『結婚の女神』 デスパレートな女たち

昨年12月には放送が終了した『結婚の女神』
ここではおよそ2ヶ月遅れでリビューを終えたところ。

このドラマでナム・サンミは昨年の大晦日の
SBSドラマ演技大賞の長編ドラマ部門で、
最優秀演技賞を受賞しました。

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また、浮気の夫と夫婦を演じた、
チャン・ヨンナムの熱演は周知のこと。
ドラマの夫婦2人揃って、長編ドラマ特別演技賞でした。

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チャン・ヒョンソン(写真右)

同じく、
長編ドラマ優秀演技賞では、ジヘの夫を演じたキム・ジフン

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キム・ジフン(写真右)

寄せるさざなみのように
じわりじわりと満潮を迎えるようなドラマだったので、
地味な展開でした。でも、さすがドラマです。
描かれた女性たちだけでなく、男たちも
極限まで追い詰められて絶望というのでしょうか、
デスパレート(desperate)でした。

このKJではドラマを通じて
アジアの文化を考えることをテーマにしているのですが、
今回のドラマでは非常に多くのことを考えされられました。
身近な「結婚」だけでなく、そこに「富裕層」の財閥が絡んで、
普通の人々の普通のドラマではなくて、
社会のトップ1%に属する財閥グループの思考形態が異質。
むしろ非常識だったと思います。
とくに、
シニョングループのカン・マンホ会長夫人(ジョンスク)や
夫がフランスからなかなか帰って来ないセギョンの母親。

誤解なきよう、これはドラマです。
多少ともシオモニ世代は上からの目線が強いのですが、
あそこまで個人のプライバシーには入り込まないらしいです。
ただし、その傾向は広く残っている…。

また、ヘジョンが言ったように、
夫のテジン(ファミリーの次男)よりは「テウクはまとも」
だったとはいえ、検事という社会的な地位もあるのに、
結婚を通して「女を奪う」とか、
所有権があるような言動は異常だと思います。
法を守る立場の人間として、どこか屈折していました。

(ドラマ1年後のこと)
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法とモラルの観点から見ると、次男のテジンも異常。
さらに、モラルのことを言えば、スンスの母親のこと。
浮気した次男のスンスを庇って

「男は何人もの女と浮気するものだ」と言い、

むしろ
義理の両親、夫、息子を捨てて行ったウニを責めました。
愛する息子チャンウのことを置いて出て行ったウニですが、
その選択に至るまでの夫スンスの言動を責めるべき。

スンスの母親やカン会長夫人のジョンスクのことは、
世代間のギャップとして捉えるくらいで無視。
ドラマの視聴では無視して来たのですが、訳が辛い。

「シオモニに意見を述べるのか?!」

と堂々と主張するからますます腹が立ちます。

ところで、こうした
現代では非常識とも思える人々がなぜ存在するのか?
そう思うと、文化や制度面での進化のことを思います。
もちろん全ての文化や制度を欧米流に変える必要はない。
しかし、あれこれ疑問があるなかで、
あれこれ考えているうちに、「進化」とは…?

一例ですが、今回はその文化やモラルに基づいた
「姦通罪」をウィキペディアやその他のネットで調べてみると、
いまだにイスラム圏や儒教文化圏では
根強く姦通罪が残っているようです。

法律は国際的なスタンダードや文化の変化を
後追いするように制定されていくものだと思っていますが、
イスラム圏やアジアに残る姦通罪は、もともと
女性にだけ適用される法律だったそうです。

日本では第2次世界大戦の後に廃止されたものですが、
韓国ではこの2010年ころから、
憲法裁判所で廃止の方向が決まったようです。
もちろん男女平等の精神から、
女性だけへの適用から
男性にも適用するとの進化は既にあったのですが…。

そもそもは
結婚外での異性間の付き合いは倫理・モラルの問題。
そこまで法的な制限を加えてきたことには
人間への見方が「性悪説」だからだと思います。
性善説の立場からは廃止して、
個々人のモラルに訴えるべきではないでしょうか?

