王の涙~逆鱗 (4) おわり

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(イ・サンが建設した“華城”の建設資料:国立故宮博物館で2015.04撮影)

『王の涙(『逆鱗』)』(4) この世のために

お風呂からあがって

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久々にサンに会いに行こうと…。

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サンに向かって、
「母親の恵慶宮が“毒”を盛ろうとした」

「…」

「しかも、10歳の女の子に指示した。
 どう処分しましょうか?」

「ご随意に…」
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貞純大妃(チョンスンテビ)は、
恵慶宮(へギョングン)
の処罰を考えているところなので、
直接会って話をしておきたかったようです。
夫を差し出しても息子は守った恵慶宮です。

「イ・サンは夫を犠牲にしてまで育てた子です」

「その王は、“ご随意に”と言っていますよ。
 しかも、酒を飲むと言って出て行きました」

「…」
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老論派の手先のク・ソンボク将軍

サンは軍の動きを止めようと、
少人数の近衛隊だけで来たのです。

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「この刀で私を切るか、
 それとも私の刀となってくれるか?!
 どちらかひとつだ!」
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「…」
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こちらはクォン

カプスが老論派の金銭取引の台帳を持って、王宮に戻ろうとするところを捕まえます。
そして台帳を焼きます。

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ホン・グクヨン内禁将が恵慶宮を救出します。

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「王命です」

「…」
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そしてその日の夜中

宮中に乱入する暗殺団

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雨で銃が使えません。
ウルスが率いる暗殺団と内禁衛たちとの戦闘

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サンも応戦します

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ウルスが王の寝所にまで潜入

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サンを救うのは戻って来たカプス
2人は刺し違えます。

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「220だな…。
 77だ」

「ヒョン!」

「ダメだ。
 チョナだけはだめだ」
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戦い終えて

サンは亡き父(荘献)の位牌の下の床に隠しておいた、ひとつの“箱”を取り出します。

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保管しておいた箱には、”英祖”が書いた“米櫃事件の真相”
サンの父・荘献の衣服に書かれたものでした。

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その血まみれの衣服にある伝言を、呼びつけた貞純大妃に読ませます。

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さらに、
「今回のことは大妃も母も許します。
 なにもなかったことにします」

「チュサン(主上)…」
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そして、暗殺計画の裏にいた尚宮を、大妃の前に差し出します。
尚宮を逮捕してきたのはク・ソンボク将軍でした。
ソンボクはサンに従うことにしたようです。

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「どうぞお手を…」
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今度はサンが大妃に恭順を誓わせます。

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奴隷の取引所を襲うサン

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「わし一人を殺してもこの世は変わらんさ」
という闇商人をバッサリ。

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# 時間の巻き戻しですが、
 ウォレは、
 この世を庶民のために変えて下さいと
 サンの衣服に書き残していたのでした。

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…小さなことでも誠意をもって当たること。
 そうすることで誠の心が真意としてにじみ広がって、
 至誠は人々の心を動かすことになる。
 そうすることの積み重ねが世を変える。

世の中が変わるのだ。
  (セサイ パッケンダ)」

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<おわり>

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「王の涙(『逆鱗』)」
イ・サンが進める改革はこれからです


「小さなことでも無視せずに、最善を尽くすべき。
小さなことにも最善を尽くせば、誠意になる。
誠意は表に染めだし、表に染め出せば著しくなる。
著しくなれば、いよいよ明らかにして、
明らかになれば、おのずから人心を動かす。
人心が動けば、したがって変じ、
変ずれば化す。

だから、天下で至誠をなした者だけが、
自身と天下を化することができる
ということが、
礼記の“中庸”第23章です」

サンのこれからの改革は、まずは老論派の官位を剥奪することからスタートしました。
人材登用を重んじる一方で、亡き父親の名誉を回復。
そしてこの映画にあるように奴隷の解放でした。

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父の墓を江原道(カンファド)に移し、
両班がいない土地に、
水原華城(京畿道)を作ります。

貞純大妃(チョンスンテビ)は英祖が65歳の時に、当時の慣例で14歳で正室に迎えられており、映画にあるように、サンの母の恵慶宮(ヘギョングン)よりも若い30代です。

1800年に正祖・サンが亡くなると、貞純大妃がまたまた歴史の前面に出てきます。
サンの息子・純祖(第23代)がまだ10歳だったからです。
最大の問題は、当時反目していたキリスト教徒の官僚たちだけでなく、フランス人の宣教師を含めて庶民まで巻き込んで、キリスト教(天守教:カトリック)弾圧を行い、数万人の信者を処刑したことです。
これは、フランスとの国際問題に展開します。

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王の涙~逆鱗 (3) 刺客たち

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(イ・サンが建設した京畿道水原の“華城”:2015.04撮影)

# 昨年12月18日、韓国文化院(東京・四谷)で、『王の涙』の上映会がありました。
本編の前の短い解説ではありましたが、映画『思悼(世子)』と合わせた解釈で、思悼(サド)世子の“米櫃事件”は、老論派と酒(+毒物)によるものとの直接・間接的な説明でした。
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『王の涙』~逆鱗(3) 刺客たち

https://www.youtube.com/watch?v=2mUfBSYsar0&list=RD45UAworljWk&index=4
(Youtubeより)

ウルスを待つ老論派

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ウォレの養父

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カプスは養父殺害の際に、足元に血痕を残していました。
それを発見した内禁衛将に尋問を受けました

拷問に耐えつつカプスは、「王に合わせてくれ」と。
サンの前に引き出されたカプス

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サンはカプスとの過去のことを思い出しつつ、質問します。

(サンの父・荘献が“米櫃”に入れられて餓死)
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(この死んだ際の血まみれの衣服が後に出ます)
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「いつから刺客だったのか?」

「宮中に来た時からです」
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子供の時からの2人の友情は、サンにもカプスにも強いものがありました。

カプスはサンからの過去の出来事の質問に対して、その年月日まで答えます。
勿論サンも覚えています。

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むしろ辛かったのはサン
子供の頃からの遊び友達でもあったカプスですから…。

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サンとカプスは子供の頃からの遊び友達でもあり、
カプスは暗殺の事実を知り、実はサンを守ろうとしていたのです。

「私は王様にとって偽りの存在でした」

「なぜお前は“刺客”を捨てたのか?」
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サンはある雨の日のことを思い出します。
米櫃に隠れたりして遊んでいた時のこと。

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外は大雨

「どんな味なのか?」

「いいえ、単に雨です」
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サンはカプスを開放します。

「この男を追放しろ。馬も与えて…」
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毒殺容疑で捕えられた恵慶宮とポクピン

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「暗殺計画を王に知らせなさい」
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「私も関係しています」

「!」

「私たち下々の者は使い捨ての駒なのですか?
 私は宮廷が嫌いです。
 それにあなたたちも…」
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開放されたカプス

「遠くに行け。
 戻っては来るな。
 これは王からの書状だ」
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(しかし、彼はサンを守るために宮中に戻ろうとします)

すれ違う義兄弟のカプスとウルス

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洗濯房ではウォレ

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ウルスはウォレに最後の別れ

「一仕事済ませて来ます」
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「俺は遠くに行かねばならない。
 …おそらくもう戻って来れない」
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「一緒に連れて行って…」
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カプスが傍にいなくなったサンの部屋
サンは若かったころのことを思いだします。
サンがとある宮女が好きになったようです。

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「呼びましょうか?」

「私の好みではない」

「いいえ、好みです」

「…」
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「ピングンに知られたらまずいかな?」

「ははは」

「笑うのか?!」

笑いあう2人でした。

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ウォレがやってきてサンの服を掛けます。
わざと目立つように風が吹き込む窓辺に掛けます

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風に揺れるサンの着替え

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「!」
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ウォレを追いかけます。
問い詰めるためです。

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そして、ウォレからの話を聞いてサンは向かいます。
軍の動きを止めるためです

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『王の涙』


これは父・荘献を祭る廟
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この祭壇の下の床には隠された箱がありました。
中には先王の英祖が書いた手紙があります。
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白馬から射る短弓

