逆賊 第18話(下) 七杯のご飯
ハクモクレン

(紀州の3月末:photo by APB)
逆賊 第18話(下) 七杯のご飯
初夜が明けてカリョンは髪を上げました。
「…」

# 一般的な髪型で、ピニョと呼ばれるカンザシで髪を止めます。
このスタイルをチョクチンモリといいます。
「…」

そして3日後
「行録」を頼りにオリニを探す旅
「気をつけて帰って来てね。
また7杯のご飯を用意しておくわ」

「カリョンは一人で勇敢に待っていてくれるだろうよな?」
(ソブリ)
「毎日3食のご飯を欠かすなよ」
(ヨンゲ)
ソブリはジャチに、
「時々暮らしぶりを見ていてください」
「んん、心配せずに行って来い」
(ジャチ)

「…」
「…、オリニを必ず連れて戻って来てね」
「行ってくるからな」
…ケガしないでね。
ソバン(#)…

# 通常はソバニム(旦那様)と言うところですが、ため口のカリョンです。
パンマルで“ソバン”でした。
パク・ジョンジュ

奴婢に働かせながら焼肉を食らっているパク・ジョンジュ。
…パク・ジョンジュは奴婢が勉強しているところを見て、
目を突いて盲目にした。

ソブリ
「パク・ジョンジュの家をご存知ですか?」
「私だ」
「あ~、漢陽から来たホン・チュンジをご存知でしょうか?」
パク・ジョンジュが勉強している際に、
傍に仕えていた奴婢も勉強しようとしたから目を突いたとのこと。
「この社会の秩序を教えるためだ」

「見せてやろう」
「…」

そこでギルドン
「こんな光景を目の当たりにして、
俺たちは家には帰れないな…」
「おい、落ち着け…」
(ソブリ)

そして…、
「盲目にしないだけでも良かったと思え」
「…」

「…」

(「行録」のリストから)

倉庫の備蓄を全て庶民に解放

…哄(ホン)

「ギルドン、約束してくれ。
感情は押さえてくれ。最後の忠告だ」
「ははは~、心配しないでくれ。
私は悪い両班を退治するんじゃなくて、
オリニを探す旅に出たのだからな」
「そうだ、これが最後だ」
「さあ、次の標的は誰なのか?」

コン・バンイル

…奴は嫡子の自分が歩く前を、庶子が横切ったと言うだけで、半弟の踵を切った。

(「行録」のリストから)

コン・バンイルの家の財宝を全部、庶民に分配。

ホン・チョンジが率いる活貧党(ファルビンダン)
「もういい加減にして、気を静めろと言っているのに…」
(ソブリ)

「だからこそ俺は快食快便だ」
(ヨンゲ)
「そうだな、イルチョンのおならも臭くなくなった」
(クッセ)
「ああ、俺のおならも清められているからだ」
(イルチョン)

「まるで焼肉を食って、絹の布団で寝ている気分だ」
(オプサン)

「ああ、だからこそ俺たちは、
まるで便秘なしの爽快な気分になれるんだ」
(ギルドン)

そして、
「俺たちは子供のように群れを成すんじゃなくて、
お互いに分かれて活動しよう。
2週間後にみんな再開しよう」
ということで、それぞれが「“ホン・チョンジ”と名乗って活動しよう」と…。

# 孫悟空の“分身の術”ですね。
傲慢な両班たちを成敗
…ホ・ジュボンは未成年への性的嫌がらせ。

…キム・チョゴはダルソクから“祈祷師”とののしられただけで報復した。

…ホン・ゴヨンは妻が夫を叱ったというだけで叩いて吊るした。
「…」

「!」

…ヤン・セジュンは仏教の経典を隠し持っていたと言うだけで、キム氏の耳を切った。
「…」

「!」

…ハン・ジンスは妻が不道徳ということで舌を切った。
「…」

「!」


「…」

「!」

# ギルドンの“活貧党”はそれぞれに分かれて、成敗を加えました。
それぞれが“ホン・チョンジ”を名乗りますから、噂はバラバラ…。

町での噂から夫の活躍を知るカリョン

「ホン・チョンジのことを聞いたか?!
クマの様にでかくて力持ちだ」
「いや、背が高くて身は細いそうだ」
「ホン・チョンジという男は神出鬼没だわ」
「でも、美男子ではないそうよ」
「違うわ! 美男子だわ」
「悪い奴らしか狙わないそうだ」
「30歳ぐらいだそうだ」
「何を言うのか?!
50歳は超えているらしいぞ」

「…」

記録を綴るカリョンは文壇デビュー?
…ホン・チョンジという男は美男子であった。

「ホン・チョンジ伝」

燕山君とチャン・ノクス
「漢陽ではホン・チョンジと言う名の男の噂で持ち切りです。
盗賊の名前です」
「…」

「奇妙なことに同じ日に別の場所に出没するらしいですよ。
朝には南の方で、午後には町の北の方に現れるそうです」
「ふ~」
「それだけでなくて、
その男を見た者たちが言うには、
どうも全部違った人物のようらしいですよ」
「…」

