逆賊 第23話(上) クマのようにトラのように
# 父親・アモゲは、ギルドンに対して“国王から剣を授かるような大将軍”になることを期待しました。
しかし、豹変してしまった燕山気のことは、“もはや国王とは呼べない”と思うギルドンでした。
第23話は牢獄から逃亡したギルドンと仲間たちから始まります。

REBEL: Thief Who Stole the People
https://www.youtube.com/watch?v=zriRcKnlU5g
逆賊 第23話(上) クマのように強く、トラのように素軽く
♪ 秋の愛は美しい…

つわりのために声を詰まらせて退席する楽師
「たくさんの楽師を呼んでいますから、
妊娠したままで宮中に入った者もいます」
「…?」
「しかし、歌は素晴らしいですよね?」

「ただし、私は子供まで呼んだつもりはない。
子供が生まれ次第、別れさせよ。
赤ん坊は埋めてしまえ」

山中に連れられて行く母親と赤ん坊

「…」

「仕事は終えたか?」
「ええ、新生児はすべて埋葬しました」

内侍がやって来て、
「チョナ!牢獄が壊されています」
「?!」
「早朝に何ものかが侵入して壊されました」
「私がその者を逮捕する!」

狩場のあたり
「ジャウォン!こっちだ!」

数人の手勢で捜査する燕山l君でしたが、内侍などのお付きの者はギルドンカンパニーに引き離されます。
そして二人だけになったギルドンと燕山君
「おい! イ・ユン!」

# イ・ユンというのが燕山君の名です。
李㦕(りっしんべんに隆:ユン;융)です。
「ま…、まさか、お前は?!」
「ははは~」
「私を殺す気なのか?!」

ギルドンは左手だけで大きな岩を揺さぶります。
「さあ、どうだろうか?
これからは、王が苦しめた百姓たちがどうするのか見ていろ」
「…」
「また会おう…」

「ホン・ギルドン…、奴め!」

キム・ジャウォン(金子猿)
「チョナ、どうか殺して下さい。
お守りできませんでした」
「お前はまだ盗賊のホン・ギルドンとの関係があるのか?」
「チョナ~、もしも私を疑うのでしたら、
ここで死んで忠義を示します」

ノクスが来て、
「お怪我ですか?!」

# いつも心配に思うのですが、バイオニックパワーを使うとしばし気を失うギルドンです。

夢に現れるカリョンと巫女
「カリョン…、会いたかった…」
巫女
「あなたの妻のことは心配いらない。
時が来たら再会できる」
「…」
「あなたの父親が聞きたいと望んだが、
あなたの人生のことには答えを与えなかった」

「では、逆に俺が質問する」
「…」
「俺はどんな死に方をするのか?」
「それは良い質問だ。
この私に大きな木の根を求めて探しに来なさい」
「大きな根の木…」

ギルドンは仲間を連れて大きな洞窟の中に入ります。

「!」

「あなたは…」
(ギルドン)
「ええ、待っていました」
(巫女)
「この人が今日にもやって来ると言っていた方ですか?
あなた達がホン・チョンジなのですか?!」
(村人たち)
「そうです。
この人こそが私が言っていた待ち人、万能の子です」

歓迎を受けるギルドン・カンパニーの面々

「ここは、たくさんの民百姓が住める大きさですね…。
ここに“私の民たち”を連れて来ても良いでしょうか?」
「“あなたの民”なのですか?」
「あ…、そうでなく…」
「もちろんです。
あなたの民たちこそ来るべきところです」
「…」

傷の手当てをするノクス
「ホン・ギルドンが牢も門も破って脱走したのですか?」
「しかし…、
私は骨を折られて立ち上がることもできないところを見たのに…、
なぜあのように元気なのか…?」
「…」
「あれこそ本当に万能の子なのか…?」
「チョナ。
たとえ万能の子であっても、数万の兵を倒すことは不可能です」
「そうだな…。私にはそれだけの兵力がある」

ギルヒョンと燕山君
「チョナ…、ホン・ギルドンが逃亡したのですか?
いったいどうやって…?」
(# ギルヒョンは嬉しそうです)
「しかし単なる盗賊だ。
一度はそなたが逮捕したから、もう一度連行してくれ」
「ええ、必ず!」
「ただし、ホン・ギルドンが生きたままで逃亡したことは庶民には知らせるな。
生きていると知れば民百姓はまた“万能の子”だと言い出しかねない」
「ええ、必ず逮捕します。
民には“すでに死んだ”との噂を流します」

町中には“ホン・ギルドンと仲間たちは、罪を死で償った”との公示。
「ついに死んだ…。
おめでとうございます。
亡くなってしまった…」
「そうだ。これが朝鮮だ。
何と良き日なのか!」

他方カリョンも知り、涙…。
「ソバニム…」

キム・ジャウォン(金子猿)
「チョナ、ホン・ギルドンを捕まえるのはたやすいことです」
「どういうことなのか?」
「ホン・ギルドンは捕らわれた多くの仲間を残したままです。
多くの民がまだまだ残されています」