サンが内禁衛将のホン・グクヨン(洪国栄)に威力を説明するシーンがありました。

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弓は弾力性のある木に牛角を合成して強度を持たせたものです。

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昌徳宮のこと

第3代王・太宗が建てた昌徳宮(チャンドックン)の北側
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(当時の第2の法宮:国立故宮博物館:2016.09撮影)

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昌徳宮を出ると、芙蓉池と宙合楼です。
当時は後苑(シークレットガーデン)と、第4代王・世宗が父・太宗(イ・バンウォン)のために建てた昌慶宮(チャンギョングン)に続く道です。
イ・サンは昌慶宮で生まれました。
また、『イ・サン』、『トンイ』、『六龍が飛ぶ』などなど、たくさんのドラマと映画の撮影場所。
(現在は開発により、二宮の入り口は離れています。
 後苑は丘陵を生かした設計で、とにかく広いので観光には時間だけでなく健脚も要します)

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(2014.09.02撮影)

(youtubeより↓)
https://www.youtube.com/watch?v=-hJWVGxfKu0
(↓これは観光の際に撮影しました)
https://youtu.be/9ZQe076Oyy4

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王の涙~逆鱗 (2)奴婢

『逆賊』では、アモゲが中国の皇室が好んだとされる“黒細麻布(フクセマポ)”に目を付けて生産・輸出のビジネスを展開しました。
# 美しい黒い麻布でした。
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こちらは『逆鱗』でのイ・サンの衣装。
(製作2013年、日本公開2014年)
実際に映画でヒョンビンが来ていた王衣(夏服)です。
素材は黒い麻。

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(2014年の日比谷の映画館にて)

王の涙~逆鱗 (2)奴婢

奴隷商人

奴婢の子供(奴隷)たちは闇の人身売買の“物”

売られたカプスとウルスは両班の家で文武の鍛錬を受けます。
ただし、ウルスは老論派により、対抗勢力を消すための暗殺者として育てられています。
宮廷内に送り込まれた女官のウォレも同じです。

闇商人クォンとウルス

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10年以上も前のこと、
ここは奴婢たちが売買される場所

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2人の少年、カプスとウルスがいました。
仲の良い二人は義兄弟となります。
通常は奴隷番号77番と220番なのですが、2人はカプスとウルスと呼び合うこととしました。

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(石を研いで作った飾りが二人のシンボル)

事件の朝のこと

<午前7時45分>
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イサン(李祘)の実母は恵慶宮(ヘギョングン)・洪(ホン)氏

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政局は老論派が牛耳っているので、「とにかく生きなさい」と。

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祖母にあたる祖父の妻・貞純(チョンスン)および老論派の謀略により、サンの父親の荘献(チャンホン)が“米櫃(こめびつ)”の中で餓死させられたことを伝えます。
サンがまだ10歳の頃でした。

「肝に銘じます」
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朝の定例会
老論派は月に2度の定例の会議にも出席しないほどの横暴。

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「今日の会議はこれにて終了する」
そんな状況でした。

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身の回りの世話をするポクピンという10歳の子に、恵慶宮は“毒”を渡します

「相手は分かっているわよね?」
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「これは痕跡が残らないから、解剖しても分からない」

「…」
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軍事訓練

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激しく対立する内禁衛将ホン・グクヨンと、ク・ソンボク将軍(老論派の手先)

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闇商人のクォンは、宮中に送り込んだ子供たちを管理しています。

洗濯房の女官ウォレと刺客ウルス(カプスの義弟)のことも…。

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ウルスはウォレのことが好きになっていたのです。

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「なぜここに来たの?」

「…」
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「なぜいつも顔をだすの?」

「…」

「市場でも見かけたわ」

「分かっていたのか…」

「宮中では洗濯房にいるわよ」
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「…」
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闇商人クォンはウルスとウォレとの関係を脅しに使い、サンの暗殺を命じます。
(# 宮女は男との付き合いは禁じられています。
 宮廷内の宮女はすべてが“王の女”だからです。
 ただし、『ホジュン』にあったように医女は別です)

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「仕事を果たせば、
 お前もあの女も自由にしてやる」
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尚膳が行方不明になっているとの報告

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サンが内侍(内官)のカプスに、高いころにある書物を取るように指示したのですが、その際にカプスの足元に血痕が付着していることをグクヨンが見つけます。

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着替えに戻ったカプス

カプスを付けたグクヨンは真相を尋問します。

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カプスは全てを話し、サンとの面会を求めます。

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遺体が井戸の中から発見されますが、これはカプスが養父の尚膳を殺害したため。

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ポクピンが泣いているので、尋ねるウォレポクピンが毒を預かっていることを知ります

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いずれにせよ宮中にいては危険だと察知。
宮廷外にポクピンを逃がそうとするのですが…、

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貞純大妃のスパイたちに既に見破られていました。

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貞純大妃のスパイ(尚宮)から見つかり、
逮捕されるポクピン。

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恵慶宮から預かっていたことが知れます。

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貞純はポクビンと恵慶宮を呼びつけます

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「…」
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飲んで見ろと言われても飲めずに、何も返答できずに恵慶宮は幽閉されます。

「…」

貞純は14歳の時に2番目の正室に入っていますから、
サンの母親・恵慶宮より年下です。

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『王の涙』


恵慶宮(ヘギョングン)のこと

彼女は9歳の時に、同じ年齢の荘献に嫁ぎます。
(チャンホン:第21代王・英祖・ヨンジョの次男)
チャンホンは世子(セジャ)に決まっていたので、将来は王妃。
この二人、恵慶宮と荘献が18歳の時に生まれたのが、次男の祘(サン)です。

しかし、荘献が当時の主流だった老論派(ノロン)を批判し、対立。
度重なる老論派の工作により父の英祖と荘献との関係が悪化し、有名な「米櫃」餓死事件に発展します。
1762年、サンが10歳の時です。

奴隷制度のこと

ある雪の日でした。
2人は口を開いて雪を味わっています。

「どんな味か?」

「いいや、単に雪だ」
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カプスとウルスを買いに来た両班
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カプスとウルスが売られていくシーン
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カプスが養父を殺害するシーン
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王朝時代は両班(ヤンバン)、中人(チュンイン)、常民(サンミン)、賤民(チュンミン)の身分制度。
奴婢、妓生、大道芸人、僧侶、巫女が浅眠に属しますが、王朝中期になると英祖やこの正祖の(昨日アップ)改革によって、奴婢は激減します。
奴婢といっても、両班の家に住まいこみもいれば通いの奴婢もいましたし、国家事業や開拓の労働者としての奴婢もいて、後者は独立した生計が成り立っていました。
商業の発達にもより、例えば大邱(テグ)の記録では(「朝鮮王朝実録」)、1690年の大邱の人口比率で37%であったものが、1858年には2%に激減しています。

他方で、両班(ヤンバン)の家から逃げ出した奴隷(奴婢)を追う、奴婢同士のドラマ『推奴(チュノ)』がありました。
(チャン・ヒョク、オ・ジホ、イ・ダへ主演)
泥棒や逃亡した奴婢を追う「バウンティ・ハンター(賞金稼ぎ)」で、生計を得ていたということ。

そして、1894年(第26代王・高宗の時代)には完全に奴隷制度は廃止されています。
その時には(王朝末期)、両班層が没落し、その身分が下層にも金銭で売られていたようです。

ところで、この映画でサンが使う弓は「아기활(アギファル)」と言います。
直訳すると、「赤ん坊の弓」で、馬上から使うために開発された最強の携帯型の弓です。
長い竹の筒で照準を確かにして、
中には空気抵抗が少ない短い矢を入れます。

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(『推奴(チュノ』より))

それに、『推奴(チュノ)』では年下(マンネ)の役だったキム・ジソクです。
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王の涙~逆鱗 (1) 至誠

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(イ・サンが建設した京畿道水原の“華城の南の門”:八達門・2015.04撮影)

映画「王の涙(原題:『逆鱗』)」

<イントロダクション>

…恐怖と不安で死んだ方がましだった。
(1775年2月5日 イ・サン)

