色彩放つ『華政』の脚本

リアルタイムでの視聴の方々への、第40話までの“情報と今後”のコメントです。

1.宮殿を出るチョンミョン

クーデターで1623年に即位した綾陽君(ヌンヤングン)でした。
しかし、政治は安定せず、第37~38話では“イ・グァルの乱(1624年~)”が起き、ヌンヤングンと王室、西人派はそくさくと避難(宮殿放棄)しました

ドラマでは貞明(チョンミョン)公主とジュウォンと、その仲間たちは宮中に残り、内乱・戦争の後に鎮圧します。
ここでも火器都監の支援の下、精鋭の銃砲隊が奮戦し、同国軍同士の被害を最小限に留めます。

そして、第38話の終わりにチョンミョンは宮中を離れます。
理由は、“ジュウォンとの結婚”、さらには“ヌンヤングンとの内政・外交路線の違い”でした。

2.10年後の新しい展開

第39話は飛んで、“およそ10年後”の国境地帯から始まります。
イ・グァルの乱が1624年ころからだったので、1634~1635年頃の計算となります。

この間に後金の3万の兵の侵入を受けるなど、後金との国境紛争が絶えず、捕虜となっていた農民たちが後金から脱走する事件です。
ドラマでは出ませんが、この際にもヌンヤングンは江華島に避難しました。

大陸ではすでに女真族のヌルハチが1616年に、後金を建国
第2代・ホンタイジ(1626年即位)が明をほぼ征服し、“新しく国号を清(1636年)”としました。

第39話と第40話はそのちょっと前の頃のことで、明との条約を破棄し、後金と盟約を結べと脅された話

歴史の今後は、盟約を守らないことを事由に1637年、清国12万の大軍が朝鮮半島に本格的に侵攻。
首都・漢陽への侵攻後、翌年(1637年)には仁祖・ヌンヤングンが服従を誓約させられることになります。

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3.世子夫婦とジュウォン夫婦の出産のこと

仁祖(ヌンヤングン)には最初の正室から4人の大君がいました。
しかし、仁祖から疎んじられる正室(中殿)は、むしろインモク大妃やチョンミョンと仲良しだったので、子供たちもジュウォンやチョンミョンのことを慕っていました。
時を経て昭顕(ソヒョン)世子に長男が誕生(仁祖にとっては初孫)。

同時にチョンミョンは第4子を出産します。
歴史ではチョンミョンとジュウォン夫婦は、7人の男の子と1人の娘に恵まれます

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(チョンミョンとソヒョン世子)

ドラマでは悲しいシーンも回顧で流れます。

「この国をお願いします、公主」とインモク大妃の死(1632年)
「みんな苦難を耐えてくれ。先に逝く私を許してくれ」とイ・ウォンイク元領議政の死(1634年)

4.これからの二つの流れ

(1)正殿では

放送では第40話を終えています。
残すところはあと10話なので1636年の清国の侵攻が目前に迫っているようです。
この間の仁祖の間違いは何なのでしょうか?

世子のソヒョンには弟のポンリム(鳳林)大君がいて、ポンリムの方が1649年から第17代王・孝宗となります。
ドラマでは、キングメーカーのカン・ジュソン(実在しません)がポンリムに接近します。

なお歴史では、兄弟共に清国の大侵入の際に人質となって、清での生活を強いられます。

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(チョンミョンとポンリム大君)

(2)後宮では

歴史的にも“悪女”とされるのが、側室のヨジョン(貴人・チョ氏)。
時間が経つにつれて仁祖の寵愛が薄れていく中、最後は従1品まで品階を上ります。
第39話ではスグォン(淑媛:従四品)ですが、どんな手を使うのでしょうか?

歴史では“毒アワビ事件”などがあります。
後宮のそのまた裏で、反チョンミョン勢力として暗躍しそうです。

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キム・イヨン作家は成均館大学の歴史学科卒業。
『華政』の脚本も史実をしっかり踏まえた上なので、今後の展開も年号を辿って先の予測をすることができます。
しかし、キングメーカーを自負するカン・ジュソンと、その息子のカン・イヌの2人を“フィクション”として挿入するなど、「さすがプロだな~」とうならせます。
ジュウォンの架空の親友とはいえ、イヌも父親とは違う道を軍人として歩みはじめ、清々しくなります。
他方では、“後宮の悪女”たちがどのように描かれているのか、嫌ですが楽しみたいです。

やはり、世子とチョンミョンたちが「国民・農民のため」の政治に尽力する姿など、史実とフィクションが交錯してキラキラと輝くようです。

# これから『華政』をフォローする方々のために

さかのぼってKJSをご覧になるのは億劫だと思います。
(昨日のコメント欄のコメ返をご参考)

『華政』は23話くらいからの、東アジアの情勢や第30話でのクーデターでの光海君の退位の話が面白いです。
その後は仁祖のことを飛ばして、今週放送された40話頃に緊迫感があります。
揺れる中国大陸も含め、視野を東アジアに広げています。
振り返るのは億劫でしょうから、先を楽しみにぼちぼち来てください。

私も気に入っている<王朝絵巻>は、シーズン3まで完成させようと思います。
シーズン1で中期以降の朝鮮王朝を調べ、裏で糸を引いていた半島の女性たちのこと、そして日清戦争までの日本との良好な関係を概観しました。
ドラマは『ホジュン』で、昨年の冬から今年の春のことです。

シーズン2では『チャン・オクチョン』や『光海』がなぜ悪者にされているのかと人物像に興味を持ちました。
まさに夏の暑さの中での“熱中症”でしょうか?