夫婦が別姓の韓国なのですが、『相続者たち』では
キム・タンが庶子(非摘出子・婚外子)であると
宣言するには勇気が必要でした。
日本では婚外子の相続権は嫡子の2分の1のです。
ネットで調べると韓国ではこの規定がないようですが、
戸籍には「婚外子」と記載するような制度が残っているようです。
ただ、日本も韓国もその割合は2%程度で、
婚外子の割合が多いのはスウェーデン55%、
フランス53%、デンマーク46%(2008年)。
そして、
2011年になって大阪高等裁判所は
婚外子への差別がある民法の規定が
憲法違反だと判決を出しています。

そうしたことから、そもそもの憲法の精神にも思いを馳せますね。
日本国憲法だけでなく世界的なスタンダードが大切!
独立した個人は自由で、
それぞれが幸福を求める権利を唱えています。
また男女は平等と、基本的な人権を唱えています。
しかしながら、先に述べたように、
法律では「やってはいけないこと」を細かく規定する。
そうしたように、大きくは自由を認めつつも、
結局は細部では「性悪説」でダメ出しをする法体系だと思います。

これは人間の大きな発想、心の自由を認める一方では、
制限もあるということだと思いますので、
法を犯してはいけない。これはあたりまえ。

でも、個々人が頭の中で考えることは自由でしょう?
ということで、ファンタジーも含めて、
理想のドラマが展開できると思います。
ヒョヌは言いました。

「結婚という名の下に、人の心までは所有できない」

です。

ドラマから考えさせられてきたことを
少し角度を変えて長々と書いていますが、
これは『結婚の女神』の制作意図を振り返るための
前提・背景だと思っています。

(舞台となったチョンダムドン)
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制作発表の時を振り返れば、

「人生は選択の連続であって、それは自分の心の中で、
 容認、満足するしかない」

脚本家チョ・ジョンソンの言葉です。

彼女は自分の言葉をヘジョンに言わせました。
ヘジョンは最初に切り出した離婚を断念して
ファミリーに戻ってきて、
他方では離婚するジヘに対して、

「人生は選択の連続だけど、
 お互いにその選択を尊敬しあいましょう」と。

さらにはジヘを若いと思っていたけど、考え方を尊敬し、
見習いたいとも言いました。

(ヘジョンとジヘ)
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もっと進んで、ヒョヌの母親には、

「結婚する前は2人だけでいいけど、
 結婚したらお互いの家族がある」と、

現実を示し、それでもセギョンを愛するのかと…。
ヒョヌは、拘置されている間にこれまでを振り返って、

「自分の判断はオモニにですら罪を犯したと思う」

と答えています。

(受賞したヒョヌの母;キム・ミギョン)
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私にはヒョヌにとっては母親が「結婚の女神」であって、
そして
彼女に導かれて、ジヘと再開させるという
天にいる「運命の女神」が微笑んでくれたのだと思っています。

OSTで流れる歌詞は、
♪ 若い時には若さの意味を知らず
 愛している時には
 それがあたりまえだと思った
 でも振り返ってようやく
 若さも愛も 
 とても貴重なものだったと気がづいた…

そうですね。
人生も結婚もリセットは簡単じゃないですね。

(受賞したウニ;チャンヨンナム)
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『結婚の女神』
결혼의 여신
キョロネ ヨシン


OSTで流れる歌詞は、
次のサイトでも楽しめます。

http://www.youtube.com/watch?v=MutJNqKnG_c

♪ 若い時には若さの意味を知らず
 愛している時には
 それがあたりまえだと思った
 でも振り返ってようやく
 若さも愛も 
 とても貴重なものだったと気がづいた…

タイトルの「結婚の女神」…?

なぜ、こんなタイトルにしたのかは、
制作陣に聞くしかない。そうなのですが、振り返ると、
人は何かと考えて行動するものの“困った時の神頼み”

縁結びの神、運命の神、チャンスの女神、
はてまた戦いの女神(アテナ)とさまざまな神…。

ドラマの主題は、

「人生は選択の連続であるものの、
 しかし後悔するのでなく、自分で納得すること」
(脚本家の言葉)

できれば決断すると同時に、後は幸運を願いたいもの。
幸せな結末を
よりたくさんの人(可能ならば私も)が得られますように!

『相続者たち』のタンの兄のウォンは、
タンの所に戻ってくるようにと、ウンサンの背中を押しました。
その際に、

「遠い先が見えないときには明日のことを考えるように」と。

本当に選択は難しいですね。
ただ
一生懸命にそれぞれの環境に合わせて考えるしかない。
そして結果を恐れても仕方ないような気がします。
考えた自分のことを信じ、納得したいと思います。

# 視聴したドラマが重かったのですが、
 これからアップの『温かい一言』も、もっと重いです。
 しかし、これもSBSの局制作ドラマなので、
 テーマが一貫していると思います。
 恋愛・結婚→浮気・離婚…と、後者に焦点です。
 でも、タイトルが示すように「温かい一言」とは?
 今度は「結婚の女神」の次の夫婦の話。
 温かい「夫婦の一言」を探って行きたいです。

 なお、3月からの視聴ドラマはJYJのユチョン主演です。
 早く、重いテーマの荷を降ろして、楽しみたい…。
 これが本音なので、
 次は軽くやりますから、今度は軽く読み流してください。

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