…世孫は老論と小論を、吏曹と兵曹も知る必要もなく、
さらには、国事についても、尚更知る必要もありません。
(1775年11月20日 老論派ホン・インバン)

…お前は大臣たちの言葉に動揺せず、
ただ私の教えに従い、私の意志に従えば良い。
それがお前の孝行だ。
(1775年11月20日 英祖)

時は1777年7月28日の暑い頃。
前年に第21代王・英祖が亡くなり、朝鮮国内はまだ喪に服していました。
当時の朝鮮王朝の宮廷政治を司る官僚たちは、国教である儒教の解釈を巡り、過去の西人派から別れた老論派と少論派に分裂していました。
ただし、儒教解釈というよりも、ただ単に政治派閥と捉えたほうが良いでしょう。

1776年に英祖が亡くなる前までに、子供たちへの徹底的な英才教育(王道教育)の末、後継者として選んでいた次期の第22代王(正祖)が、李祘(イ・サン)でした。
英祖の側室・映嬪(ヨンビン)李氏の息子には荘献(チャンホン)がいて、チャンホンの妻は恵慶宮(ヘギョングン)・洪氏。
サンはその夫婦の息子で、英祖の孫です。

(事件後のワンシーンです)
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私は思悼世子(サドセジャ:荘献)の息子だ
とのセリフから本編が始まります。

「王の涙~逆鱗」 (1) 至誠

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(逆鱗:ヨクリン)

事件の20時間15分前 午前3時

サンのアスレチックの場面、武術を磨いていたころから始まります。
「身の鍛錬すらあからさまにはできない」と言うように、老論派の文官が政治を握り、また、政治だけでなく王の生活にまで口を出していたようです。
サンは朝の会議にまで重りを付けて参加していました。

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就任1年目の(正祖:チョンジョ)イ・サンが頼るのは幼馴染の内官と、内禁衛(ネグミ:近衛兵)とその隊長(内禁将:ホン・グクヨン)しかいない状態で、軍は老論派が牛耳っていました。

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宮廷の洗濯房(セタクバン)で王の衣服を預かるのは、
女官ウォレ

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午前4時頃の宮廷・洗濯房

すでに王の衣服の洗濯が始まっています。
喪中の衣服ですが、王衣の紋章は円形。
つまり太陽を表します。

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ク・ソンボク将軍(老論派の手先)

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ホン・グクヨン

「私利私欲のために王の命を狙う“ならず者”は
 私の手で一掃します」
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英祖の2番目の正室の貞純(チョンスン)王后は歴史に残る悪女。
14歳で正室入りした若いチョンスン(役ハン・ジミン)。
サンがなくなった後は、彼女は老論派と結託して外戚政治をやります。
老論派は軍と宮廷人事権を手中にしていました。

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(足の爪をカットしているのは、まだ10歳のポクピン)

「ホン・グクヨンがク・ソンボクを殺そうとしていますよね。
 若くして権力を得たからでしょうか?」

「…」

「ホン・インバンもチョン・イギョムも殺して、
 私の兄を帰郷させた。
 実の父親を殺した老論派への仕返しのようだわ。
 最近は宮中でも刀を持ち歩いていると聞く。
 私も怖い」

「…」

「ク・ソンボクを討てば5兵営だけが立ち上がるわけではないわ。
 1を知って2を知らねば政治は難しいわよ」
 
「肝に銘じます」
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サンに恭順を誓わせる貞純大妃

「こちらへ…」
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「念のために言っておきますが、
 主上(チュサン)に何かが起きたら私は苦しみます。
 夜通し本を読んでいるそうですが、人は眠らないと死にます」

「肝に銘じます。
 ハルモ(祖母上)媽媽」

「…」
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大妃の手先でスパイ活動をする尚宮

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すでに、イ・サン暗殺が決まっています。

「今夜となっております」

「私がやれと言えば、そうなるのか?」

ポクピンに「…、あなたが決定しますか?」

「…」

「夏の夜は長くて暑くなりそうだわね」
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宮中での朝の会議
多数を占めるのは老論派

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「知識は洞察となり、
 洞察が実践にならない限り、
 学問は完成しない。
 そなたたちは四書五経にしがみついているだけで、
 実践を忘れている」

何かと儒教思想を巡って議論する官僚たちに、サンは質問をします。

「それが儒教の基本だというが、
 お前たちの中で“中庸”の第23章を暗唱できる者がいるのか?
 いるなら手を上げてみよ!
 もしも、一人でも暗唱できる者がいるのなら、
 そなたたちの教えを聞くことにする」

だれも答えることはできません。

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「尚冊(サンチェク)は知っているか?」

「(“中庸”の第23章)
小さなことでも無視せずに、最善を尽くすべき。
小さなことにも最善を尽くせば、誠意になる。
誠意は表に染めだし、表に染め出せば著しくなる。
著しくなれば、いよいよ明らかにして、
明らかになれば、おのずから人心を動かす。
人心が動けば、したがって変じ、
変ずれば化す。

だから、天下で至誠をなした者だけが、
自身と天下を化することができる
ということが、
礼記の“中庸”第23章です」

王の書庫を管理する尚冊(サンチェク)のカプスが諳んじます。

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「文字を超えて実題を論じ、
 その根拠と代案を論じるのが真なる学習だ」

「どんな実論を論じられるおつもりですか?」

「今日から4日間は経典を論じることは禁止する。
 ここにいる者は全て4日以内に奴婢を免ずるために、
 “免浅”の実題と根拠、代案を準備せよ」

「どうぞお考え直しください」

「…」
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「そなたたちの考えは貧しい」
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格子戸を開けて朝日を見るサンでした。

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『王の涙』


誠意をもって当たること
そうすることで誠の心が真意としてにじみ広がって、人々の心を動かすことになる。
という儒教が諭す政治・王道の「礼」の基本姿勢です。
孔子の時代は比較的大陸は安定していたからなのか、孔子は儒教の基本精神の「仁(人を慈しむ心)、義(私利私欲にとらわれない社会正義)、知(学ぶこと)、信(信じること)、礼(仁、義、知、信を実行すること)」の中でも、「仁」を重んじました。
しかし、孟子の時代になると戦乱も起き、孟子は“「礼」の持つ実行力”を重んじました。

この映画はサンが王位に就いて、1年目のこと。
父親を死に追いやった老論派の官僚たちを粛清していた頃なので、政敵も多く、実際に起きた事件がベースになって描かれています。

# 2度目のアップですが、修正と加筆をしています。

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悪女にされた女性たち

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(イ・サンが建設した水原の“華城:ファソン” の行宮正門:2015年撮影)

歴史に揺れた女性と歴史を動かした女性たち

パリで生まれたイタリア人の経済・社会学者にパレートがいます。
彼の功績は、今でも何かと使われる2対8の比率で、「パレート最適の法則」。
統計手法を用いて、およそ2割の高額所得者が国富の8割を占めているという実証を行ったからです。
例えばハチやアリでも、働いて実績を上げているのは、約2割だとの生物学的な分析もあります。

<王朝時代>の王族と両班の人口はおおよそ全体の1割とされます。
9割の庶民が圧政に苦しんでいたので、小説「洪吉童伝」などが生まれたのだと思います。
今日は転じて、これまでのドラマや本での知識から、女性たちの王朝について触れておきます。
悪女とは…? です。
現代は民主憲法とその下にある法律で犯罪が明確になっていますが、それでもモラルとか価値観は人によって多様なので、以下は私の個人的な考えだと思って下さい。

もしも、良い人と普通の人と悪い人が、1対8対1の比率であれば、悪い人が1割で残る9割は問題がないので、この世はおよそ平穏であるはず。
しかし、例えばサッカーファンが勝った負けたで相手チームのファンたちと喧嘩するみたいな、感情が先に立つと理性が失われていくので、1対9の比率が激変することが起きる。
先の米国大統領選挙の際に、ヒラリー・クリントンが主張していた、“民族性や宗教上の非寛容を許してはいけない”は、とても大切だと思います。
相手を受け入れて仲良くしたいもの。

