「六龍飛天」~勢力図

『六龍が飛ぶ』 当時の勢力 <王朝絵巻 シーズン4>

『信義』のウダルチ:チェ・ヨン隊長(テジャン)
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(photo by nana)

1.高麗から朝鮮王朝へ

高麗の末期の第31代王は恭愍(コンミン)王(在位1351年-1374年:王妃は“元”の魯国公主:ノグクコンジュ)。
ドラマ『信義』は在位の1351年に物語がスタートしました。
チェ・ヨン(崔榮将軍:1316~1388年)は当時35歳。
次第に勢力が衰える「元」からの独立を勝ち取るのがコンミン王。
元から迎えられたノグク公主ではありますが、夫のコンミン王に協力しました。

ただし、コンミン王は1374年に「親元派」により暗殺されます。
この背景が『六龍が飛ぶ』で描かれます。

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高麗のコンミン王は「元」から「明」へと大陸の歴史が動いている事を知っていました。
朝鮮王朝の光海君は「明」から「清」へと歴史が動いていることに敏感でした。

ドラマ『六龍が飛ぶ』は、「高麗」から「朝鮮」へと歴史が動く時代のこと。
コンミン王とノグクコンジュが亡くなった後の1375年。
傀儡の王を擁立した高麗貴族・豪族の「親元派」の3人組から始まります。

都堂(朝廷)の3人組

高麗の首都・開京(ケギョン)

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風呂場でのペク・ユンとイ・インギョム

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# ペク・ユン(左:高麗貴族)とイ・インギョム(右:高麗貴族)

キル・テミ

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(高麗貴族:武闘派)

ただし、このドラマでの3人組は架空です。
高麗貴族のイ・インギョムは『信義』のキチョルのような存在です。

『信義』のとおりで、当時の貴族階級の中でも実在だった奇轍(キ・チョル)が権力を握り親族たちを集めて国政を私物化していました。
キ・チョルの妹は元の皇帝・順貞の妃となり、これを受けて高麗朝廷でも奇轍は王族扱いの徳城府院君(トクソンブウォングン)でした。
それで、奇ファミリーを一掃したのが、『信義』のとおりでチェ・ヨン(崔榮)将軍と恭愍(コンミン)王でした。

その後、1388年になると、「明」の力を知った同国の将軍・李成桂(イ・ソンゲ)により、3人組などの貴族・豪族たちが一掃されて、実質的に高麗は滅ぼされます。
イ・ソンゲ(1335~1408年)は、53歳で実質上天下を取ったことになります。
チェ・ヨン(崔榮)はその際に72歳で処刑されます。
そして、その4年後の1392年に<朝鮮王朝>が開祖となります。

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イ・ソンゲはチェ・ヨンの名誉を復権させ、夫人と共に大切に御陵に埋葬したようです。
(京畿道・高陽市:2年前の秋に撮影)

2.2つの哲学と4つの勢力

大陸での情勢が「元」から「明」へと代わろうとする中で、コンミン王は「元」との関係を断ち切ろうとしました。
しかし、当時の哲学は2つに分かれています。
「親元派」と「庶民派」です。

(1)これまでの「元」との既得権益を守ろうとする貴族・豪族と、それになびく保守官僚たちは、明との戦争を辞しません。
(2)民・百姓を戦争の犠牲から守ろうとする若手の官僚たちは、「明」との戦争に反対します。

(『華政』でも「明」→「清」への情勢変化が考え方の違いを生みました)

2つの哲学の違いから、もともと政治とは無縁だった武官たちにも変化があります。
文官と武官の勢力が4つに分かれます。

(文官)
①王室を傀儡にする高麗貴族になびく豪族や保守官僚たち
②反戦と改革を進めようとする若手官僚たち

(武官)
③中央で王家の守備を主担当にしていた武官
④北方での国境守備を担当していた武官

この③と④の違い。
北方の国境警備部隊を率い、大陸の情勢に鋭かったイ・ソンゲと、ひたすら王への忠誠を誓ったチェ・ヨンの哲学の違いに象徴されると思います。
大陸での勢力の変化(「元と明」)を彼らがどのように捉えるたか? 
なのです。
しかし、イ・ソンゲ将軍もチェ・ヨン将軍も同じく信義に厚く、また名君だったコンミン王の“慈悲の心”を受け継いで庶民の苦労に悲しみ・共感する将軍であることには違いありません。

以上、第2話から4話くらいまでで明らかになりました。
(第2話の終わりには第2の龍としてチョン・ドジョンの名前が字幕に出ます)
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3.ちょっと先のこと

3日に触れましたイ・ソンゲが選んだ後継者のこと。

ネットでキャストの紹介記事を読んでいると、“チョン・ドジョンは最終的にはイ・バンウォンの宿敵となる”とありました。
その理由は書かれてはいませんが、史実では「世継ぎの問題」です。
今日は最大の理由だけにしておきますが、チョン・ドジョンはイ・バンウォンの師匠なのですが、彼はイ・ソンゲの政策補佐官(史実)であって、イ・ソンゲの決断には服従するからです。

4.制作発表時の抱負

脚本は「根の深い木」などのキム・ヨンヒョンおよびパク・サンヨン
演出は同じ作品のシン・ギョンス

『根の深い木(原題:뿌리깊은 나무)』は最終回の視聴率が25%を越え、数々の賞を獲得した2011年のSBSの大ヒットドラマでした。

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「根の深い木」第23話よりトルボク(チャン・ヒョク)とソイ(シン・セギョン)

この制作陣と同じというだけでお分かりだと思います。
制作陣は<朝鮮王朝>の初代王から第4代王・世宗までを繋げたということになります。
また、シン・セギョンも同じく4世代の王たちを支えたということ…?

