親のヨニャンに会う場面があります。
今後を楽しみにしてください。

ウィキペディアによれば、
神道碑、定陵碑、龍飛御天歌、李朝実録、高麗史などの李氏一族の伝承の史料解釈上、李成桂の父祖として伝えられる四祖(穆祖、翼祖、度祖、桓祖)のうち、信じうるのは父と祖父のみで、それ以前は系譜を長くするため作為された架空の人物であり、父と祖父は事跡については創作と考えられている。

# 龍飛御天歌は叙事詩で、李成桂と李芳遠(バンウォン)のことは、ほぼ史実のようです。


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