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王妃のヘアスタイル(左:パク・ハソンのテスモリ 右:ハン・ヒョジュのトクジモリ)

1.7つの戒律と7人の廃妃

アバウトに男尊女卑と言うよりも、次の戒律を列挙した方が適格だと思います。
「七去之悪(チュルゴジアク)」といわれた<王朝時代>の離婚の要因です。

・嫁として夫の両親に仕えること
・跡継ぎの息子を生まなかったこと
・不倫(#)
・嫉妬深いこと
・病弱であること
・おしゃべり
・人を騙すこと

# こんな文化はあの当時だけではなかったのではないでしょうか?
ちなみに、
“姦通罪”が憲法裁判所(日本の最高裁にあたる)で違憲とされたのは2000年代に入ってからのことです。

また、7つの“ダメ出し”以外にも、
「出嫁外人(チュルガウェイン)」といって、“嫁いだら外の人”…、
なので、「もう実家の人ではないから、帰るな」と言われた…。
何とも不自由な時代だったかと思います。

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(『チャン・オクチョン』のユ・アインとキム・テヒ)

次いで廃妃の7人を列挙します。
(正室の座から廃妃(ぺビ)または降格された7人の王妃)

①第6代王・端宗の正室・定順王后
②第10代王・燕山君の正室・(廃妃)慎氏
③第11代王・中宗の正室・(廃妃)慎氏
④第15代王・光海君の正室・(廃妃)柳氏
この4人はクーデターでの夫の廃位による結果。
なお、ドラマ『逆賊』に出たように、端宗は廃位されて魯山君(ノサングン)と降格しましたが、およそ200年後に追尊されて、廃妃・宋氏も定順王后とおくり名をもらいました。
上記の中宗の正室は燕山君の正室と同じファミリーから嫁いでいたからで、これは“とばっちり”だと思います。

⑤第19代王・粛宗の正室・仁顕(イニョン)王后
⑥そして張禧嬪(チャン・ヒビン:禧嬪・張氏)
(ドラマ『トンイ』、『チャン・オクチョン』であまりにも有名)
この二人は老論派と小論派という“政争の具”となってしまいました。

こうしてみると、
⑦7番目にあげる(先に書いた)「王の顔を引っ掻いた王妃(廃妃)」
第9代王・成宗の2番目の正室で、燕山君の母・済献(チェホン)王后・尹(ユン)氏だけが、とてもユニークな存在だったことが分かります。
現代では、単に“夫の顔”といえばそれまでですが、上記の”嫉妬禁止”の王政の時代なので、“尊(龍)顔を引っ掻く”のは社会問題となって周囲からも“納得された廃位”だったのでしょう。
ただし、ひとつ指摘しなかった点は彼女は12歳年上の妻だということ。
姉さん女房なので、年功序列の社会では“ヌナ”
なので、心理的には廃妃の方が上位だったかもしれません。
http://jumong007.blog133.fc2.com/blog-entry-3145.html

また、『トンイ』と『チャン・オクチョン』を描いたドラマの視点は180度違っていて、良し悪しの評価が紙一重の差だと思います。
いずれにせよ、女性の中でも歴史に名を残した点では「命を懸けて」一生を羽ばたいた。

2.表の悪女と裏の悪女

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(『逆賊』の張緑水)

(1)表の悪女

男尊女卑の<王朝王朝>の中で、例えば両班の妾になるとか、女官への道から側室になるとか、上昇志向が強かったのが張緑水(チャン・ノクス)だったようです。
つまり、“貧乏は嫌だ”。
そして、たった一度の人生だから“可能ならば社会進出したい”という高い望みを持っていたのだと思います。
彼女は分かり易い存在です。
なので、チャン・ヒビン・オクチョン(禧嬪・張氏)と並んで、一般的な“悪女”の代表になっています。
ただし、
当時のモラル基準からも、現代のモラル基準からも“いわゆる悪女”として同列には扱えないと思います。
禧嬪・張氏は政争の具にされただけ。
MBCは『逆賊』により、性格的に激しい面を持った張緑水を描いています。

他方では、戦々恐々として派閥の看板の陰にいた男たち(官僚)のことが小動物に思えます。
人道的な観点から、あるいは儒教の基本的な思想から、男たちは女性との対話やコントロールを考えなかったのでしょうか?

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(左から、『トンイ』の粛宗、トンイ、チャン・ヒビン、内禁衛将)

(2)裏の悪女

『イ・サン』は名君だった第22代王・正祖を描いたドラマでした。
祖父の第21代王・英祖は官僚の派閥を上手く束ねて、またイ・サンはその力を弱めることに成功したとされます。
イ・サンが亡くなったのが1800年。
19世紀がやって来て、国際情勢が大きく変化を見せていた頃です。
既にフランスでは革命が起きて、ヨーロッパは市民社会へと移行が始まっており、また米国が独立したのは1776年です。

ここで政権を牛耳っていた二人の女性
この二人は女性の社会進出に成功したとはいえ、政府のトップに立つ者の資質として、国際感覚がなく排他的(非寛容)だったので、民百姓の民主化を遅らせたと思います。

①半島では、60代の第21代王・英祖(ヨンジョ)に10代で嫁いだ(正室)貞純(チョンスン)王后(1745~1805年)が、イ・サンの祖母として歴史に登場しました。
第22代王・正祖(ソンジョ:イ・サン)が亡くなったのがちょうど1800年です。

サンの息子がまだ10歳だったので、簾の背後から政治を操る貞純大妃の「垂簾聴政」が始まりました。
民主主義の観点から見ると、彼女の歴史的な罪は宗教上で排他的であったこと。
その60年の生涯の中において、天主教(カトリック)を弾圧し、フランス人宣教師を含めて数万におよぶ信者を殺害しました。
天主教が持つ平等思想が身分制度の国にとっては不都合だったからです。

②次いで、イ・サンの息子・第23代王・純祖(スンジョ)の正室・純元(スヌォン)王后(1789~1857年)。
少年の王に嫁いだわけですから、彼女も少女時代。
しかし、背後にいたのが実家の安東(アンドン)・金氏です。
純元王后の68年の生涯のほとんどにあたる、60年間くらいが「勢道(セド)政治」といわれ、実家の金氏が政権を掌握しました。
賄賂が横行した腐敗政治の時代だとされます。
彼女には罪はないかもしれませんが、この時代はドラマで美化するのが非常に難しいと思います。

3.朱子学一辺倒の“失われた100年”だった…。

儒教のオリジナルの経典として一般に挙げられるのはは四書五経。
しかし、時代の変遷と共に生まれた亜流の「小学」の朱子学は、為政者に都合よく利用されたと思います。
江戸時代も<朝鮮王朝>も、身分制度、男尊女卑、他宗教への不寛容により庶民社会を統治したと断言しても良いと思います。
平等思想のキリスト教を弾圧したのは、この為政者のご都合によるものだと思います。
また、民主化の遅れもここにあると考えています。

先週の『逆賊』を視聴していて、やはり…。
と思ったのは、ギルヒョンとギルドンの妹のオリニに記憶障害があって、兄たちのことを覚えていないこと。
そればかりか、“守貴単”の師匠たちから洗脳されているようです。
ギルドンの妻・カリョンに対して、「王からの寵愛を受けるにも順番がある」と、オンニにあたる女性に突っかかっています。

しかし、宗教的に寛容となってきたのが<朝鮮王朝>の末期だったと思います。
近代化を進めようと、高宗にも明成皇后にも、勢道政治から脱却した国際感覚がありました。
第26代王・高宗の在位1863年からのドラマ『明成皇后』は、日本との関係のイメージが分かり易かったです。
ただし、衰退する大陸の清ではなくて、いち早く近代化を進めた日本との関係が良好だったならば…、
と思うと残念です。

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(イ・サンと高宗;
 国立故宮博物館のガイドから聞いた話です。
 第21代王・英祖と第22代王・正祖は、もとは英宗と正宗だったが、第26代王・高宗により追尊され、
 それぞれ、英祖と正祖の謚が贈られたそうです)

