逆賊 第16話(中) カリョンの自作自演

(ハナモモが咲き始めました:2017.03.31)
逆賊 第16話(中) カリョンの自作自演
自作の小説を披露していたカリョン
「今日はここまで!」
「え~?!」
「ちょっと頼みがあるのよ。
私には婚約者がいるって噂を広めて欲しいのよ」
「え~?!」
「誰なの?」
「この世で一番の男だわ」

「誰が噂を撒いたか分かった」
(イルチョン)
「行こう!
そいつの足をへし折ってやる」
(ギルドン)
「いや、男じゃないんだ」

「ウソじゃないわ。
私には好きな人がいるのよ」
「10年も100年待っても叶いそうにもないから、
オラボニには会って欲しいわ」
「片思いなのか?」
「…」

カリョンはギルドンを東屋に連れ出して、
「ここだわ。 ここで待ち合わせだわ」
「どこにいるのか?」
「あの人は商売人だから、いつも忙しいのよ。
それに、自分の儲けは他人に分け合うのよ。
信じられないほど、とっても格好いい人なのよ」
「遅いな…、いつまで待たせる気なのか…?」
「へへへ…。 もう傍に来ているわ」
「?!」
「私が好きな人は私の目の前の人だわ」
「…」
「私はオラボニが好きだわ」
「…。 お前は俺にとっては女じゃない」
「…」

荷物をまとめ始める涙のカリョンでしたが…。

「俺のことが好きなのか?」
「…」
「俺が誰だか分かっているのか?」
「…」
「俺は盗賊だ」
「…」
「お前は盗賊の女にはなるべきじゃない。
普通の人のように生きるべきだ」

「私はコンファ姉さん以上に愛することができる。
私はオラボニのことを置いてきぼりにはしないわ」
「…」
「自分でも分かっているわ。
私はつまらない女だわ」

「傷つけたくない」
「…」
「…」
「…」

「傷つけたくはないけど…、
どうしたらいいのか分からない」
「だから私が傍にいるのよ」

「…」

「…」

燕山君とノクス

「何人か雑用係(ムスリ)が欲しいです。
楽士として一緒に働けるような雑用係を…」
「有名な楽士や妓生がいるじゃないか。
内官には集めるように頼んでおくが…」
「良いのですか?」

「ああ。その代わりに私の頼みを聞いてくれ」
「?」
「そなたの心が欲しい」
「私の心は何でもないものです。
なぜ欲しいのですか?」
「確かに心というものは何でもないものだ。
しかし、貰えないと分かると、ますます欲しくなる」
「心をあげないのが、チョナを傍に置いておくという方法ならば、
心はあげません」
「いったいどういうことなのか?」
「…」
「は~ははは」

「王の寵愛を受けているように、私は彼女(ノクスのこと)から愛されたい」という女官や、「宮中は怖いところだわ」という女官。
ノクスは雑用係の女官を選んでいます。

暗行御史(アメンオサ)として地方の町を訪ねているギルヒョンには町の噂

「何か変なことが起きているようですね」
「どなたですか?」
「ああ、私は伝承師です。
いろんなお話を集めています。
噂話もね…」
「あ~、そうですか」
「ところで昨夜は何があったのですか?」
「チュンボンの一家が一夜で跡形もなく消えたのですよ」
「ではここの県令がやったとでも?」
「あ~い。 ここの県令は良い人だ」

暗行御史(アメンオサ #)の身分証を持って県庁に乗り込むギルヒョン

県令
「チュンボンは、
弟のチュンサムのために訴えたんです。
この町のチェ町長のための奉仕作業として、
弟は木こりとして仕えたのですが、
急に亡くなったから調査を頼んだのです」
「奉仕作業は国からの命令のはずなのに、
なぜ町長の家族のために奉仕活動をしたのか?」
「しかし、チェ町長は王族の遠い親戚ですから、
この僻地の町では秘密裏に行われています」

カリョンの提案は、
「オラボニ、ひとつやってみたいことがあるわ。
小説では愛しあう男と女は手を握り合って寝るのよ。
“俺がお前を守る”とか言って…」
「…」

「今夜は一緒に寝ない?」
「え?!」
「手を握るだけだわ」
「え?!」

「私…、生まれて来て良かったわ」


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# カリョンはこれからもう一歩踏み込みます。
# 有名な暗行御史(アメンオサ)
彼らは、事目(サモク:公務のマニュアル)、鍮尺(ユチョク:死体検分用の真鍮の尺)、馬牌(マベ:身分証明書)などの道具を持ち、国王の007として地方行政を監視していました。
この馬牌は“水戸黄門の印籠”にあたります。
第19代王・粛宗(スクチョン)の時代に朴文秀(パク・ムンス)という元官吏で後に暗行御史となった人がいました。
語り継がれる逸話は慶尚道(キョンサンド)で仕事をしていた時のこと。
ある日、海岸に海流に乗って多くの瓦礫が流れ着いていることを見た彼は、北方での水害を推理し、すぐさま在庫の穀物を北の地方に送ろうと、反対者を退けて実力行使。
船に穀物を載せて自ら輸送しました。
案の定、半島の北東部の咸鏡道(ハムギョンド)で洪水があり、穀物が底をついていたところでした。
政府に穀物を要請しても1か月は時間を要するところを、まるで奇跡のように穀物を届けたのが朴文秀(パク・ムンス)。
この大手柄で庶民から喝采を受け、後代まで碑文が残されています。

# ↓はこれから起きる「甲子士禍(カプチャサファ)」での燕山君のこと。
演じるキム・ジソクが自らの演技にファンの期待を盛り上げるメッセージです。
https://www.youtube.com/watch?v=8o90DkBhAQE
(info. by APB)

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