愛に生きたオクチョン

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(photo by nana)

愛に生きたオクチョン

愛に生きたオクチョン(1)

康 煕奉『朝鮮王朝・王妃たちの運命』
(2011.12.15 実業之日本社)pp.130~134では、
①「小説『謝氏南征記(サシナムジョンギ)』
が市中に出回ると、
 庶民は改めて仁顕王后・閔(ミン)氏に同情し…」
②「(正史)朝鮮王朝実録の編纂作業は
張禧嬪に不利な形となったのだ」
とあります。

詳細をまとめると、
1688年、粛宗(スクチョン)は27歳、
オクチョン29歳。この年にユンが誕生。
2人が溺愛した長男(世子)ですが、
側室の子なので元子(ウォンジャ)ではない。
しかし、オクチョンが正室になることで、
正室の長男=元子となれます。
「なにがなんでも正室になること」は
オクチョンだけでなく、スクチョンも希望する。
これはドラマで上手く表現されています


また、
「粛宗は在位が46年間に及んだ…
『(朝鮮王朝)実録』をまとめる作業に
大変な時間がかかった…、
次の王となった景宗が在位4年で世を去ったので、
その作業は英祖の時代に…」
とあります。
つまり、「朝鮮王朝実録」の編纂には、
オクチョンの息子の景宗も目を通していたものの、
その後を引き継いだのは、
ムスリ=『トンイ』の子の英祖の時代なので、
オクチョンのことは良く書けなかった


小説『謝氏南征記』と合わせて、
正史であってもオクチョン=悪女説が流布された。

本当のオクチョンは、
スクチョンへの“愛に生きた”だけで、
政治にはあまり関心がなかった。
ただし、西人派と南人派の“政争の具”にされた。
そう考えます。

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愛に生きたオクチョン(2)

「オクチョン42歳の頃」で書いたように、
1701年というのは、
西人派の中が“老論派”と“小論派”に再分裂し、
急先鋒の老論派がオクチョンを死に追いやった
この陰にはムスリ=トンイがいた“かもしれない”。
そう推測しています。
そして、老論派の長老のキム・マンギは、
自分の孫娘(新安東・金氏;15歳)を
正室の座に就けた(史実)。

しかしなぜ粛宗がオクチョンを見放したか?
この疑問が今でも残っていますが、
史実では1701年当時は既にムスリには、
7歳になる息子(後の第21代王・英祖)がいた。

ドラマ『トンイ』では、
この息子へと気持ちが移っていた。

さらにはムスリの息子を強力に支援したのが、
キム・マンギを首班とする“老論派”だった。
これも史実であり『トンイ』でも同じ。

ただし、『チャン・オクチョン』では、
淑嬪・崔氏は単なる政略上の側室であり、
派閥のバランスを取るためだけだった。

さらに、
もう一点の疑問を付け加えるとすれば、
淑嬪・崔氏は1701年4月に昌徳宮から
追放されており、
同年8月に仁顕王妃が心臓病で亡くなり、
同年10月にオクチョンが賜薬です。
あの問題の、“藁人形での呪詛”を
宮中から出ていた淑嬪・崔氏が
事件を仕掛けることが可能であったか?

私は謀略を仕組んだのはキム・マンギと
急先鋒の老論派だったと思っています。

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最後に『チャン・オクチョン』のまとめ

スクチョン(粛宗)は13歳で即位。
側室を持たなかった先王の正室からの嫡子でした。
ただ一人の世継ぎだったから、
文武両道の教育を受けたことは確かだと思います。
そして、とても賢い若者だったから、
王室での“結婚観”は単に政略
(これは東平君との会話で描かれました)
ただし、
ドラマにあるように彼は最初の正室(仁敬)が好きで、
3人の娘(これは史実)をもうけたのだと思います。

しかし、その後の正室には目もくれず、
オクチョンだけを愛した
崔氏との間に後の英祖をもうけますが、
それは(西人派分裂後の)
老論派との“バランスをとる戦略”だった。

これが脚本の奥義だと思っています。

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『亀巌ホジュン』のころから王朝の歴史に興味が出て、
まだ勉強中ですが、実に不可解なことが多いです。

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