(以上は次を参考にしました)
康煕奉『悪女たちの朝鮮王朝』双葉社(2014.06)
朴永圭『朝鮮王朝実録(改訂版)』キネマ旬報社(2015.10)など。

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絶対王権→立憲君主制→民主主義へと、大きな歴史の波が押し寄せる中で、その波に乗った国々と、乗り遅れた国々の市民生活には大きな差が生まれたのだと思います。
冬が終われば春が来る。
当たり前のように春風を享受して、当たり前ですが、“民主主義”の時代に生まれて良かったなと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=dq1z1rkjw-E

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# 明日から4日間はイ・サンの映画『逆鱗』を再編集してアップします。

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逆賊 第22話(下) 剣を授ける者

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(2017.04.24)

逆賊 第22話(下) 剣を授ける者

キム・ジャウォン(金子猿:宦官)

「チョナをたしなめるのではなく、
 なぜ、助長するのか?
 良家の娘たちを呼び寄せて…、
 その責任はどうするつもりなのか?」

「長く仕えていながら、
 なぜチョナのお好みを知らないのですか?」

「…」
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# この金子猿は忠臣であったがために、クーデターで死罪となります。

「あなたはチョナの明るい表面だけしか知らないようだわ。
 チョナの深層にある心理が見えていないようだわね」

「…」

「チョナは王族を追い出したのです。
 チョナに酒をこぼした両班たちを追放したのです。
 あなたと私にもあり得ることでしょう?」

「…」

「生きていかないといけません。
 もしも間違いを犯すとチョナだって終いには…、
 私たちだって殺されるわ」
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…生き延びなくては…。
彼を救うためにも…。

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楽師(妓生)たち

「この国の平和を祝って大きな祝宴が開かれる。
 これまでの準備が無駄にならないように、
 失敗は許されない」

「は~い」
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平和の祝典

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ノクスが自ら演出したドラムの音が宮廷に響きます。

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「そうだ!これだ!
 これこそが王にふさわしい祝いだ!
 これこそが朝鮮の響きだ!」

「チョ~ナ~。
 何百年も待った平和の祝宴でございます!」

「…」
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https://www.youtube.com/watch?v=MYT4paeimog&t=14s
https://www.youtube.com/watch?v=LhlzN9R_UoI&t=1s

そこに悲鳴声
血染めの王の衣服が…。

「いったい誰の仕業なのか?!」

「わかりません。
 ちょっと席を立っていた時のことです」

「いったい王衣に誰が?!」

「…」

ムチ打たれる宦官

「投獄しろ!」

「…」

…チョナ。
どうか、毒に覆われた王衣に包まれませんように、
どうか、壊れた御輿でお怪我なさいませんように、
どうか忠臣たちに反逆を起こされませんように、
ご幸運を…。

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今度は御輿の踏み台の足が外されていました。
転落…!

「いったい誰の仕業か?!」
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…クン・オルシンとその仲間の目から逃れられますように…。

「…」
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燕山君とノクス

「多くの臣下を断罪したから、
 今度は神が私に罰を与えているのだろうか…?」

「天の神を恐れるのですか?」

「…」

「チョナは天の神が遣わした王なのに、
 何を恐れるのですか?」
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「そのとおりだ。
 民百姓は万能の子が天から遣わされたと言うが、
 私だけが神の子だ。
 ホン・ギルドンなどとは比較にはならない」
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内侍

「明日はホン・ギルドンを狩り場に連れ出してくれ。
 しばらく狩猟から遠ざかっていたからな」

「…」

「明日はノクスと楽師たちに狩りを見せつけてやる」
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翌朝のこと

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「さあ逃げて見ろ」

「…」
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「さあ! 早く逃げろ!」
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「!」
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動物のように扱われるギルドン

しかし、野で聞いた声…。

「イングニム(王様)が怖いわ…。
 夜に出歩く姿が見られたそうだわよ」

「外に男がいる女官たちや、
 妊婦を外に追い出せとのことだったわ」

「なぜなの? 妊婦が連れ出されるの?」

「ええ、何をお考えなのか分からないわ」
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「…」
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「イングニムが怖いわ…」
(オンラン)

「泣かないで。
 あんたが泣くと私まで貰い泣きしそうだわ。
 私もイングニムが怖いのよ」
(オリニ)

「オリニ…」
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兵士たちの網にかかるギルドン

「もう捕まったのか?」

「オリニ…」

「今頃になって泣いているのか?」
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「オリニや…」

「怖いのか?!
 万能の子が怖がっているのか?」

「…」

「そんなことで国や民百姓を治めようとでも言うのか。
 機会を与えよう。
 この世を見る機会を与える。
 この国を治めるということがどんなことなのか知らしめてやる」
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「…」
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漢陽の町を引き回されるギルドン

「娘を返して下さい!」
(百姓)

「…」
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…兄貴…、オリニを見たぞ。
オリニがイングニムを怖いと言っていたぞ。
俺もチュウォン君や盗賊たちとの争いで血を流した。
たくさんの両班の足をくじいたが、
その怒りよりも、今はなぜか悲しい。

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…馬や家族を失った民百姓の涙が、
オリニやカリョンの…、
それにソブリ兄貴の涙のように思える。
俺は怒りっぽいのに、
なぜ怒りが悲しみに変わるのだろうか…?
ソン(ギルヒョン兄貴)、なぜ心が痛むのだろうか…?

…チョナ。あなたは天高く、光まぶしいところにいるというのに、
なぜ見えないのですか?
この地上で起きていることがなぜ見えないのでしょうか?

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「私は他の人間は信用しない。
 この権力だけが私の道だ。
 私は政治家だからだ。
 ずっと以前のことだが、
 人間は圧政によって治めることができることを知った。」
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ギルドンはアモゲの「王から剣を授かるような大将軍になるのだ」の言葉を思い出します。

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「アボジ…。
 俺は剣を授かる者の代わりに、
 剣を授ける者になろうか…?
 どう思うか…?」
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ドラマの大きな転機となりました。
これが史実なのか不明な点も多いのですが、
“民を愛し、民から慕われる…”
燕山君はそのような国王にはなれなかったようです。
まだ若かったからでしょうか?

ギルドンが提出した守貴単の「行録」の内容は蓋をされました。
「臭い物に蓋をする」国王の行為に、ギルドンもギルヒョンも見切りを付けました。
そこで、勢力図が明らかになってきました。
“燕山君+外戚官僚+守貴単”
VS
“ホン・ギルドン+民百姓”


なお、小説「洪吉童伝」は時代の背景が第4代王・世宗なので、今回のドラマとの不一致があると思います。
参考までにウィキペディアでは次のように書かれています。

「国王は洪吉童の力を認め、兵曹判書(国防大臣)に任命しようとするが、洪吉童はその要請を断って、部下とともに新天地を求めて海を渡り、栗島(ユルド)国にたどり着き、その地の王族を征服して、やがて身分差別のない理想郷を作り上げた。
バージョンによっては、栗島にたどる前に、猪島(ヂョド)で怪物の退治で二人の妻(鄭氏と白氏)を得る話もある」

(第1話のプレリュードから)
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逆賊 第22話(中) クンオルシン!立つのだ!

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(早朝のマーガレット:2017.04.23)

逆賊 第22話(中) クンオルシン!立つのだ!