ヨンゲは百姓たちを連れて来ます
「ご無事で何よりです」
「ここは…?」
「ええ、官軍には見つからない場所です」

「…」

「本当に俺を待っていたのですか?
なぜですか?」

「あなたは万能の子だからです」
「いいえ、他の者よりも少し強いだけです」
「万能の子はただ強いだけだと思っているのですか?
強さはあなたの一部です」
「では何が…?」
「私に質問しないでください。
強さだけがあなたの真髄ではありません。
あなたはあなたを民に示すことです」

「ギルドンや。
これで安心だから、カリョンのところに行ってくれ」
(ソブリ)
「…」

しかし、カリョンはいません。
「…?」

「荷造りして出かけわよ」

モリがチュウォン君の屋敷に帰るのを待って、
「お前なのか…?」

「俺たちの…、俺のカリョンを…?」
「妻を失くしたのか?」

…カリョンや。
待っていてくれると思っていたが…、
いつも同じところにいてくれると思い込んでいた…。
なんと思いやりのない亭主なのか…。
カリョンや。
今でも待っているよな…?
俺を信じているか…?


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「甲子士禍:1504年」により、絶対王として全権を掌握した燕山君。
王朝建国の際に鄭道伝(チョン・ドジョン)が作りあげた組織(下図)と、その組織の権限を手中にしていた士林派を排除することに成功しました。

(『六龍が飛ぶ』より)
この「甲子士禍」はおよそ7か月に亘るもの。
燕山君にとってはうるさい存在の司諫院、弘文館が廃止されます。
また、成均館(最高学府:ソンギュンガン)や寺院などを酒食の場にしたり、馬屋に改造してしまうなどを行いました。
これは、外戚であった任士洪(イム・サホン)との共同作戦によるものです。
以上を、絶対王権VS密本として
(密本はこのドラマ『逆賊』にある守貴単のように、朱子学の急進派で、鄭道伝の思想を継ぐ組織)、燕山君が言っていた“儒教本来のものではない”と捉えていました。
しかし、民からのハングルでの投書が増えると、ハングルの使用を禁止するなど、庶民への暴政まで振るうように豹変しました。
他方では民心が離れ、各地でクーデターの企てがあったとされます。
ホン・ギルドンだけではなかった…。
そして、2年後には「朴元宗(パク・ウォンジョン)の乱」または「中宗反正」と呼ばれるクーデターで廃位されるに至ります。
燕山君が30歳の時でした。

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しかし、豹変してしまった燕山気のことは、“もはや国王とは呼べない”と思うギルドンでした。
第23話は牢獄から逃亡したギルドンと仲間たちから始まります。

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逆賊 第23話(上) クマのように強く、トラのように素軽く
♪ 秋の愛は美しい…

つわりのために声を詰まらせて退席する楽師
「たくさんの楽師を呼んでいますから、
妊娠したままで宮中に入った者もいます」
「…?」
「しかし、歌は素晴らしいですよね?」

「ただし、私は子供まで呼んだつもりはない。
子供が生まれ次第、別れさせよ。
赤ん坊は埋めてしまえ」

山中に連れられて行く母親と赤ん坊

「…」

「仕事は終えたか?」
「ええ、新生児はすべて埋葬しました」

内侍がやって来て、
「チョナ!牢獄が壊されています」
「?!」
「早朝に何ものかが侵入して壊されました」
「私がその者を逮捕する!」

狩場のあたり
「ジャウォン!こっちだ!」

数人の手勢で捜査する燕山l君でしたが、内侍などのお付きの者はギルドンカンパニーに引き離されます。
そして二人だけになったギルドンと燕山君
「おい! イ・ユン!」

# イ・ユンというのが燕山君の名です。
李㦕(りっしんべんに隆:ユン;융)です。
「ま…、まさか、お前は?!」
「ははは~」
「私を殺す気なのか?!」

ギルドンは左手だけで大きな岩を揺さぶります。
「さあ、どうだろうか?
これからは、王が苦しめた百姓たちがどうするのか見ていろ」
「…」
「また会おう…」

「ホン・ギルドン…、奴め!」

キム・ジャウォン(金子猿)
「チョナ、どうか殺して下さい。
お守りできませんでした」
「お前はまだ盗賊のホン・ギルドンとの関係があるのか?」
「チョナ~、もしも私を疑うのでしたら、
ここで死んで忠義を示します」

ノクスが来て、
「お怪我ですか?!」

# いつも心配に思うのですが、バイオニックパワーを使うとしばし気を失うギルドンです。

夢に現れるカリョンと巫女
「カリョン…、会いたかった…」
巫女
「あなたの妻のことは心配いらない。
時が来たら再会できる」
「…」
「あなたの父親が聞きたいと望んだが、
あなたの人生のことには答えを与えなかった」