次は『六龍が飛ぶ』の制作発表会の時のインタビュー記事です(イノライフニュースより
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(# 注を先に入れます)
(1)第3代王・李芳遠(イ・バンウォン:1367~1422年)
(2)鄭道伝(チョン・ドジョン:1342~1398年)
(3)初代王・李成桂(イ・ソンゲ:1335~1408年)
次の3人は架空の人物
(4)タンセ/イ・バンジ プニの兄・後の護衛武士(役ピョン・ヨハン)
(5)ムヒュル 後の内禁衛将(役ユン・ギュンサン)
(6)プニ 後にバンウォンの側室

ユ・アインは、自身が引き受けたイ・バンウォン役(# 1)に対して「イ・バンウォンのキャラクターに対して、惹かれる感じがあった」とし、「多くの先輩が演じてこられた役は、線の太いキャラクターだったようだが、多少若い俳優である僕が演じれば、どんな新しいものが作られるのか気になった」と説明した。

チョン・ドジョン役(# 2)のキム・ミョンミンは「人物がとても立体的に描かれている。台本を見ると4Dのチョン・ドジョンだ。
『これをどのように演じなければならないだろう?』といったキャラクターの悩みがまだある。
このキャラクターを上手く操ることが私の課題だ」と語った。

イ・ソンゲ役(# 3)のチョン・ホジンは、自身のキャラクターに対して「そのまま男の中の男だ。
政治のようなものは分からない。そのまま男だから、大変な時期に自分の国民たち、そして軍事を守るために努力する」と言いながら、「そのために政治家がイ・ソンゲを気兼ねしたんだろう」と分析した。

ピョン・ヨハン(タンセ/イ・バンジ役)(# 4)は「架空の人物だが、そのために何か難しいだろうと思って挑戦することになった」として、「先輩に学んで、同僚に刺激されて成長するキャラクターになることができると思う」とコメントした。

ムヒュル役のユン・ギュンサン(# 5)は「『根の深い木』の大ファンで、その中でチョ・ジンウン先輩が演じたムヒュルにハマったので、必ずやりたいという欲があった。光栄な気持ちでこの作品を選択した」と付け加えた。

唯一の女性であるシン・セギョン(# 6)は「前作に続き、今回の役を演じることになって嬉しい」とし「多くの先輩たちとベストを尽くして、プニの役を作っていく」と語った。

「六龍が飛ぶ」は「根の深い木」に続き、歴史的事実と架空の人物を結合、事実を基盤にした歴史的想像力で特別な面白さを提供する見通しだ。
特に、六龍のキャラクターを前面に押し出して、それぞれのストーリーと全体的な大きな流れが交わる展開が視聴ポイントとなる。

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ちょっとだけ覗いた程度なので、次はメモ程度(詳細はこれから視聴)。

第10話までにきて、ようやく第1話の最初の“洞窟”でのシーンに繋がり・戻ります。
開京の近くの山中の洞窟に3人の“龍”が集まったのが1383年頃(第1話)だと推測できます。
それから8年前を振り返り、しばらくは若き龍たちの少年少女時代へとストーリーは遡っていました
李成均の革命(1388年)まで、あと5年です

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(七夕の日の悲劇の後、第9話)

ピョン・ヨハンとチョン・ユミが演じるタンセとヨニが第9話で再会します。

「オレンマニネ…(久しぶりね)」
「クロネ…(そうだな)」
「“生きている限り、いつかはまた会える”そう思っていたわ」
「…」
「“時が流れると、会える日がまた来る”と…」
「素敵な女性になったな」
「私たちはまたいつ会えるかは分からないけど、たとえまた会ったとしても、私のことは知らない振りをして欲しい…」
「…」
「時は流れたわ…会ってから…」
「…」
「ちょっと…、もう時は流れてしまったわね」
「ああそうだな…。そうしよう」

バックに流れるOSTは『信義』での、
♪「私の歩みが遅いから…」と同じ歌手だと思います。

♪ 心に浮かんでくる あの日の情熱と 
 そして後悔の日々
 切ない思いで胸がいっぱいになるけど 
 どうしたらいいのか
 心の痛みには この指が届かない
 あなたでなければ良いのに 
 あなたでなかったら良かったのに
 いつの日か この人生の終わりまでには 
 あなたのことを呼び叫ぶのだろうか
 あなたは私の涙のようだ 
 愛するほどに 心が募る
 今はどうしようもない 
 会わなければ良かったのか
 あなたの名前すら今は呼べない 
 心にしまおうか

(今度の日曜日につづく)


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