守貴単

「チョナには今回、我々のことを聞いて頂いた。
 これもご夫人のお陰だ」

「いいえ、師匠のお言葉のとおりです」

「これからが大切だ。 我々の忠誠心を示そう」
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チュウォン君

「なぜギルドンを殺さなかったのか?」

「一度は命を救ってくれたからです」
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強制収容

「これからここの村がチョナの狩場となる。
 村人は出ていけ」
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反論する村人はこん棒で殴られます。

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監獄

「私は他人を信用しない。
 しかも人はもともと悪人だから、
 力で抑え込まないといけないと思う。
 私は政治家だからだ」

「…」

「人は私が幼い時に母親を失くしたからだと言うが、
 そうだな…。
 やはり母のことは哀れに思う。
 しかし、ただそれだけの理由ではない。
 人は権力で抑え込まないと統治できないことが現実だと気付いた。
 2000年も前の孔孟の思想を説教して、
 私に進言する者たちはおかしいと思う」

「…」

「みていろ。
 これから私がどうやってこの国を治めるのかを…」

「…」
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看守もギルドンに同情します

「ギルドンが目を覚ましたということは本当なのか?!」

「ああ、この目で確かめた」

「ギルドンは生きているぞ!」
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「ホン・ギルドンが目を覚ましたそうです」
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話を聞いてノクスも駆け出しました。

燕山君は矢をつがえて…、

「ははは、こうして生かしておく方が面白い」

「はい、チョナ」

「これまではトラやクマを檻にいれて狩りを楽しんだが、
 これからは奴を使う」
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「!」
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与えられた粥を手で食べるギルドン

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ノクスは木のスッカラク(スプーン)をあげます

「コンファ…」
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涙を見せますが、
「コンファはもういないわ。
 あの人が去ってからは、コンファは死んだ…」

ギルドンはソブリが作った銀の髪飾りを見て、チャン・ノクスだと解ります。

「…。
 イング二ムの女になったのだな…?」

「生きていて良かったわ。
 チョナは今、とても怒っている。
 しかし、あなたが害を与えないなら、いつか救うわ」

「…」

「もうこれからは、お互いに知らないことにしましょう」
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強制労働を課せられている仲間

「生きているなら、そのうちにここに来るさ」
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「みすぼれた奴が来るぞ…」

「…」

「ギルドンじゃないか…?」

「…」
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「イルチョン兄貴…」

「クンオルシン!立つのだ!早く!
 立ち上がって下さい!」

「…」

「俺たちのクンオルシンに触れるな!」

「…」
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「立ち上がって下さい! 
 クンオルシン!」

「…」

「泣くな、みんな! 
 きっとギルドンは再起するさ…」

「…」
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堂上に犬

「誰が連れて来たのか?」
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「ところで、先日は庭園にイノシシが出たそうだが、
 誰もそのことには触れなかった。
 なぜなのか?」

「チョナ。 どうかその者を処罰してください」

「不忠です!」

「…」
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イノシシが出たということで、庭園の管理者は晒し首

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「…」
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王命

「最近はどうも妓生や楽師に優秀な者がいない。
 国中の美人を集めろ」

町に集められた妓生たち。

「チョナが歌と踊りが上手な妓生を集めているからよ」

「…」

「あんたにも才能が有れば宮中に上がれるわよ」
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「ソバニム、私はイング二ムに会うわ。
 もしも王があなたを殺したのなら、
 必ず仕返しするわ」
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「これだけなのか?」

「ええ、官妓を国中から集めましたが、
 まだ足りませんか?」

「…」

「両班だって妓生だって、
 王の者という点でには何も変わらないわ。
 誰だって楽士になることはできるわ」

「そうだな」
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# 早くギルドンにバイオニックパワーが戻って来てほしいです。

Give and Take

ネットから得られる情報は、いつも無料でテイク&テイクなのでありがたいです。
しかし、私たちの人間関係ではテイク&テイクとギブ&ギブではいかにもバランスが悪い。
人間関係が崩れる時だと思います。

この『逆賊』での燕山君は、国の富も百姓も食料も全部自分の物だと、その絶対王権を振りかざしています。
これも“テイク&テイク”だと思います。

しかし、第4代王・世宗(セジョン)は、民のためにほぼ独自でハングル文字を研究・創製して、国民に“ギブ”を行いました。
国民から税金を取り立てる一方、国民への慈しみでの還元でした。
“テイク&ギブ”の徳政だったと思います。
人とは結局は実利的なので、恩を仇で返す王は存命できないと思います。

そして、ギルドンの兄・ギルヒョン

パク・ハソンの名で科挙に合格し、1498年の「戌午士禍」で功績を認められました。
あれから6年が経った(「甲子士禍」)ことになります。
ブルーの官服を着ているので、たぶん正三品の令監(ヨンガム:堂上官)にまで出世したのだと思います。
しかし…。
すでに忠誠心は薄れ、燕山君とはどのような決別が描かれるのかが楽しみです。

# 第23話は5月1日からアップする予定です。
https://www.youtube.com/watch?v=dnIidhH4kPY

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逆賊 第22話(上)1504・甲子士禍(カプチャサファ)

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逆賊 第22話(上) 1504年の甲子士禍(カプチャサファ)

「私の夫は言っていました。
 チョナの母君は息子のことを案じながら亡くなったそうです」

「…」

「チョナのことを…、“ペクドル”と…、
 チョナの名前をつぶやきながら亡くなったそうです」
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「そうなのか…。
 私のことをペクドルと呼んでいたのか…。
 そうか…」

「…」

「私のオモニが付けてくれて…、
 呼んでくれた名前なのだな…」
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ソン・ドファン

「チョナ。
 いったい誰が父君の成宗を制したのでしょうか?
 チョナの母君に賜薬をするなど、夫婦でありながら、
 過酷な死を与えたのは父君の成宗です。
 ただし、その成宗の忠臣という者たちが、
 政争の末に廃妃への賜薬を求めたのです」
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ドファンとギルヒョン

「そうだ。
 チョナは母の廃妃のために復讐を決断した」

「…」

「その廃妃からの手紙を焼いたのがホン・ギルドンの父親だと聞いた。
 何とも変な運命の一致…」
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駈けだすギルヒョン

燕山君が来て
「お前の父親が主人の両班を殺して、
 私の母の手紙を奪ったそうだな?
 脅しに使うために?」

「…」

「お前の骨肉の出所が分かった。
 まずは殺して晒し者にする」

「…」
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そこにはカリョンも来ます。

「オラボニ…」
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刀を抜く燕山君

師匠から聞いて駆け付けたギルヒョン

「チョナが盗賊ごときに手を下してはなりません。
 刀を下さい。私が代わって…、やります」

「…」
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ギルヒョンが刀を振りかざすと…、

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「そうだな。
 これから盗賊に哀れみを施したり、
 水を与える者がいたら投獄せよ。
 ここで野垂れ死にするのを見届けてやる」

「…」
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…ギルドンや…、耐えてくれ。
必ず救ってやる。

「…」

…必ず救う。

何も言わないギルドンですが、ギルヒョンとは目と目で会話して、涙を見せました。

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カリョン

「ソバン…、私だわよ。
 オラボニ…、一緒に家に帰ろう…」

「…」
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二人のアジュンマを哀れみをみせます。

命令によって3人は投獄されます。

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「オルシン! 
 ここから出して下さい!」

他の看守が来て、

「どうしたのか?」

「ホン・ギルドンに水を与えようとした女たちです」

「明日までだ。 明日は釈放しろ」

「ここから出して下さい!」
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ギルヒョン

「チョナ。
 ホン・ギルドンをそのままにしておくと、
 万能の子だということで、
 百姓たちがどのような態度に出るか分かりませんから、
 投獄して、他の目的で使うべきだと思います」

「…」
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気を失ったギルドンは投獄されますが、庶民たちは死んだと誤解。

カリョンには、
「遅かったようだな。
 ホン・ギルドンは死んだ」

「…」
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ギルヒョンは、
「どうか、生かしておいてくれ」と看守にお金を掴ませて頼みます。

「え?!」

「チョナは他の目的に使うとのことだ。
 もしものことがあればチョナが怒る」
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堂上会議

「先日の宴では私からの酒をこぼして、
 私の服を汚した者もいる。
 礼判!そなたもその一人だったな!
 しかも、玉座を濡らした」

「はい、チョナ」
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「私が若いからと、馬鹿にしたな?」

「いいえ、チョナ。
 決してそんなことではありません」

「イ礼判は私の衣服を汚し、玉座を濡らした!
 これは大きな不義だ!
 直ちにとらえて尋問しろ!」
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「問題はあんなことではなくて、
 廃妃に賜薬したことが原因のはずだ」

「成宗の王命に従っただけだ!」
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連座で廃妃に係った官僚たちが拷問に掛けられます。

