改革をめざした二人の王

漢江
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(2015.12.17撮影)

改革をめざした二人の王 <王朝絵巻 シーズン5>

1.ハングルの創製

『根の深い木』もフィクションが多いドラマ(全24話)でした。
しかし、描かれた第4代王・世宗は、ハングル文字を創製するという歴史上の金字塔を建てたと、誰しもが評価していると思います。
放送の2011年のSBSドラマ演技大賞では、世宗(セジョン)を演じたハン・ソッキュが大賞を受賞しました。

他方では父親を亡くした恨みを持って、世宗を父の仇として執念に生きたトルボク(幼名)の役をチャン・ヒョク(カン・ジュユン:姜彩允の役)が演じます。
そして、陰で世宗の極秘のハングル開発計画を支えた、(トルボクの幼馴染の)女官のソイ(咲梨)を、シン・セギョンが熱演しました。

neno fukai

「天と地と人。
 これを原点とした文字を作ろう。
 “あ”“う”“い”としよう」

“●が天あるいは太陽”で、―が地、それにlが人です。
lの右(東)に太陽があると、l+●で“あ”の音。
lの左(西)に太陽があると、●+lで“お”の音。
―だけ(あるいはlだけ)では“い”の音。
―の下に●があると“う”です。
こうした基本母音が10個(合成母音が11個)。

(オンマ)
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(『根の深い木』より)

世宗は現在KJSでアップしている『六龍が飛ぶ』のバンウォン(李芳遠)の3男で幼名は李忠寧(イ・チュンニョン)です。
(ドラマでは、イ・ドと呼ばれていました)
チュンニョンは子供の頃から“本の虫”だったらしく、本ばかり読んでいたので、父親のバンウォンが側近に命じて本を取り上げたという逸話があります。
父親イ・ソンゲの血筋なのかバンウォンも弓の名手だったので、息子には文武両道を教えたかったのかもしれません。
ただし、ファミリーには改革の血が流れていたような気がします。

本を手に取る第4代王・世宗の像
世宗と空
(光化門広場: 2015.12.16撮影)

2.ドラマ『イ・サン』

「そなたと一緒でなければ宮殿には帰るつもりはない」

「私には心しかありません。
 差し上げられるのは私の真心だけです、チョナ」

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「水原(スウォン)には両班はいない。
 清廉な役人と農民だけだ


# サンが築城した「華城(ファソン)」です。
fason east2
(次のYouTubeにアップした動画と同じく、昨年4月に撮影したものです)

この八達門は「華城」の南門にあたります。
https://youtu.be/nqbHJECIUGU

また、数キロに及ぶ外壁の北側半分ほどは“華城列車”と呼ぶトレイルバスで見学できます。
https://youtu.be/tGDq1RLkfZI

イ・サンがもっと長生きしていたら、漢陽(ハニャン:ソウル)から水原(スウォン)に遷都されていたはずです。
サンが亡くなったので、遷都の計画は中断されました。

この1年半ほど<朝鮮王朝>の史劇を追いかけると共に、たくさんの資料を読みました。
ヒーローが多い中で、私からみた第22代王・正祖(チョンジョ:イ・サン)は、王朝518年の歴史の中でも、スーパーヒーローだったと思います。
個人の文武両道だけでなく、官僚主義よりも国民のために経済・技術・天文学などだけでなく、庶民にも還元して文化の発展のために尽くしたからです。
この華城は大陸からの多くの技術を導入しつつも、実学に秀でた部下たちには数々の発明を求めた土木工学によるもので、従来の築城よりも短期間で完成させたものです。

3.映画『王の涙~逆鱗』のイ・サン

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…小さなことでも誠意をもって当たること。
 そうすることで誠の心が真意としてにじみ広がって、
 至誠は人々の心を動かすことになる。
 そうすることの積み重ねが世を変える。

# この映画の底流に脈々と流れる、
 儒教の四書五経の四書の“中庸”です。

そして、サンは、

世の中が変わるのだ。
  (セサイ パッケンダ)」

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ヒョンビンとハン・ジミンの『ハイド・ジキル、私』 と共に、二人の『王の涙』をアップしました。
私は2作とも二人の“ケミ”が好きです。
「王の涙」はハン・ジミンの最初の悪役だったのでは?

han jimin

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# 私だけではないと思います。
私は歴代の王の中でもイ・サン(第22代王・正祖)にはもっと長生きしていて欲しかったと思います。
市民生活がもっともっと豊かになったのではないかと思います。

昨年の日本での映画『王の涙』上映の頃に、APBさんから戴いた資料です。 

「中庸 第23章」

「どんな些細なことも気を抜かずに最善を尽くすことが大事だ。
些細なことに最善を尽くせば、真心を込めるようになる。
真心を尽くせば表ににじみ出て、表ににじみ出たら表に現れ、
表に現れれば性格が明るくなり、
性格が明るくなれば人に感動を与えるようになり、
人に感動を与えれば自分自身が変わり、自分自身が変われば成長する。
だから、唯一真心を尽くす人だけがこの世の中を変 えることができる」

(其次致曲 曲能有誠 誠則形 形則著 著則明
 明則動 動則變 變則化 唯天下至誠 爲能化)

Next to the above is he who cultivates to the utmost the shoots of goodness in him.
From those he can attain to the possession of sincerity.
This sincerity becomes apparent.
From being apparent, it becomes manifest.
From being manifest, it becomes brilliant. Brilliant, it affects others.
Affecting others, they are changed by it.
Changed by it, they are transformed.
It is only he who is possessed of the most complete sincerity
that can exist under heaven, who can transform.

(Doctrine of the Mean, chapter 23) - 中庸第23章
http://japanese.korea.net/NewsFocus/Culture/view?articleId=119495#none

昨年末の国立故宮博物館でのことです。

イ・サンの御座馬


イ・サンが命じて案を作らせた“漢江”を渡河するための浮舟の橋です。
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私が驚いたことは次の“白い馬”です。

御座馬

これは「御座馬」と言われるもので、映画と同じようにイ・サンは籠ではなくて、白馬に乗っていたのですね。

王の顔や姿を描くことはご法度だったらしく、数々の絵には王の顔・姿がことごとく描かれていません。
ただし、この絵にあるように“日傘”が掲げられていますから、サンはこの馬の上にあることが華城への行幸の際の“企画・計画”とされたようです。
“企画・計画”というのは、事前にこの絵を書き、この絵に従って行幸がなされたからです。

この絵は絹地の裏と表に彩色した本物の肖像画で、今回の特別展で公開されました。
正祖2
(2015.12.16撮影)

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さて、「六龍飛天」は韓国での放送が第28話を終えました。
貴族階級に奪われた土地を百姓に戻すという“改革”の手始めを巡って、思想の違いが徐々に浮き彫りになります。

6人の龍のうち、40代の李成桂(イ・ソンゲ)、鄭道伝(チョン・ドジョン)が中道で、2~3年をかけて土地の再調査からスタートしようとします。
しかし、李芳遠(イ・バンウォン)とプニは、もっと早い改革のスピードを求めているようです。
すなわち、今苦しんでいる民・百姓のためです。
中道左派だと言えるかもしれません。

バンウォン、プニ、バンジとムヒュルの20代の龍たちが、先輩たちに対して、これからどのような世代間の対立を見せるのかが楽しみです。
改革のリーダーシップも徐々に移行を見せそうです。

また、“高麗という国名の下”で改革を進めたい鄭夢周(チョン・モンジュ)は、中道右派としておきます。


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