「きっとホン・チョンジは人間ではくて、
超人なのでしょうね…。
きっと空も歩くような…」
「ははは、信じられない」
「そうでしょう?」
「ふふふ…」
「なぜチョナはその男を逮捕させないのですか?」
「…、トラはめったにクマとは戦わないものだ。
しかも相手はヤマネコだぞ?
ホン・チョンジという者は、私の忠臣たちに何とかさせるさ」

官僚たち
「チョナは我々に話題の盗賊を逮捕するようにと命じた」

「そんなくだらない盗賊のために我々は帰宅できなくなった」
「いいや、そんな小さな盗賊じゃないぞ。
この地図を見てくれ。
ホン・チョンジが出没した場所だ。
ピョンヤン(平壌)からハニャン(漢陽)まで、
ホンチョンジが現れなかった場所はない」

暗行御史(アメンオサ)のギルヒョン
民百姓・奴婢が消えた場所とが一致しています。
「一致している!
ホン・チョンジが出没した場所は、
民百姓たちが行方不明になった場所だ」

ソン・オルシンと呼ばれる師匠は配下からの報告を聞いて、
「なぜ彼らがホン・チョンジの成敗を受けたのか…?」
「…」

守貴単(スギダン)記録(「行録」:ヘンロク)と照らし合わせて、
「!」


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# 旅に出る“7人のサムライ”に向かって、
カリョンは「7杯のご飯を用意しておくからね!」と。
ジャチと一緒に“7人のサムライ”を待つことになりました。
そうですね。
7杯のご飯を一緒に食べることができるようにと、
旅の無事を祈る“はなむけ”の呼びかけでした。
# 第18話を見て、ようやく二つの翡翠の玉(二子玉)が「守貴単(スギダン)」のシンボルだと解りました。
フィクションとはいえ、“密本”から根深く流れる朱子学の急進派の人々の党派でした。
二子玉・守貴単の“単”はユニット(unit)の意味だと思います。
これからもギルドンカンパニーの「活貧党」との対決が続くようです。
なお、
守貴単の記録書「行録(ヘンロク)」には、ソン師匠が送り込んだ者のリストがあり、その中にギルドンの妹のオリニが載っていました。

(第18話の終わりのショット)

一つのパンでも仲間で分け合うから、“カンパニー(会社)”と言うのが語源だと聞きました。
ふと思ったのですが、次の写真は第1話のドラマの<プレリュード>でした。
ギルドンカンパニーの左から2番目は兄のギルヒョンでは?
第12話では燕山君に忠誠を誓いましたが、見切りをつけるのでは?
と思いました。


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(紀州の3月末:photo by APB)
逆賊 第18話(下) 七杯のご飯
初夜が明けてカリョンは髪を上げました。
「…」

# 一般的な髪型で、ピニョと呼ばれるカンザシで髪を止めます。
このスタイルをチョクチンモリといいます。
「…」

そして3日後
「行録」を頼りにオリニを探す旅
「気をつけて帰って来てね。
また7杯のご飯を用意しておくわ」

「カリョンは一人で勇敢に待っていてくれるだろうよな?」
(ソブリ)
「毎日3食のご飯を欠かすなよ」
(ヨンゲ)
ソブリはジャチに、
「時々暮らしぶりを見ていてください」
「んん、心配せずに行って来い」
(ジャチ)

「…」
「…、オリニを必ず連れて戻って来てね」
「行ってくるからな」
…ケガしないでね。
ソバン(#)…

# 通常はソバニム(旦那様)と言うところですが、ため口のカリョンです。
パンマルで“ソバン”でした。
パク・ジョンジュ

奴婢に働かせながら焼肉を食らっているパク・ジョンジュ。
…パク・ジョンジュは奴婢が勉強しているところを見て、
目を突いて盲目にした。

ソブリ
「パク・ジョンジュの家をご存知ですか?」
「私だ」
「あ~、漢陽から来たホン・チュンジをご存知でしょうか?」
パク・ジョンジュが勉強している際に、
傍に仕えていた奴婢も勉強しようとしたから目を突いたとのこと。
「この社会の秩序を教えるためだ」

「見せてやろう」
「…」

そこでギルドン
「こんな光景を目の当たりにして、
俺たちは家には帰れないな…」
「おい、落ち着け…」
(ソブリ)

そして…、
「盲目にしないだけでも良かったと思え」
「…」

「…」

(「行録」のリストから)

倉庫の備蓄を全て庶民に解放

…哄(ホン)

「ギルドン、約束してくれ。
感情は押さえてくれ。最後の忠告だ」
「ははは~、心配しないでくれ。
私は悪い両班を退治するんじゃなくて、
オリニを探す旅に出たのだからな」
「そうだ、これが最後だ」
「さあ、次の標的は誰なのか?」

コン・バンイル

…奴は嫡子の自分が歩く前を、庶子が横切ったと言うだけで、半弟の踵を切った。

(「行録」のリストから)

コン・バンイルの家の財宝を全部、庶民に分配。

ホン・チョンジが率いる活貧党(ファルビンダン)
「もういい加減にして、気を静めろと言っているのに…」
(ソブリ)