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自ら手を下す燕山君

「このことを他言したものは同じく罰する」

「はい、チョナ。ご心配なく…」

「いや、違う。
 このことは配下の官僚たちにも伝えろ」

「…」

「棒を持て!死ぬまで叩け。
 もしも生きていたらお前たちを叩く」

「チョナ…」

「袋の中の者はお前たちのオモニではない」

「…」
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# この内侍(宦官)のこと(注記)

「私の母の廃妃と賜薬に関与した者はすべて逮捕だ。
 イ・セジュワとユン・ピルサンは死罪だ!」
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「墓を暴いて首をはねよ!」

剖棺斬屍刑

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# キム・ジャウォンの部下の内侍(宦官)のこと。
この若い宦官は史実に残る金処善(キム・チョソン)だと思っています。
燕山君を諫める宦官を射殺したとの記録がありました。

<1504年の「甲子士禍(カプチャサファ)」>

「戌午士禍(ムオサファ:1498年)」は世祖(セジョ)のクーデターと魯山君とのことが原因で、士林派が処刑されました。
それから6年後のことです。
ドラマでは守貴単(スギダン)のソン・ドファン(仮想の人物)が燕山君を焚きつけていますが、史実では一人の堂上官(タンサングァン:正三品以上)の密告です。
堂上官の中でも王の外戚関係(宮中派)と勲功家臣(府中派)が分かれていて、外戚の任士洪(イム・シホン)が廃妃・尹氏にかかる事実を暴いて、関係者たちのことを燕山君に密告したことが原因です。

これは燕山君と任士洪が、勲功家臣(府中派)と士林派を追放し、同時に勲功田などを取り上げて財政の一助にするという目論見。
(KJS「孫から頭突きされた大妃」参照)
http://jumong007.blog133.fc2.com/blog-entry-3171.html

この結果はおびただしい断罪でした。

死罪;
成宗の側室だった、巖(オム)氏と鄭(チョン)氏(および2人の王子)
官僚の尹弼商金宏弼たち10余人

「剖棺斬屍刑(墓を暴いて斬首)」;
韓明澮、鄭汝昌、南孝温など

尹氏の廃妃に賛同した者;
洪貴達、金処善、李元など26人

その他、燕山君の行動を諫めた者:
2名が斬首と流刑

ただし、勲功家臣(府中派)も黙ってはいませんでした。
この2年後にクーデター(中宗反正)を起こします。
第23話からでしょう。

# ひとつ大切なポイントを歴史・ドラマファンの方にお伝えしておかなければならないと思います。
この「甲子士禍」はおよそ7か月の長期に亘る事件だということです。
上記は公式な『朝鮮王朝実録』での記述だけで、実際を記す野史が他にもあると思います。

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推薦したい歴史ドラマ

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https://www.youtube.com/watch?v=zriRcKnlU5g
(歌:キム・サンジュン)

歴史ドラマと映画
GWを前におススメのドラマ・映画です。
史劇では史実とフィクションとが融合しているものの、よ~く考えて仕分けしているうちに、“これは歴史の勉強になった”と思っています。

1.歴代の王の即位年とその時の年齢
また、当時を描いたドラマと映画です。

個人的な庶民としての観点から8本(☆)選んでみました。
(太い文字の王は即位の年齢が未成年)

初代王・太祖(テジョ)1392年:57歳
第2代王・定宗(チョンジョン)1398年:41歳
第3代王・太宗(テジョン)1367年:33歳
第4代王・世宗(セジョン)1418年:21歳
以上の時代では、
『六龍が飛ぶ』(☆)
『根の深い木』(☆)


第5代王・文宗(ムンジョン)1450年:36歳
第6代王・端宗(タンジョン)1452年:11歳
第7代王・世祖(セジョ)1455年:38歳
第8代王・蓉宗(イェジョン)1468年:18歳
第9代王・成宗(ソンジョン)1469年:12歳
第10代王・燕山君(ヨンサングン)1494年:18歳
以上の時代では、
『逆賊』(☆)

第11代王・中宗(チュンジョン)1506年:18歳
有名な、
『チャングムの誓い』『ファンジニ』

第12代王・仁宗(インジョン)1544年:29歳
第13代王・明宗(ミョンジョン)1545年:11歳
第14代王・宣祖(ソンジョ)1567年:15歳
第15代王・光海君(クァンヘグン)1608年:33歳
第16代王・仁祖(インジョ)1623年:28歳
以上の時代では、
『ホジュン』
『亀巌ホジュン』
『華政』(☆)
『不滅の李舜臣』
『宮廷女官キム尚宮』
映画『光海』(☆)

第17代王・孝宗(ヒョジョン)1649年:30歳
第18代王・顕宗(ヒョンジョン)1659年:18歳
第19代王・粛宗(スクチョン)1674年:13歳
以上の時代では、
『トンイ』
『チャンオクチョン』(☆)

第20代王・景宗(キョンジョン)1720年:32歳
第21代王・英祖(ヨンジョ)1724年:30歳
第22代王・正祖(チョンジョ)1776年:24歳
以上の時代では、
『イサン』(☆) 
『ときめき成均館スキャンダル』
映画『逆鱗』(☆)

第23代王・純祖(スンジョ)1800年:10歳
第24代王・憲宗(ホンジョン)1834年:7歳

第25代王・哲宗(チュルチョン)1849年:18歳
第26代王・高宗(コジョン)1863年:11歳
第27代王・純宗(スンジョン)1907年:33歳
以上の時代では、
『明成皇后』
『済衆院』

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(2015.12.15の空@景福宮)

2.未熟な王様

上記の即位の際の年齢では、18歳未満が8人います。
自分の感情をコントロールするという点では、未熟ではなかったのかと思われる少年王です。
それぞれに摂政政治が行われて、王は骨抜きにされていたと思います。
裏には大王大妃(テワンテビ)・大妃(テビ)と、その外戚関係で権力を持った官僚たちがいた…。

『朝鮮王朝実録』に基づき脚本化される史劇なのですが、この原典には偏向がある。
弘文館にいた後世の官僚たちによる(派閥の)バイアスがある編纂の結果だと思います。

そこで、王本人が思っていた政治・治世を実現しようと、国王として自立して治世ができていたのは18歳以上の王だったと考えると、上記から未成年で即位した王のドラマ『チャン・オクチョン』が外れます。
しかし、成人してからの第19代王・粛宗が派閥解消のために換局(ファングク;議会の解散)に努力した姿が描かれていますので、これは参考になりました。

# 『逆賊』の第22話までのところで、燕山君はやはり変わっていたのかと、二面性を感じました。
豹変して、まるで王権を利用した独裁者?
次の動画をどうぞ。
https://www.youtube.com/watch?v=MYT4paeimog&t=14s

これまでは絶対王権と官僚(派閥)との政争として見て来ましたが、自分の狩場のために村人たちを強制的に追い出す(執行はモリ:第22話)シーン。
ここで、見方が変わりました。
宮廷内だけでの背徳の行為で、彼の敵は官僚だけだったと思っていましたが、違いました。
民主主義の観点からは行き過ぎた王だったと言うしかありません。
太陽のように民を照らす王道が儒教の本質だと(知っていた)理解していたならば、あのシーンは残念です。
韓国半島の富も民も全部自分の物だとの発想が独裁に繋がったようです。

①勉強嫌い ×(感性と知性は天才的)
②暴君 ○(民百姓を苦しめた)
③酒池肉林 △(不明)

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3.王朝末期のこと

イ・サン(第22代王)が亡くなったのが1800年。
そして、イ・サンが亡くなってからの半島の100年のうち、およそ60年間は勢道(セド)政治と呼ばれる、王の外戚が権力を握った鎖国の時代でした。
外戚とは安東・金氏で、第23代王・純祖(スンジョ)の妻だった純元(スウォン)王后・金氏のファミリーのことです。
(詳細は次回)