そして、これからシーズン3で東アジアの国際関係を調べているところです。
『華政』とは長い付き合いになっていますし、秋は真っ盛りでしょうか…。

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サルフの戦い

naoさん みなさま アンニョンハセヨ

♪戦争が終って僕らは生まれた…。

とても幸せだと思っています。
ところで戦後って? どの戦争の後なの? 第2次世界大戦? ベトナム戦争?

いいえ、私たち『華政』は、これからの1619年の「サルフの戦い」です。
涙ながらに派兵を決断する光海君と、実戦に参加するチョンミョン(貞明公主)です。
韓国人にもあまり知られていない大陸での後金と明国の戦争「サルフ山」での戦争に朝鮮王朝は派兵を余儀なくされます。

今年の夏は真珠湾(ハワイ)から、カンボジアからと、写真を見るにつけ平和を幸せに感じます。

大陸

オッパ 皆様 アンニョンハセヨ

オッパはアメリカ大陸に住んでいた経験がありますね。
多民族国家。

本当に難しいです。
言語。意思の疎通。

アメリカ大陸ではというか、世界的には「英語」が共通語。
中国大陸では「普通語」(プートンファー)が共通語。
「普通語」は平たく言うと「北京語」「マンダリン」ということなのですが。

アメリカでは、地域によって訛りがあるものの、文字としては同じなのでしょうか?
中国では、漢字を使うとういことでは共通ですが、「発音」としても「文字」としても、まるで異なる。

多民族国家を広義で考える!
その通り!それができたら、なんと素晴らしいことでしょう。
私は、アメリカには旅行でしか行ったことがありませんから、そのときは多民族国家という意識は芽生えませんでした。

中国大陸に住む私としては、同一国家でも、北に住んでいる時と南に住んでいる時では何もかも異なっている事を痛感するので、「民族」について意識してしまうのです。

中国、9月3日(今年だけなのですが)、祝日です・・・・。
私たち、中国に住む『日本人』は外出を避けなければなりません。
ここは香港ですから、ネット検閲に引っ掛かりはしないのですが、ダイレクトに名称を書くのは控えます。
この地は中国であって中国でない・・・・・。

世界平和を祈ります。



大陸の人々

naoさん みなさん アンニョンハセヨ

お便りありがとうございます

今、KJSでは揺れる大陸の1600年代なので、“漢民族とは?”ということで少し書いています。

宮脇淳子教授の出版物によれば、漢民族は“中華民国・台湾”に残るだけというような記述があります。
分類学、民俗学、歴史学の観点からは確かにそう思います。
でも私は人を分類する考え方には組することができないのです。

アメリカに住んでいた経験から、“ではアメリカ人とは?”とか“では中国人とは?”といった、多民族国家のことを思うと、狭義ではなくて広義で人々のことを考えようと思っています。

ちなみに、私はアジア人あるいはコスモポリタンという言葉が好きで、そうありたいと思っています。

ユーモン拝

後金からの清

オッパ、皆様 アンニョンハセヨ

作家さんの出身を聞くと、やはり、遡らないといけない・・・
というか、日本語字幕で最初から見たい~~~~。
という気にさせられました。

後金=清
この清王朝の民族はオッパが言うとおり「女真族」ですね。
「漢民族」ではないということです。
清王朝最後の皇帝(ラスト・エンペラー)の名前。
みなさん覚えていらっしゃいますか?

「愛新覚羅溥儀」(あいしんかくら ふぎ)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%84%9B%E6%96%B0%E8%A6%9A%E7%BE%85%E6%BA%A5%E5%84%80

姓が4文字もあります。
漢民族の姓が1字が多いですから、(金さんとか、張さん)全く違いますよね。
清王朝の都は現在の北京「紫禁城」(現・故宮博物館)だった。
「民」の多くは漢民族、でも支配者は「女真族」(満州人)。
言語も、文字も違っていたのですよ。(満州語、満州文字)
この話は、以前から何度も言っていますね。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%BA%80%E5%B7%9E%E8%AA%9E

北京オリンピック開催をきっかけに故宮博物館修復をしました。
その時に『門の扁額』から満州文字が消えました・・・・・・・。
(現在、中国を支配している人たちは、漢民族ですからね)
満州語を読むことができない私ではありますが、本当はあったものが、無くなる。歴史において悲しむべきことです。
現代人のエゴというか・・・・・・。
このような積み重ねが史実を湾曲して行くことにつながるのでは?
(wikiのページ半ばあたりに、紫禁城の変額の写真があります。これは修復前なので、今はこの扁額の文字は漢字だけになってしまったのです)





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