「では、逆に俺が質問する」
「…」
「俺はどんな死に方をするのか?」
「それは良い質問だ。
この私に大きな木の根を求めて探しに来なさい」
「大きな根の木…」

ギルドンは仲間を連れて大きな洞窟の中に入ります。

「!」

「あなたは…」
(ギルドン)
「ええ、待っていました」
(巫女)
「この人が今日にもやって来ると言っていた方ですか?
あなた達がホン・チョンジなのですか?!」
(村人たち)
「そうです。
この人こそが私が言っていた待ち人、万能の子です」

歓迎を受けるギルドン・カンパニーの面々

「ここは、たくさんの民百姓が住める大きさですね…。
ここに“私の民たち”を連れて来ても良いでしょうか?」
「“あなたの民”なのですか?」
「あ…、そうでなく…」
「もちろんです。
あなたの民たちこそ来るべきところです」
「…」

傷の手当てをするノクス
「ホン・ギルドンが牢も門も破って脱走したのですか?」
「しかし…、
私は骨を折られて立ち上がることもできないところを見たのに…、
なぜあのように元気なのか…?」
「…」
「あれこそ本当に万能の子なのか…?」
「チョナ。
たとえ万能の子であっても、数万の兵を倒すことは不可能です」
「そうだな…。私にはそれだけの兵力がある」

ギルヒョンと燕山君
「チョナ…、ホン・ギルドンが逃亡したのですか?
いったいどうやって…?」
(# ギルヒョンは嬉しそうです)
「しかし単なる盗賊だ。
一度はそなたが逮捕したから、もう一度連行してくれ」
「ええ、必ず!」
「ただし、ホン・ギルドンが生きたままで逃亡したことは庶民には知らせるな。
生きていると知れば民百姓はまた“万能の子”だと言い出しかねない」
「ええ、必ず逮捕します。
民には“すでに死んだ”との噂を流します」

町中には“ホン・ギルドンと仲間たちは、罪を死で償った”との公示。
「ついに死んだ…。
おめでとうございます。
亡くなってしまった…」
「そうだ。これが朝鮮だ。
何と良き日なのか!」

他方カリョンも知り、涙…。
「ソバニム…」

キム・ジャウォン(金子猿)
「チョナ、ホン・ギルドンを捕まえるのはたやすいことです」
「どういうことなのか?」
「ホン・ギルドンは捕らわれた多くの仲間を残したままです。
多くの民がまだまだ残されています」

ヨンゲは百姓たちを連れて来ます
「ご無事で何よりです」
「ここは…?」
「ええ、官軍には見つからない場所です」

「…」

「本当に俺を待っていたのですか?
なぜですか?」

「あなたは万能の子だからです」
「いいえ、他の者よりも少し強いだけです」
「万能の子はただ強いだけだと思っているのですか?
強さはあなたの一部です」
「では何が…?」
「私に質問しないでください。
強さだけがあなたの真髄ではありません。
あなたはあなたを民に示すことです」

「ギルドンや。
これで安心だから、カリョンのところに行ってくれ」
(ソブリ)
「…」

しかし、カリョンはいません。
「…?」

「荷造りして出かけわよ」

モリがチュウォン君の屋敷に帰るのを待って、
「お前なのか…?」

「俺たちの…、俺のカリョンを…?」
「妻を失くしたのか?」

…カリョンや。
待っていてくれると思っていたが…、
いつも同じところにいてくれると思い込んでいた…。
なんと思いやりのない亭主なのか…。
カリョンや。
今でも待っているよな…?
俺を信じているか…?


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「甲子士禍:1504年」により、絶対王として全権を掌握した燕山君。
王朝建国の際に鄭道伝(チョン・ドジョン)が作りあげた組織(下図)と、その組織の権限を手中にしていた士林派を排除することに成功しました。

(『六龍が飛ぶ』より)
この「甲子士禍」はおよそ7か月に亘るもの。
燕山君にとってはうるさい存在の司諫院、弘文館が廃止されます。
また、成均館(最高学府:ソンギュンガン)や寺院などを酒食の場にしたり、馬屋に改造してしまうなどを行いました。
これは、外戚であった任士洪(イム・サホン)との共同作戦によるものです。
以上を、絶対王権VS密本として
(密本はこのドラマ『逆賊』にある守貴単のように、朱子学の急進派で、鄭道伝の思想を継ぐ組織)、燕山君が言っていた“儒教本来のものではない”と捉えていました。
しかし、民からのハングルでの投書が増えると、ハングルの使用を禁止するなど、庶民への暴政まで振るうように豹変しました。
他方では民心が離れ、各地でクーデターの企てがあったとされます。
ホン・ギルドンだけではなかった…。
そして、2年後には「朴元宗(パク・ウォンジョン)の乱」または「中宗反正」と呼ばれるクーデターで廃位されるに至ります。
燕山君が30歳の時でした。

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