その当時の海外のことを列挙すると、
アメリカの独立 1776年
フランス革命 1787年
そして明治維新が1868年

日本は欧米から80年~90年遅れて、明治維新と共にいわゆる「富国強兵」のための近代化が急ピッチで進みました。
また、半島では1897年に第26代王・高宗が国号を「大韓帝国」と変えて、皇帝に就きました。
高宗(在位44年間)が建築した徳寿宮(トクスグン)の中の近代建築に見られるように、日本から30年ほど遅れて近代化が始まったと思います。
ただし、明成王后・閔氏が頼る外国はまず清であり、夫の高宗の末期はロシアでした。

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(写真は韓国観光公社より)

王朝末期のことは『明成王后』『済衆院』、
日韓併合後の独立運動を描いた映画『暗殺』(チョン・ジヒョン主演)しか視聴していないので、これからの作品を期待しています。

この写真は李氏<朝鮮王朝>最後の第27代王・純宗(国立故宮博物館にて撮影)です。
すでに国号が代わり、彼は第2代皇帝であり最後のエンペラーともなります。

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# 放送・第24話でカリョンがオリニ(=サンファ)を知ることになりました。
一部を先に紹介しておきます。

オンランはノクスのチマを踏んで、罰として投獄されました。
(言い伝えられる逸話の部分です)

「どうして私に親切なのですか?」

「ちょっと(クニャン)…、
 私の妹のように思えるからだわ」

「…」

「あの留め紐の残りの半分を誰が持っているのか知っている?
 あれは私の主人の…」

「あれは私の物ではないです。
 サンファの物で、
 サンファはいつもあれを持って歩いているわ」

「…」
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ソン・ドクファンのところにサンファが報告

「何だと?!
 ホン・ギルドンが生きているのか?!」

「ええ、コンファがホン・ギルドンには興味を示しています。
 ホン・ギルドンが傷を負うと二日ほどは気がめいっています。
 とある日に、ホン・ギルドンのことで“死んだと聞いて可哀想です”というと、
 “なぜ死んだと分かるのか?
 同情する必要はない”とのことでした」
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# コンファはノクスの過去の芸名。
サンファ=オリニ(=守貴単の密偵)のようです。

(第24話のおわり)
https://www.youtube.com/watch?v=Se9CQeOe3MM

「お~い! イ・ユン!」
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# イ・ユンは燕山君の本名で、李㦕(りっしんべんに隆でユン:융)
なお、胸のロゴは“仁”のようです)

# 今月末のKJS『逆賊』は5日間ほどお休みして、5月1日から再開します。
その間はイ・サンの映画『逆鱗~王の涙』です。
再編集しました。
今年もGWを前に佐賀県の有田陶器市に行きます。
昨2016年は、日本で最初に磁器が焼かれてから400年目の記念祭でした。

(↓長崎の英国領事館で使われた皿:中央のマークは輸入元の東インド会社のロゴです。
 昨年:佐賀県・有田:源右衛門窯にて撮影)
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(チャン・オクチョン)
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逆賊 第21話(下) 母からの伝言


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(2017.04.16)

逆賊 第21話(下) 母(廃妃・尹氏)からの息子への伝言

弟を救いたいものの手が出ないギルヒョン

…ギルドンや、生きるんだ。
俺が必ず救ってやる。

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牢獄

「ギルドンが生きていることだけでも良いことさ。
 良かった…」

「…」
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「私は生きていたいと思った。
 もしもギルドンが負けたら私は生きていられると思った。
 しかし、私は何と馬鹿な男だ…、アイゴ~。
 なんて馬鹿な…」
(イム・ジャチ)

「…」

「アイゴ~、何て馬鹿なことを思ったのか…、アイゴ~」
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「…」
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「…」
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城門の外

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「ホン・チョンジの身体はバラバラだ。
 俺はホン・チョンジは万能の子だと思っていたが、
 そうではなかった…」

「ええ、万能の子なんてこの世にはいないのよ」
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ギリ山の巫女の言葉

…この世に英雄が産まるのかということではない。
天がこの世に英雄を遣わすというわけでもない。

「…」

…そなたは血の気が無くなるほどの強い望みを持つ男だ。
その強さがそなたの身体を砕くことにもなる…。

アモゲの言葉

…ギルドンや…、お前は普通に死んでいくとでも思っているのか?

「…」
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# 自助努力をしろとの巫女とアモゲの励ましの言葉だと思います。

財政難

官僚たちは、
「もしも戦争や内乱でも起きたら、
 それに対応するだけの財政資金がない」

「しかし、チョナには聞く耳がない…」
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堂上会議

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「チョナ、盗賊を首尾よく逮捕されました。
 しかし、盗賊の逮捕と祝宴での費用のために、
 国庫が厳しくなっています」

「しかも、楽士たちへの褒章が多くて、
 賄いきれません」

「庭園には狩りに使う鷹と猟犬が多すぎます」

「外部の者や宦官(内侍)ではなくて、
 もっと官僚たちの言葉を聞いて下さい」
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ソン・ドファンと隠密

「何だと?
 私のことを部外者だと言っているのか?
 彼らには部外者がどんなものかを見せしめる」
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水を与えようとする庶民たち

「クンオルシン!
 どうか目を開けて下さい!」
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「クンオルシン…」
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「ホン・ギルドンは死んだのですか?」

「いやまだ生きているが、あのままでは死んでしまう」

「私が連れ戻すわ」
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ノクスは雑用係の二人を呼んで

「あんた達はホン・ギルドンが生きているのか確かめて来なさい」
(ウォルハメ)

「なぜ、盗賊に興味を持っているのですか?」
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「早く行きなさい!」
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「怖い」というオンランですが、「生きているわ…」
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「…」
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燕山君に師匠が合わせるのはパク夫人

「私のオモニの手紙を持っていたのか?」

「手紙は不貞のやからに持ち去られましたが、
 この夫人の記憶ははっきりしています」
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パク夫人は覚えていた記憶で手紙の内容を伝えます。

「“私はチョナのご寵愛を受けて、王子を出産しました。
しかし、側室の陰謀によりチョナの心が変わり、
私はチョナに捨てられた。

しかも、私が宮廷に残した大君(元子)は不可思議な事件で死んだ。
ではいったい誰がこの王子を守ってくれるのだろうか?
宮中の逆賊たちが王子の命を守ることができるのだろうか?

私は王子を守るために立ち上がろうと思う。
王子は世子となるべきであり、
将来はこの国の1000年の安泰のために王になるべきだ”」
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「手紙も持たずに、
 私に罠をかけるつもりなのか?」

「チョナ。私は手紙は持っていません。
 記憶だけです。
 しかし、私の夫はチョナの母君を救おうとしたのです」

「…」

「だからこそ、
 私の記憶をチョナにお伝えしたかったのです」
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「手紙の最期には、
 “ペクドルの母”と書いてあり、
 “尹氏”との母君の署名がありました」

「ペクドル…なのか…」
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「そうか…、
 ペクドルと言うのが私の幼名だったのか…」
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水を与えるオリニ

「水も与えられないなんて可哀想だわ。
 きっと喉が渇いているはずだわ」
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「喉が渇いたまま水も飲めずに死んでいく人は、
 とても悲しいわ」

「…」
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「…」
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(第21話のおわり)
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第9代王・成宗(燕山君の父)の2番目の正室・尹氏(廃妃)は名家から側室となり、先の正室が亡くなったその年に正室に冊封されて、燕山君を産んでいます。
今回のドラマでは元子(ウォンジャ:王の最初の息子)がいたとのこと。
つまり、燕山君には兄(尹氏の側室時代の息子)がいたということです。
廃妃・廃位の母と息子なので、その記録には多くの謎があるものの、「朝鮮王朝実録」には兄の存在の記録はありません。
ただ、KJS“三つ子の魂百まで(http://jumong007.blog133.fc2.com/blog-entry-3179.html)”に書いたように、燕山君はすべて何も知らされずに成人しています。

「ペクドル」という幼名には母親の愛、そして無念を込めて“百歳まで生きますように”の意味だと思います。

ちなみに、燕山君に何人の子供ができたのか不明で、記録に残っているのは5人の名前と、ノクスの連れ子の男子一人だけです。

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