「だからこそ俺は快食快便だ」
(ヨンゲ)
「そうだな、イルチョンのおならも臭くなくなった」
(クッセ)
「ああ、俺のおならも清められているからだ」
(イルチョン)

「まるで焼肉を食って、絹の布団で寝ている気分だ」
(オプサン)

「ああ、だからこそ俺たちは、
まるで便秘なしの爽快な気分になれるんだ」
(ギルドン)

そして、
「俺たちは子供のように群れを成すんじゃなくて、
お互いに分かれて活動しよう。
2週間後にみんな再開しよう」
ということで、それぞれが「“ホン・チョンジ”と名乗って活動しよう」と…。

# 孫悟空の“分身の術”ですね。
傲慢な両班たちを成敗
…ホ・ジュボンは未成年への性的嫌がらせ。

…キム・チョゴはダルソクから“祈祷師”とののしられただけで報復した。

…ホン・ゴヨンは妻が夫を叱ったというだけで叩いて吊るした。
「…」

「!」

…ヤン・セジュンは仏教の経典を隠し持っていたと言うだけで、キム氏の耳を切った。
「…」

「!」

…ハン・ジンスは妻が不道徳ということで舌を切った。
「…」

「!」


「…」

「!」

# ギルドンの“活貧党”はそれぞれに分かれて、成敗を加えました。
それぞれが“ホン・チョンジ”を名乗りますから、噂はバラバラ…。

町での噂から夫の活躍を知るカリョン

「ホン・チョンジのことを聞いたか?!
クマの様にでかくて力持ちだ」
「いや、背が高くて身は細いそうだ」
「ホン・チョンジという男は神出鬼没だわ」
「でも、美男子ではないそうよ」
「違うわ! 美男子だわ」
「悪い奴らしか狙わないそうだ」
「30歳ぐらいだそうだ」
「何を言うのか?!
50歳は超えているらしいぞ」

「…」

記録を綴るカリョンは文壇デビュー?
…ホン・チョンジという男は美男子であった。

「ホン・チョンジ伝」

燕山君とチャン・ノクス
「漢陽ではホン・チョンジと言う名の男の噂で持ち切りです。
盗賊の名前です」
「…」

「奇妙なことに同じ日に別の場所に出没するらしいですよ。
朝には南の方で、午後には町の北の方に現れるそうです」
「ふ~」
「それだけでなくて、
その男を見た者たちが言うには、
どうも全部違った人物のようらしいですよ」
「…」

「きっとホン・チョンジは人間ではくて、
超人なのでしょうね…。
きっと空も歩くような…」
「ははは、信じられない」
「そうでしょう?」
「ふふふ…」
「なぜチョナはその男を逮捕させないのですか?」
「…、トラはめったにクマとは戦わないものだ。
しかも相手はヤマネコだぞ?
ホン・チョンジという者は、私の忠臣たちに何とかさせるさ」

官僚たち
「チョナは我々に話題の盗賊を逮捕するようにと命じた」

「そんなくだらない盗賊のために我々は帰宅できなくなった」
「いいや、そんな小さな盗賊じゃないぞ。
この地図を見てくれ。
ホン・チョンジが出没した場所だ。
ピョンヤン(平壌)からハニャン(漢陽)まで、
ホンチョンジが現れなかった場所はない」

暗行御史(アメンオサ)のギルヒョン
民百姓・奴婢が消えた場所とが一致しています。
「一致している!
ホン・チョンジが出没した場所は、
民百姓たちが行方不明になった場所だ」

ソン・オルシンと呼ばれる師匠は配下からの報告を聞いて、
「なぜ彼らがホン・チョンジの成敗を受けたのか…?」
「…」

守貴単(スギダン)記録(「行録」:ヘンロク)と照らし合わせて、
「!」


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# 旅に出る“7人のサムライ”に向かって、
カリョンは「7杯のご飯を用意しておくからね!」と。
ジャチと一緒に“7人のサムライ”を待つことになりました。
そうですね。
7杯のご飯を一緒に食べることができるようにと、
旅の無事を祈る“はなむけ”の呼びかけでした。
# 第18話を見て、ようやく二つの翡翠の玉(二子玉)が「守貴単(スギダン)」のシンボルだと解りました。
フィクションとはいえ、“密本”から根深く流れる朱子学の急進派の人々の党派でした。
二子玉・守貴単の“単”はユニット(unit)の意味だと思います。
これからもギルドンカンパニーの「活貧党」との対決が続くようです。
なお、
守貴単の記録書「行録(ヘンロク)」には、ソン師匠が送り込んだ者のリストがあり、その中にギルドンの妹のオリニが載っていました。

(第18話の終わりのショット)

一つのパンでも仲間で分け合うから、“カンパニー(会社)”と言うのが語源だと聞きました。
ふと思ったのですが、次の写真は第1話のドラマの<プレリュード>でした。
ギルドンカンパニーの左から2番目は兄のギルヒョンでは?
第12話では燕山君に忠誠を誓いましたが、見切りをつけるのでは?
と思いました。


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