王朝絵巻 シーズン2のおわりに

<王朝絵巻 シーズン2>おわりにあたって

この<シーズン2>のおわりに、これまでの光海君のことを振り返ってみます。
まずは、謚(おくりな)という難しい漢字のこと
死後に功績を認められて“祖”という字を贈られる王が7人、2番目のランクの“宗”が18人、そして第10代王・燕山(ヨンサン)君と第15代王・光海(クァンへ)君だけはクーデターで王位をはく奪されたために、いまだに“君”という王子の時の名前のままです。

いったい光海が何をしたというのか?
光海は1575年に生まれ、彼が若き意気盛んな20歳前後に起きた壬辰倭乱(イムジンウェラン:日本では文禄・慶長の役と呼ぶ1592年から1598年までの戦乱)では、武功を立てて、国民からの評価も高かった。
他方、兄の臨海君(イムへグン)はその際に加藤清正の軍の捕虜となり、釈放された後の生活の乱れから、第15代王・宣祖(ソンジョ)は光海君を世子(セジャ)に指名する遺言を残しました。1608年のことです。

ただし、問題が一つあり、ドラマもここからでした。
光海が即位する2年前の1606年に、宣祖の2番目の正室の仁穆(インモク)王妃が元子(ウォンジャ)永昌大君(ヨンチャンテグン)を産んでいたことです。
当時の慣習では正室の息子が世継ぎなので、これが保守的な官僚たち(特に西人派)が王位に反する主な要因となります。
光海君を支えた官僚たちの派閥は大北派でしたが、これはマイナーでした。
そこでその強硬派の李爾瞻(イ・イチョム)と尚宮の金介屎(キム・ゲシ)の2人が光海君の王座を確かなものにし、同時に自己の利益のために裏で活動します。

1609年には臨海君、1614年には永昌大君が殺されます。
これが多くの遺恨を残すことになりました。

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しかし、光海君はその後の政策では、豊臣軍との戦いで疲弊した国土の再興に尽力し、納税制度では土地の所有に応じた課税をする法を制定しました。
これは土地を持たない庶民たちに大きな評価をもたらすことになりました。
また、当時の外交は“明”一辺倒で、守ってもらう一方では、貢物や兵力を提供する“冊封制度”でしたので、いわゆる属国扱い。これを疑問視します。

ドラマの火器都監は国防の一つのツールであって、光海君の大きな夢は中国大陸から韓国半島の真の独立を得ることでした。

ドラマでは正室の仁穆(インモク)王妃からの子で、ただ一人残ったチョンミョン(貞明)公主(コンジュ)がどのように政治に関与していくか、そして光海君の外交政策を引き継いだホン・ジュウォン(洪株元)の活躍を楽しみたいと思います。

<王朝絵巻>は主に以下より引用させて戴いています。

(参考・引用)
康 煕奉(カン・ヒボン)氏の事実の説明と考察に納得させられています。
また、今年の4月にも新たな出版がありましたので、後の機会に引用させてもらいます。

以下の5冊です。
・康 煕奉『朝鮮王朝の歴史と人物』2011年7月
・同『古代韓国の歴史と英雄』2011年10月
・同『朝鮮王宮 王妃たちの運命』2011年12月
 (以上、実業之日本社)
・同『ここまで知りたい!朝鮮王朝』2013年6月
 (収穫社)
・同『悪女たちの朝鮮王朝』2014年6月
 (双葉社)

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<王朝絵巻 シーズン3>を始めるにあたって

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多民族国家のアメリカ

米国に住んでいたころ、大統領選挙の投票場で投票用紙を見ると、統計を取るためだと思われますが、アフリカ系アメリカ人とかアジア系アメリカ人とか、国籍は米国であってもルーツ・人種を問う欄がありました。
英国から新天地を求めてアングロサクソンが東海岸に建国したアメリカですが、今では日本の2倍の人口を抱える大国です。
そして、国家の統合のシンボルは合衆国(自由)憲法であり、また国歌(「星条旗よ永遠なれ」)でもあると言われます。

翻って、中国大陸をみると、ここも多民族が融合した大国です。
朝鮮王朝が開国した1392年は日本では室町時代。
大陸では「南宗」と北方の「金」が「元」によって滅ぼされた後に、既に「明」に変わっていました。
当時は「明」のことを漢民族の国とし、その後の「後金」→「清」は蛮族の国だと見るのが一般的だったともいえます。
しかし、中国大陸の良いところは積極的に民族の融合政策を進め、世界の中心は中国大陸だとする、ちょっと行き過ぎですが“中華思想”が拡大しました。

中華思想はともかく、私はこの大きな心の“同化政策”には賛成したいと思っています。
だってみんな同じ人間ではないですか?。
私たちは広義のアジアの人間なので、私としてはとりわけ人種を細かく分類する考え方は好きではありません。
テレビで洗脳されたり、他人から聞いた話で判断したり、しばしば起こる気持ちはだれしもです。
しかし、とくに行ったこともなく、対話したこともない相手の国をターゲットとした、ナショナリズムや民族主義。
それに宗教上の不寛容には、私は賛成できません。

これからの『華政』の王を担うはずの、仁祖(インジョ)・綾陽君(ヌンヤングン)たち一味は、国際社会を知らない井戸の中の人々なので、現代から見るとリーダーとしては容認できない言動です。
彼に、どうやって? 何でおくり名の「祖」(仁祖)をつけたのか?
何で光海君にはおくり名がないのか?
これは私の友人の韓国籍の友達とは共通の疑問と、胸が悼む認識です。

秋ですね。
東京駅・大丸百貨店 Louis Vuittonの秋の新作が発表されていました。
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