「六龍飛天」 3人の思想家

「六龍飛天」 3人の思想家たち

「六龍飛天」第32話では1390年9月に、貴族が持つ土地台帳をチョン・ドジョン(鄭道伝)が燃やしてしまいました。

1. 当時の政治経済背景

現在の韓国の人口は5000万人で、日本の3分の1強ほど。
<朝鮮王朝>でのピークの人口(半島全体)は3000万人ほどで、日本の幕末も3000万人だったそうです。
チョン・ドジョンとチョ・ジュンが<王朝の土地改革>で経済を考えていましたが、最初は大土地所有の大貴族の土地を開放することでした。
しかし、王室と中小貴族が所有する土地を除いて、大土地の開放だけでは民・百姓の全員に“分配”するだけの土地が足りないことが判明しました。

(開京)
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<朝鮮王朝>での支配者階級だった両班は人口の1割だったといわれます。
商業・工業に従事する人々も除くと、いわゆるペクソンドゥル(百姓たち)はせいぜい2000万人に満たないほどだったと想像できます。
「分配する土地が足りない」とのセリフからは、まだまだ開墾しないといけない時代だったのでしょう。
そんな中で、イ・ソンゲ(李成桂)が“統治”した東北地域では、バンウォン(李芳遠)が不自由なく育っていたので、豊かな農業政策があったのだと思います。
そして、ドラマの最初では初めて首都・開京(ケギョン)に行ったバンウォンは餓死者が多いので驚きました。

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(第1話より)

2. 3人の思想家

以上のような時代背景の中、3人の国作りの思想には違いが見えてきました。

チョン・モンジュ(鄭夢周)
“高麗”の名の下で政治・土地改革を進める。

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チョン・ドジョン(鄭道伝)
高麗を倒して“王制”を軸にするものの、王は象徴に過ぎず、実際は儒学者が政治・経済の政策を進める

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イ・バンウォン(李芳遠)
高麗を倒して“絶対王権”を基本とした国作り。

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現代の民主主義の目から見ると、私はチョン・ドジョンの先見性(“立憲君主制”)に驚いています。
しかし、バンウォンがプニとムヒュルに約束した“民・百姓が幸せに、笑い合う国”を作ると言う理想の方が私の“胸に響きました”。
これからの3人が楽しみです。

3. “無名”とは?

まだ実態が見えない“無名”とその目的。
ただし、キル・ソンミと彼らの隠れ家は“お寺”です。
ドラマ『善徳女王』の(統一)新羅から高麗にかけて長年に亘り仏教が栄えますから、その文化だけでなく、仏教界は巨大な資産・土地も所有していたとのこと。
おそらく“無名”の資金源は仏教界だと思います。
イ・ソンゲが儒教を国教にするにあたり、この勢力も立ちはだかると思われます。

民心一新のための遷都も含めて、宗教上での儒教と仏教の対立がどのように描かれるのか楽しみです。
勿論、バンウォンは現世での幸せを求める“孟子”の思想を実現しようとしています。

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チョン・ドジョンの歴史の先見性は数百年先まで見えたと思い、坂本竜馬の「船中八策」などを調べていました。
まさに二人は立憲君主制(思想)の先駆けだったのですね。
ただし、この今の民主主義からみると、一歩手前の階段の踊り場のような制度だったと思います。

坂本竜馬と鄭道伝(チョン・ドジョン)

昨年12月に「国立故宮博物館(ソウル)」のガイドの方から教えて貰ったのですが、<朝鮮王朝>は諸外国の絶対王政とは違っていたとのこと。
ポイントは王室と官僚たちのチェック&バランスで保たれたということです。
これにプニが言うように庶民のチェックが有効なのが民主主義により近いと思います。
「六龍飛天」を視聴して思っていることは次のことです。

大政奉還を成し遂げた坂本龍馬と「六龍飛天」のチョン・ドジョンには“立憲君主制”という意味において共通点があると思いました。

ウィキペディアから引用すると、まずは竜馬の「船中八策」

一、天下ノ政権ヲ朝廷ニ奉還セシメ、政令宜シク朝廷ヨリ出ヅベキ事。
一、上下議政局ヲ設ケ、議員ヲ置キテ万機ヲ参賛セシメ、万機宜シク公議ニ決スベキ事。
一、有材ノ公卿諸侯及ビ天下ノ人材ヲ顧問ニ備ヘ官爵ヲ賜ヒ、宜シク従来有名無実ノ官ヲ除クベキ事。
一、外国ノ交際広ク公議ヲ採リ、新ニ至当ノ規約ヲ立ツベキ事。
一、古来ノ律令ヲ折衷シ、新ニ無窮ノ大典ヲ撰定スベキ事。
一、海軍宜シク拡張スベキ事。
一、御親兵ヲ置キ、帝都ヲ守衛セシムベキ事。
一、金銀物貨宜シク外国ト平均ノ法ヲ設クベキ事。

以上八策ハ方今天下ノ形勢ヲ察シ、之ヲ宇内万国ニ徴スルニ、之ヲ捨テ他ニ済時ノ急務アルナシ。苟モ此数策ヲ断行セバ、皇運ヲ挽回シ、国勢ヲ拡張シ、万国ト並行スルモ、亦敢テ難シトセズ。伏テ願クハ公明正大ノ道理ニ基キ、一大英断ヲ以テ天下ト更始一新セン。

次いで明治政府の基礎を作った「五箇条の御誓文」

一 広ク会議ヲ興シ万機公論ニ決スベシ
(現代表記)広く会議を興し、万機公論に決すべし。
一 上下心ヲ一ニシテ盛ニ経綸ヲ行フヘシ
(現代表記)上下心を一にして、さかんに経綸を行うべし。
一 官武一途庶民ニ至ル迄各其志ヲ遂ケ人心ヲシテ倦マサラシメン事ヲ要ス
(現代表記)官武一途庶民にいたるまで、おのおのその志を遂げ、人心をして倦まざらしめんことを要す。
一 旧来ノ陋習ヲ破リ地ノ公道ニ基クヘシ
(現代表記)旧来の陋習を破り、天地の公道に基づくべし。
一 智識ヲ世界ニ求メ大ニ皇基ヲ振起スヘシ
(現代表記)智識を世界に求め、大いに皇基を振起すべし。


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